応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0103 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料(電子データ提供等)
担当教員 小田 明範,二見 能資

到達目標

1. 気体の分子運動の法則を用いて,物理量(圧力,体積,温度)の他,エネルギーの差や速度分布を見積れる.
2. 実在気体の特徴と状態方程式,および,臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる.
3. 原子核の構造や放射崩壊を説明できる。
4. 放射線の検出法や放射崩壊を説明できる。
5. 放射線、核分裂・核融合の利用例を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
気体の分子運動の法則自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,気体の分子運動の法則を用いて,物理量(圧力,体積,温度)の他,エネルギーの差や速度分布を見積れる.気体の分子運動の法則を用いて,物理量(圧力,体積,温度)の他,エネルギーの差や速度分布を見積れる.気体の分子運動の法則を用いて,物理量(圧力,体積,温度)の他,エネルギーの差や速度分布を見積もることができない。
実在気体の特徴自主的に情報収集を行い,講義で扱っていないことも含めて,実在気体の特徴と状態方程式,および,臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる.実在気体の特徴と状態方程式,および,臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる.実在気体の特徴と状態方程式,および,臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できない.
原子核の構造や放射崩壊を説明できる。 アルファ・ベータ・ガンマ崩壊の原理を理解し、原子核の構造や各種の崩壊を説明できる。原子核の構造やアルファ・ベータ・ガンマ崩壊を説明できない。原子核の構造やアルファ・ベータ・ガンマ崩壊を説明できる。
放射線の検出法や放射崩壊を説明できる。放射線の検出原理を理解し、放射線の検出方法、放射線量の表記方法、崩壊の法則と放射能の強さについて説明できる。放射線の検出方法、放射線量の表記方法、崩壊の法則と放射能の強さについて説明できる。放射線の検出方法、放射線量の表記方法、崩壊の法則と放射能の強さについて説明できない。
放射線、核分裂・核融合の利用例を説明できる。核分裂・核融合の原理を理解し。放射線の利用例、核分裂・核融合の概要とそのエネルギー利用例を説明できる。放射線の利用例、核分裂・核融合の概要とそのエネルギー利用例を説明できる。放射線の利用例、核分裂・核融合の概要とそのエネルギー利用例を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 3-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この講義では、熱統計力学と核化学を扱う。熱統計力学では、量子論を取り入れた気体分子の運動則を扱う。また、核化学では、原子核の構造や放射崩壊や放射線検出法や、核分裂・核融合の利用例をなどを取り扱う。
授業の進め方・方法:
*できる限り応用例も示しながら理解を促していく。また、問題練習を通して原理への理解の定着を図る。
*授業では,配布プリントやWebサイトの動画等を中心に講義を進める。前半は熱統計力学(気体運動論)、後半は核化学の内容である。
注意点:
*実際の身の回りの現象に注目し,学んだことを適用・応用してみましょう。
*1回の授業に対して、授業時間と同程度の自学自習に取り組むこと。自学用の課題も提示する予定です。
*新型コロナウイルス対応によっては、試験を実施せず、課題のみで成績を決めることがあります。
(事前学習)
*授業計画の授業内容、到達目標等を確認の上,事前に提示された電子データ等に目を通しておくこと。
(事後学習)
*配布資料や提供された電子データ等から要点をノートに整理してまとめる等によって,内容の深い理解に努めること。また、提示された演習問題に取り組むことで,実践力を養うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
気体分子の分子運動論(理想気体)
本講義の到達目標、評価、概要、講義の進め方、評価割合を確認する。
ボイル-シャルルの法則や理想気体の方程式の説明と,これらの法則や方程式を用いて物理量を見積れる.
2週 気体分子の分子運動論(実在気体) 実在気体の特徴と状態方程式,および,臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる.
3週 気体分子の分子運動論(エネルギー準位と確率分布) 運動エネルギーの量子化を踏まえて,確率分布を見積もれる.
4週 気体分子の分子運動論(Boltzmann分布則 I) Boltzmann分布則の導出できる.
5週 気体分子の分子運動論(Boltzmann分布則 II) Boltzmann分布則を活用して、エネルギー差を見積もることができる.
6週 気体分子の分子運動論(Maxwell-Boltzmann分布則
I)
Maxwell-Boltzmann分布則の導出できる.
7週 気体分子の分子運動論(Maxwell-Boltzmann分布則
II)
Maxwell-Boltzmann分布則を用いて速度分布を見積もることができる.
8週 〔中間試験〕
試験解説はオンラインまたは空コマで対応する。
4thQ
9週 原子核の構造 原子核の構造を知る.
10週 核化学(原子核の崩壊と放射線 I)
アルファ・ベータ・ガンマ崩壊を説明できる.
11週 核化学(原子核の崩壊と放射線 II) 代表的な放射線の検出方法と放射線量の表記方法を説明できる.
12週 核化学(崩壊の法則と放射能) 崩壊の法則と放射能の強さについて説明できる.
13週 核化学(放射線の利用) 放射線の利用例を説明できる.
14週 核化学(原子力の利用) 核分裂と核融合とそのエネルギー利用例を説明できる.
15週 〔期末試験〕
16週 期末試験の返却と解説
試験結果を見直し、理解させる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。4後10
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4後10
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4後13
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。4後14
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力502070
専門的能力201030
分野横断的能力000