建築史I

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 建築史I
科目番号 0080 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建築社会デザイン工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリント/教材:「カラー版図説建築の歴史」(西田雅嗣・矢ヶ崎善太郎、学芸出版社)、「日本建築史序説」(太田博太郎、彰国社)、「日本建築史」(藤田勝也・古賀秀策、昭和堂)、「新版ヨーロッパ建築序説」(N.ぺヴスナー、彰国社)、「ヨーロッパ建築史」(西田雅嗣、昭和堂)、プリント
担当教員 森山 学

到達目標

1.各時代・地域の建築とその成立過程との関係を理解した上で、建築を評価する姿勢を身につける。
2.各時代・地域の建築の文化的価値を把握し、保存問題、歴史的環境下での建築、場所性に配慮した建築のための素養を会得する。
3.各時代・地域の技術・意匠・空間構成を理解し、設計手法・理念に応用できる素養を会得する。
4.各時代・地域の建築に関係する部材等の名称を覚え活用できる。
5.各時代・地域の主要建築物の名称を覚え、各様式・建築・建築家の特徴等を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1建築とその成立過程との関係を理解した上で、建築を評価する姿勢を身につけることができる。建築とその成立過程との関係を理解した上で、建築を評価する姿勢を部分的に身につけることができる。建築とその成立過程との関係を理解した上で、建築を評価する姿勢を身につけることができない。
評価項目2建築の文化的価値を把握し、保存問題、歴史的環境下での建築、場所性に配慮した建築のための素養を会得することができる。建築の文化的価値を把握し、保存問題、歴史的環境下での建築、場所性に配慮した建築のための素養を部分的に会得することができる。建築の文化的価値を把握し、保存問題、歴史的環境下での建築、場所性に配慮した建築のための素養を会得することができない。
評価項目3各時代・地域の技術・意匠・空間構成を理解し、設計手法・理念に応用できる素養を会得する。各時代・地域の技術・意匠・空間構成を理解し、設計手法・理念に応用できる素養を部分的に会得する。各時代・地域の技術・意匠・空間構成を理解し、設計手法・理念に応用できる素養を会得できない。
評価項目4各時代・地域の建築に関係する部材等の名称を覚え活用できる。各時代・地域の建築に関係する部材等の名称を部分的に覚え活用できる。各時代・地域の建築に関係する部材等の名称を覚え活用できない。
評価項目5各時代・地域の主要建築物の名称を覚え、各様式・建築・建築家の特徴等を理解できる。各時代・地域の主要建築物の名称を覚え、各様式・建築・建築家の特徴等を部分的に理解できる。各時代・地域の主要建築物の名称を覚え、各様式・建築・建築家の特徴等を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 講義を中心に、古代から近世にわたる日本と西洋の建築について学ぶ。建築は単なる工学的所産ではなく、各時代・地域の風土、暮らし、心性、意志・願望、宗教観、社会制度等を反映し、伝統を継承しつつ、技術の制限や飛躍によって具体化されるものであり、生活・社会・文化に密着している。歴史上の建築を時系列に沿って学習するとともに、この点を理解させ、さらに現代に応用できる素養を会得させる。この授業の成果も踏まえて、地域の暮らし・文化・歴史に寄りそう真摯な建築を心がける技術者になることを期待する。
授業の進め方・方法:
・学習内容をレジュメで確認したうえで始める。
・プロジェクターを使い、他の文化領域との関係、利用されている技術・設計手法、関連する保存等事例にも言及しながら、多角的な把握ができるようにする。
・4回のテストを実施。
注意点:
・身の回りのもの全てに、歴史があります。作られた時代の、使われてきた時代の蓄積があり、かたちに落とし込まれていたり雰囲気を漂わせていたりします。そこには、例えば地域性や場所の固有性から切り離されて生活している我々が失っている、その地域でのあるべき暮らしのヒントが隠されています。この授業では大きな歴史の流れをあつかっていますが、それは、みなさんが将来活躍する地域で、みなさん自身がその地域の豊かさを発見するときのものさしになります。秘密のカギを探し当てるような、ワクワクした、そんないい授業をみなさんと作っていきたいと思います。
・関心ある時代、様式、建築物、建築家については各自で深く掘り下げることをお勧め。
・建築史Ⅰで習得した内容は、建築史Ⅱの応用的な内容を学ぶ基礎となるとともに、建築設計演習で応用的に活用することができます。
〇自学について
(事前学習)
・事前配布する資料(webclass)に目を通す。
(事後学習)
・配布資料を使い要点まとめ。授業後に配布する確認クイズ(webclass)で理解度をチェック。
・応用編の動画を配布する場合があるので、その場合は視聴。
・4回のテストにあわせて、深く理解する学習を。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、原始の建築、神社建築 原始の建築、近代までの神社建築について理解する。
2週 飛鳥・奈良時代の寺院建築 古代の寺院建築について理解する。
3週 平安時代の寺院建築 古代の寺院建築について理解する。
4週 中世・近世の寺院建築 中世・近世の寺院建築について理解する。
5週 試験
6週 寝殿造、中世の武家住宅、書院造 古代~近世の住宅系建築について理解する。
7週 城郭建築、茶室、数寄屋風書院造と近代数寄屋建築 城郭建築、茶室、近世の住宅系建築とその展開について理解する。
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 試験返却と解説・まとめ、古代ギリシア建築 古代のギリシア建築について理解する。
10週 古代ローマ建築と古典主義建築 古代のローマ建築とその展開について理解する。
11週 初期キリスト教建築・ビザンチン建築、プレ・ロマネスク建築 中世の初期キリスト教建築、ビザンチン建築について理解する。
12週 試験
13週 ロマネスク建築、ゴシック建築とゴシック・リバイバル 中世のロマネスク建築、ゴシック建築とその展開について理解する。
14週 ルネサンス建築 近世のルネサンス建築について理解する。
15週 (後期定期試験)
16週 試験返却と解説・まとめ、バロック建築 近世のバロック建築について理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野計画・歴史古代(例えば、エジプト、オリエント、エーゲ海、ギリシャ、ローマなど)の特徴について説明できる。4後9,後10,後12
中世(例えば、ビザンチン、イスラム、ロマネスク、ゴシックなど)の特徴について説明できる。4後11,後12,後13,後15
近世(例えば、ルネサンス、マニエリスム、バロック、ロココなど)の特徴について説明できる。4後14,後15,後16
原始(例えば、竪穴住居、高床建築、集落など)の特徴について説明できる。3後1,後5
古代(例えば、住宅建築、寝殿造、都市計画、神社建築、寺院建築など)の特徴について説明できる。4後1,後2,後3,後5,後6,後8
中世(例えば、住宅建築、神社建築、寺院建築(大仏様、禅宗様、折衷様など))の特徴について説明できる。4後1,後4,後5,後6,後8
近世(例えば、住宅建築、書院造、数寄屋風書院、町屋、農家、茶室、霊廟、社寺建築、城郭)の特徴について説明できる。4後1,後4,後5,後6,後7,後8
日本および海外における近現代の建築様式の特徴について説明できる。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後13,後14

評価割合

試験合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000