応用情報処理

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用情報処理
科目番号 0047 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料
担当教員 森下 功啓

到達目標

1. データの可視化ができる
2. 予測モデルを作ることができる
3. AIの特徴について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
データの可視化ができる表形式データの要約ができる。散布図・ヒストグラムなどのグラフを4つ以上作成できる。Pythonの文法を説明できない
予測モデルを作ることができる予測モデルを評価し、利用できる。重回帰分析ができる。単回帰式を作成できない。単回帰式の妥当性を説明できない。
AIの特徴について説明できるAIがもたらし得る利益と問題の両方を考慮した判断ができる。予測モデルの解釈について注意点を説明できる。AIが社会でどのように利用されているか説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 2-1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 2-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 本講義は、土木・建築系技術者に必要なコンピュータを使った計算と、AIなどのデータ分析の基礎について学ぶ科目である。構造設計などで必要とされる計算プログラミングの基本能力と、データを他者に説明する際に必要となる可視化の能力と、AIのリテラシーを身に着けることを目指す。
※実務との関係
 この科目は、企業でプログラミングを伴うソフトウェア開発を担当していた教員が、その経験を活かし、数値計算などについて講義及び演習形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
 講義では、まずスライドを用いて手法を説明し、その後に演習を行う。データに対する考察は時間を要するため、試験では基本的な計算手法が身についている事を主に評価し、レポートを通じてデータを考察する力を主に評価する。
 本講義でプログラミングに利用するPythonは、流体力学・材の強度解析・気象シミュレータ・自然言語処理・各種科学計算が得意な汎用プログラミング言語である。コンピュータグラフィクス(CG)や地理情報システム(GIS)や建築プログラミングでも使われている。AI分野では特に標準的なプログラミング言語である。Replitなどのインターネット上でPythonプログラミングを無料で試すことができるサービスもあるので自習に活用して欲しい。
注意点:
〇評価について
*レポートの提出遅れは、評価を下げます。計画的に取り組みましょう。
*欠席した場合、欠席分の講義資料を確認して提出して下さい。なお、体調不良で休んだ日数分は提出期限を延長します。
*再試は必ずしも実施しませんが、実施した場合の得点pは、基本的にはp = (本試の点数 + 2*再試の点数) / 3で求めます。
*講義中に、講義に関係ないWebサイトを頻繁に視聴したり、長時間睡眠したり、スマートフォン等でゲームをしているところを発見した場合、再試験を実施しません。

〇自学について
(事前学習)
授業計画にとらわれず、興味のあることに取り組んでください。授業中は教えあいを推奨します。
(事後学習)
配布資料とインターネット上の情報を基に、演習問題に取り組んでください。授業を聞いただけで理解できる人は居ません。プログラムをとにかく書いて実行してみましょう。デバッグ(ミスの発見)方法の習得が上達への近道です。エラー情報は英語ですが、頑張って読みましょう。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、コンピュータの歴史と構造と社会 講義の進め方を把握する。コンピュータの歴史を理解する。
2週 Python入門1 基本文法、制御構文 Pythonの型や文法を理解する。
3週 Python入門2 基本的な問題演習 Pythonを使って簡単な問題をプログラムで表現する。
4週 Python入門3 関数と基本的な問題演習 数式を計算する関数を実装できる。
5週 グラフの描画 棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、ヒストグラムを描ける。
6週 数学的な計算 様々な数式をグラフで表せ、数値微分を説明できる。
7週 AIと社会 AIの特徴と社会的な役割について理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験解説、データの可視化と要約 形式データのグラフ化や条件抽出などができる。
10週 統計の基礎 データの分布を表す指標や、変数間の関係を表す指標を説明できる。
11週 2群間の平均値の差の検定 2群間の平均に差があるか判断できる。
12週 ベクトルと行列の計算 行列の計算ができる。
13週 簡単なAIの作成 プログラムを用いて重回帰分析ができる。
14週 重回帰分析と評価 簡単なAIを作成できる。
15週 後期定期試験
16週 試験返却と解説、まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシーコンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。3後1
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。3後2
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。3後2,後3,後4
専門的能力分野別の専門工学建設系分野計画二項分布、ポアソン分布、正規分布(和・差の分布)、ガンベル分布、同時確率密度関数を説明できる。3後11
重回帰分析を説明できる。4後14

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合9010100
基礎的能力60565
専門的能力30535
分野横断的能力000