基礎微生物学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 基礎微生物学
科目番号 0126 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「微生物の科学と応用」 菊池慎太郎編著 三共出版
担当教員 弓原 多代

到達目標

1.微生物学発展の歴史について簡単な説明できる.
2.微生物の構造について簡単に説明できる.
3. 微生物の種類とその特徴を説明できる.
4.微生物実験において基本となる培養法や増殖の測定法や増殖各段階の特徴を説明できる.
5.自然界における微生物の役割について簡単に説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微生物学発展の歴史について説明でき,微生物学発展に寄与した科学者とその業績について説明できる.微生物学発展に寄与した科学者とその業績について説明できる.微生物学発展に寄与した科学者とその業績について説明できない.
評価項目2他の生物とは異なる微生物の構造的な特徴について説明できる.微生物の構造について簡単に説明できる.微生物の構造について説明できない.
評価項目3微生物の種類とその特徴を説明でき、簡単な分類もできる.微生物の種類とその特徴を説明できる.代表的な微生物について説明できない.
評価項目4 微生物の種類により適した増殖方法や測定法について説明できる.微生物実験において基本となる培養法や増殖の測定法や増殖各段階の特徴を説明できる.培養方法・増殖の測定法を説明できない.
評価項目4自然界における微生物の役割について最新の知見も取り入れ説明できる.自然界に存在する微生物について簡単に説明できる.自然界に存在する微生物について説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微生物は肉眼では見ることの出来ない生物であるが,至るところに存在する生物である.この科目では微生物とはどのような生物であるのか,微生物の生育条件,微生物の働き,微生物の進化・分類について概説する.
授業の進め方・方法:
前半では,微生物学発展の歴史,微生物とはどのような生物であるのかを主要な微生物の特徴と共に解説する.後半では微生物を用いる実験で必須の知識である微生物の生育条件や殺菌・滅菌法についても解説する.人と微生物がどのように関係しているのかについても学ぶ.
注意点:
この科目は専門基礎科目であるため,まずは「専門用語(単語含む)」を覚えることが必要である。またバイオテクノロジーは新しい分野のため,英単語がそのまま和名になることも多い.他科目よりは英単語が頻繁に出てくるため,必ず復習することを心がけてください.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 微生物の歴史
3週 微生物の分類1
4週 微生物の分類2
5週 微生物の分類3
6週 微生物の分類4
7週 まとめ1
8週 〔中間試験〕
2ndQ
9週 試験の返却と解説
10週 微生物細胞の構造
11週 増殖と培地
12週 栄養源
13週 微生物増殖と環境因子1
14週 微生物増殖と環境因子2
15週 〔前期末試験〕
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 微生物操作法1
2週 微生物操作法2
3週 微生物操作法3
4週 増殖曲線と速度論
5週 微生物の遺伝と遺伝情報の発現1
6週 微生物の遺伝と遺伝情報の発現2
7週 まとめ3
8週 〔中間試験〕
4thQ
9週 試験の返却と解説
10週 ウイルス1
11週 ウイルス2
12週 ウイルス3
13週 微生物による物質循環1
14週 微生物による物質循環2
15週 〔学年末試験〕
16週 学年末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。2前3,前10
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。1前10
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。1前10
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。1前10
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。2前10,後5
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。2前10,後5
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。2後5
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。1前10,前12
単糖と多糖の生物機能を説明できる。2前11,前12
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。1前11,前12
グリコシド結合を説明できる。1前11
多糖の例を説明できる。1前11,前12
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。1前10
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。2前10
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。1前11
ヌクレオチドの構造を説明できる。2前10,後5
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。2後5
DNAの半保存的複製を説明できる。2後5
RNAの種類と働きを列記できる。2後5
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。2後5
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。1前11,前13
解糖系の概要を説明できる。1前12
クエン酸回路の概要を説明できる。1前12
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。1前12
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。2前12
炭酸固定の過程を説明できる。2後13
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。2前3,前10,前11,後1,後13
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。2前3,前10,前11,後1,後13
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。2前11,前12,前13,後1,後4
微生物の育種方法について説明できる。2前11,前12,前13,後1
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。2前11,前12,前13,後1
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。1前2
食品加工と微生物の関係について説明できる。1前2
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。1前2
遺伝子組換え技術の原理について理解している。2後5
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。1前2,後5
バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる。1前2,後5
遺伝子組み換え技術のリスクと安全策について説明できる。1前2,後5

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
専門的能力100100