細胞機能工学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 細胞機能工学
科目番号 0168 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 「生命科学(改訂第3版)」東京大学教養部理工系生命科学教科書編集委員会(羊土社),「植物分子細胞生物学」芦原坦・作田正明著 オーム社
担当教員 最上 則史,本田 晴香

到達目標

1.細胞を取り扱う技術の基礎を理解し説明できる。
2.遺伝子を取り扱う技術の基礎を理解し説明できる。
3.細胞や遺伝子を取り扱う機器や試薬の働きを理解し説明できる。
4.細胞の増殖・分化のしくみについて概要を理解し説明できる。
5.バイオテクノロジーの基礎と応用面について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1遺伝子を取り扱うために必要な技術の基本的原理を理解し,どのような方面に用いられているかを説明できる遺伝子を取り扱うために必要な技術の基本的原理を理解し,説明できる。遺伝子を取り扱うために必要な技術の基本的原理を理解できず,説明することもできない。
評価項目2遺伝子や細胞を取り扱う技術に必要な機器や試薬の働きを理解し説明できる。遺伝子や細胞を取り扱う技術に必要な機器や試薬の名称と特徴を理解し説明できる。遺伝子や細胞を取り扱う技術に必要な機器や試薬の働きを説明できない。
評価項目3遺伝子を取り扱うために必要な実験原理について説明でき、それらを用いた基本的技術と応用例について説明できる。遺伝子を取り扱うために必要な基本的技術について説明できる。遺伝子を取り扱うために必要な基本的技術について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目では,基礎科目などで得た知識と分子生物学などで得た生命現象を担う物質に関する知識を応用して,細胞工学の基礎を学ぶ。さらに,それらの発展技術について概説する。
授業の進め方・方法:
授業は配布する参考資料を用いて進めて行う。また,必要に応じて写真や映像などを投影するとともに,理解を深めるための簡単な実習を交えながら実施する。関連科目で学んだ基礎知識が遺伝子工学分野でどのように活用されているかを学び,さらにこれらの技術に潜む問題点について議論する。
注意点:
理解度を上げるために,既に学んだ生化学、細胞生物科学、分子生物学などの関連科目の基礎知識がどのように応用されているかを意識しながら受講してください。また,教員が話している内容をメモする習慣をつけ,講義の内容とあわせて理解する工夫が必要です。学習方法などに関する質問はいつでも受け付けます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンス
2週 植物細胞の増殖と分化 植物細胞が持つ特徴について説明できる。
3週 植物の代謝と環境適応 植物の二次代謝産物の生体内における役割について説明できる。
4週 植物ホルモンとその働き 植物の環境応答や成長にホルモンが果たす役割について説明できる。
5週 バイオテクノロジーの基礎 バイオテクノロジーに用いられる基本的技術について説明できる。
6週 バイオテクノロジーの実際 バイオテクノロジーの応用例について説明できる。
7週 バイオテクノロジーの問題点 バイオテクノロジーに潜む問題点について理解し,説明できる。
8週 〔後期中間試験〕
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却と解説
授業ガイダンス(後半)
10週 細胞のシグナル伝達(1) 細胞間のシグナル伝達について説明できる。
11週 細胞のシグナル伝達(2) 細胞間のシグナル伝達について説明できる。
12週 幹細胞と分化 各種幹細胞の特徴や性質について説明できる。
13週 動物細胞培養技術の基礎 動物細胞の培養に使われる基本的技術・原理について説明できる。
14週 動物細胞の応用技術 動物細胞を利用した再生医療技術について説明できる。
15週 〔後期定期試験〕
16週 後期定期試験の答案返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4後12
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4後12,後13
細胞周期について説明できる。4後2,後13
分化について説明できる。4後2,後12
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4後2
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4後10,後11
生物化学タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4後4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4後4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4後4
ヌクレオチドの構造を説明できる。4後5
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4後5
DNAの半保存的複製を説明できる。4後5
RNAの種類と働きを列記できる。4後5
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4後5
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4後3
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4後3
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4後3
解糖系の概要を説明できる。4後3
クエン酸回路の概要を説明できる。4後3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4後3
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4後3
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4後2
炭酸固定の過程を説明できる。4後2
生物工学遺伝子組換え技術の原理について理解している。4後5,後6
バイオテクノロジーの応用例(遺伝子組換え作物、医薬品、遺伝子治療など)について説明できる。4後6,後13,後14,後15
バイオテクノロジーが従来の技術に対して優れている点について説明できる。4後6,後7,後14,後15
遺伝子組み換え技術のリスクと安全策について説明できる。4後7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力400000040
専門的能力600000060
分野横断的能力0000000