機械材料

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機械材料
科目番号 0214 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械知能システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「材料学」久保井徳洋・樫原恵蔵共著、コロナ社
参考書:「Professional Engineer Library 機械・金属材料学」黒田大介他共著、実教出版、「JIS鉄鋼材料入門」大和久重雄著、大河出版、「図解 機械材料 第3版」打越二彌著、東京電機大学出版局、他
担当教員 田中 裕一

到達目標

1.機械材料に求められる性質、金属材料、非鉄金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途について説明できる。
2.機械的性質と試験方法を説明できる。
3.金属と合金の結晶構造と状態変化および凝固過程を説明できる。
4.塑性変形の起り方や加工硬化と再結晶がどのような現象であるかを説明できる。
5.平衡状態図の見方を説明できる。
6.鉄鋼の製法や炭素鋼の性質について説明できる。
7.炭素鋼の熱処理について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機械材料に求められる性質機械材料に求められる性質について具体的に説明できる機械材料に求められる性質を概ね説明できる機械材料に求められる性質を全く説明できない
金属材料、非鉄金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途金属材料、非鉄金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途について具体的に説明できる金属材料、非鉄金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を概ね説明できる金属材料、非鉄金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を全く説明できない
機械的性質と試験方法引張試験、硬さ試験、衝撃試験、疲労試験、クリープ試験について具体的に説明できる機械的性質と試験方法を概ね説明できる機械的性質と試験方法を全く説明できない
金属・合金の結晶と状態変化金属と合金の結晶構造と状態変化および凝固過程を具体的に説明できる金属と合金の結晶構造と状態変化および凝固過程を概ね説明できる金属と合金の結晶構造と状態変化および凝固過程を全く説明できない
金属材料の変形と結晶塑性変形の起り方や加工硬化と再結晶がどのような現象であるか具体的に説明できる塑性変形の起り方や加工硬化と再結晶がどのような現象であるか概ね説明できる金属材料の変形と結晶について全く説明できない
平衡状態図平衡状態図の見方を具体的に説明できる平衡状態図の見方を概ね説明できる平衡状態図の見方を全く説明できない
炭素鋼鉄鋼の製法や炭素鋼の性質を具体的に説明できる鉄鋼の製法や炭素鋼の性質を概ね説明できる鉄鋼の製法や炭素鋼の性質を理解できない
炭素鋼の熱処理焼きなまし、焼きならし、焼入れ、焼戻し等の熱処理の目的と操作を説明できる炭素鋼の熱処理について概ね説明できる炭素鋼の熱処理について全く説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 6-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械材料は、ものづくりの基本となる材料の種類や基本的な性質を知る学問です。構造物や装置の設計をする際に、金属、ポリマー、セラミックス、複合材料などから選定するには、これらの材料特性と使用環境を十分に把握しておかねばなりません。本科目では、金属材料を中心に学び、その他の材料についても、出来る限り扱います。
授業の進め方・方法:
授業開始前までに、教科書の該当箇所に目を通して下さい。教科書、参考書及びWeb検索した内容で授業を構成します。授業中は、後で自分が勉強し易くなるように、工夫してノート等をまとめて下さい。金属材料が中心となるので、ポリマー、セラミックス、複合材料については、授業中に扱わなくても、課題にする可能性があります。
注意点:
〇自学について
60時間の授業以外の学修(自学自習)が必要です。
(事前学習)
授業計画及びTeamsのチャネルで進捗を確認し、教科書の該当箇所に目を通しておくと良い。
(事後学習)
復習と宿題をすることを心掛け、WebClassで出席と成績を確認すること。

授業後は、まとめたノート等を使って復習し、課題にも取り組んで下さい。図書館の書籍等も利用して、理解を深めると良いでしょう。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 導入
機械材料の分類と規格
設計と材料選定
材料の試験と検査法
機械材料に求められる性質を説明できる
金属材料、非鉄金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる
2週 材料の試験と検査法 引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基礎概念が説明できる
脆性および靭性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる
3週 金属の結晶構造とその性質 金属と合金の結晶構造を説明できる
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる
塑性変形の起り方を説明できる
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる
4週 平衡状態図 金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる
合金の状態図の見方を説明できる
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる
5週 平衡状態図 金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる
合金の状態図の見方を説明できる
鉄鋼の製法を説明できる
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる
6週 熱処理 熱処理を説明できる
7週 熱処理
構造用金属材料
熱処理を説明できる
構造用金属材料を説明できる
8週 中間試験 3rdQの定着度を確認
4thQ
9週 答案返却・解説
構造用金属材料
構造用金属材料を説明できる
10週 構造用金属材料
鋳造用金属材料
構造用金属材料を説明できる
鋳造用金属材料を説明できる
11週 工具用金属材料 工具用金属材料を説明できる
12週 耐食材料 ステンレス鋼を説明できる
13週 耐食材料
耐熱金属材料
ステンレス鋼を説明できる
高温酸化、クリープ現象、拡散速度、耐熱鋼を説明できる
14週 耐熱金属材料
特殊機能金属材料
高温酸化、クリープ現象、拡散速度、耐熱鋼を説明できる
易融合金、磁性金属材料、形状記憶合金、アモルファス合金を説明できる
15週 定期試験 4thQの定着度を確認
16週 答案返却・解説、まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4後2,後8
材料機械材料に求められる性質を説明できる。4後1,後8
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4後1,後8
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4後2,後8
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4後1,後8
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4後2,後8
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4後2,後8
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4後2,後8
金属と合金の結晶構造を説明できる。4後3,後8
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4後3,後4,後5,後8
合金の状態図の見方を説明できる。4後4,後5,後8
塑性変形の起り方を説明できる。4後3,後8
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4後3,後8
鉄鋼の製法を説明できる。4後5,後8
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4後5,後8
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4後4,後5,後8
焼きなましの目的と操作を説明できる。4後6,後7,後8
焼きならしの目的と操作を説明できる。4後6,後7,後8
焼入れの目的と操作を説明できる。4後6,後7,後8
焼戻しの目的と操作を説明できる。4後6,後7,後8

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000