構造力学I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 構造力学I
科目番号 0007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 構造力学(第2版)上〔静定編〕 﨑元達郎著 森北出版
担当教員 岩坪 要

到達目標

1.力の合成・分解ができる。
2.自由物体の釣り合い式が立てられる。
3.構造物の支点反力を求めることができる。
4.構造物の断面力の計算が出来る。
5.静定トラスの部材力の計算が出来る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複数の力のベクトル表示から,力の合成・分解ができる。ある点に作用する力のベクトル表示が出来る。作用している力のベクトル表示ができない。
評価項目2様々な構造形式の自由物体図からつり合い式を立てられる。単純はりの自由物体図からつり合い式が立てられない。自由物体図が立てられない。
評価項目3様々な構造形式の支点反力を求めることが出来る。単純はりの支点反力が求められる。支点反力の計算ができない。
評価項目4断面力(軸力,せん断力,曲げモーメント)の式からそれぞれの断面力図を書くことができる。断面力(軸力,せん断力,曲げモーメント)の表記からつり合い式が立てられる。断面力(軸力,せん断力,曲げモーメント)が表記できない。
評価項目5節点法と断面法を使い分けて部材力の計算ができる。節点法により部材力の計算ができる。トラスの自由物体図がかけない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
各種構造物の設計には,外力(荷重)に対して構造物がどのように抵抗するかなど,基礎的な力学の知識が必要になる。構造力学では,このような実構造物の設計に必要となる自由物体の力の釣り合いを中心に,静力学の基礎事項について学ぶ。
授業の進め方・方法:
構造物に働く力の作用を思い描けるように,実際の構造物の挙動や設計と関連付けながら,構造物に作用する外力の扱いや静定構造物における反力,断面力について講義する。力の合成,自由物体を切り出し見えない力のベクトル表示,力の釣合いの理解を中心に,演習等を通して自力で問題を解く力を養い,目に見えない力の作用について深く理解する。
注意点:
・毎日の復習を欠かさないこと。
・練習問題は必ず取り組むこと

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 講義ガイダンス,構造力学と構造物と構造設計 科目の目的が理解できる。構造物の種類を覚える。
2週 力の合成と分解,力の釣り合い式 力のベクトル表記の意味が分かる
3週 力の合成と分解,力の釣り合い式 力の合成,分解が出来る
4週 力の合成と分解,力の釣り合い式 力の合成,分解が出来る
5週 構造物を支える力(支点反力) 支点と反力が理解できる
6週 構造物を支える力(支点反力) 支点反力の計算が出来る
7週 構造物を支える力(支点反力) 支点反力の計算が出来る
8週 中間試験 これまでの内容について試験で確認する
4thQ
9週 構造物内部に作用する力(断面力) 断面力が理解できる
10週 構造物内部に作用する力(断面力) 断面力の計算が出来る
11週 構造物内部に作用する力(断面力) 断面力の計算が出来,各図がかける
12週 構造物内部に作用する力(断面力) 断面力の計算が出来,各図がかける
13週 静定トラス トラスの部材力が理解できる
14週 静定トラス 節点法で計算できる
15週 学年末試験 中間試験以降の内容について確認する
16週 期末試験の返却と講義のまとめ 答案返却とまとめをする

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。3後2,後3,後4
力の合成と分解をすることができる。3後2,後3,後4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3後2,後3,後4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造力の定義、単位、要素について説明できる。4後2,後3,後4
力のモーメント、偶力のモーメントについて理解している。4後2,後3,後4
力の合成と分解について理解し、計算できる。4後2,後3,後4
力のつり合いについて理解している。4後2,後3,後4
構造物の種類やその安定について理解している。3後1,後5
構造物に作用する荷重の種類について理解している。4後1,後5
静定構造物を支える支点や対応する反力を理解し、それらを力のつり合いより計算できる。4後1,後5
断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4
はりの支点の種類、対応する支点反力を理解し、はりの種類やその安定性について説明できる。4後5,後6
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。4後5,後6
はりの断面力と荷重の相互関係を理解している。4後9,後10,後11,後12
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4後9,後10,後11,後12
はりにおける変形の基本仮定を理解し、断面力と応力(軸応力、せん断応力、曲げ応力)について説明でき、それらを計算できる。4後9,後10,後11,後12
はりに生じる応力から、簡単なはりの設計ができる。4
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。3後13,後14
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。3後13,後14
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。2
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。2
ラーメンやその種類について理解している。3
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。3後9,後10,後11,後12
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係(フックの法則、弾性係数、ポアソン比)について説明でき、それらを活用できる。3
鋼材の力学的性質について理解している。3
曲げモーメントによる断面に生じる応力(圧縮、引張)とひずみを理解し、それらを計算できる。3
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。3
垂直応力とせん断応力について説明できる。3
主応力と主軸について説明できる。3
モールの応力円を利用して、構造物内部の応力状態を説明できる。3
平面応力と平面ひずみについて説明できる。2
弾性・塑性の概念について説明できる。2
はりのたわみの微分方程式を理解している。2
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。2
建築系分野構造建築構造の成り立ちを説明できる。1後1
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。1後1
建築物に働く力について説明できる。1後1
力の定義、単位、成分について説明できる。2後2,後3,後4
力のモーメント、偶力のモーメントについて理解している。2後2,後3,後4
力の合成と分解について理解し、計算できる。3後2,後3,後4
力のつり合いについて理解している。3後2,後3,後4
力の単位系について理解し、単位系の相互変換が計算できる。3後2,後3,後4
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。3
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。3
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。3
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。3
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。3
骨組構造物の種類やその安定・不安定について理解している。3後1
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。3
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。3
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。3後9,後10,後12,後13,後14
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。3後13,後14
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3後5,後6
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。3後5,後6
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3後9,後10,後11,後12
単純ばりの応力を計算し、応力図を描くことができる。3後9,後10,後11,後12
片持ちばりの応力を計算し、応力図を描くことができる。3後9,後10,後11,後12
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。3
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。3
ラーメンやその種類について説明できる。3
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3後9,後10,後11,後12
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。3
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。3
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。3
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。3
木構造の特徴・構造形式について説明できる。3後1
木材の種類・性質について説明することが出来る。3
木材の接合について説明できる。3
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。3
外部および内部の仕上げについて説明できる。3
木造枠組み壁構法について説明できる。3
S造の特徴・構造形式について説明できる。3後1
鋼と鋼材の性質について説明できる。3
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。3
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。3
曲げ材の設計の計算ができる。3
継手の設計・計算ができる。3
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。3
溶接接合の種類と設計法について説明できる。3
仕口の設計方法について説明ができる。3
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。3
計画・歴史計画の立案ができる。2
設計・製図ソフトウェアを用い、各種建築図面を作成できる。2
各種模型材料(例えば、紙、木、スチレンボードなど)を用い、図面をもとに模型を製作できる。または、BIMなどの3D-CADにより建築モデルを作成できる。2
与えられた条件をもとに、コンセプトがまとめられる。2
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。2
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などがかける。2
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。2
講評会等において、コンセプトなどをまとめ、プレゼンテーションができる。2
与えられた条件をもとに、動線・ゾーニングのエスキスができる。2
与えられた条件をもとに、配置図、各階平面図、立面図、断面図などが描ける。2
敷地と周辺地域および景観などに配慮し、配置、意匠を検討できる2
設計した建築物の模型またはパースなどを製作できる。2
講評会等において、設計趣旨などをまとめ、プレゼンテーションができる。2
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。3
いくつかの分野の実験・演習・調査などについて理解し、その実験や実践ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000