材料化学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料化学
科目番号 0179 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料
担当教員 二見 能資,富澤 哲

到達目標

この授業では,生活に欠かせない「身近な材料」を大きなテーマとして取り上げる中で,
・代表的な無機材料の合成方法と性質を説明できる.
・高分子材料の合成方法,性質,応用を説明できる.
ようになることを目指す.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 無機材料の合成方法と性質無機材料の合成方法と性質を明確に説明できる.無機材料の合成方法と性質を説明できる.無機材料の合成方法と性質を説明できない.
評価項目2 高分子材料の合成方法と性質高分子材料の合成方法,性質,応用を明確に説明できる.高分子材料の合成方法,性質,応用を説明できる.高分子材料の合成方法,性質,応用を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 私たちの身の回りのモノは,様々な材料を組み合わせて造られている.そして,その材料の多くは,化学的に合成されたものである.新たな材料の開発は,多くの工業製品の性能や安全性を向上させてきた.本科目では,代表的な無機材料と高分子材料の合成方法と性質を学習する.
*実務との関係
 この科目の第1週から第7週は、企業で無機材料の開発を担当した教員がその経験を活かし,無機材料の合成と性質について,第9週から第15週は、独立行政法人で生分解性高分子の微生物合成を担当していた教員がその経験を活かし、高分子材料の合成と性質について,講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
 本科目は,講義形式で行う.教科書は特に使用しない.必要に応じて資料を配布する.
 本科目は,前半(中間試験前)に、無機材料の合成方法・化学的性質を扱い,後半(中間試験以降)に、高分子材料の合成方法・化学的性質,および材料としての応用を扱う.
注意点:
 配布された資料を読むだけでなく,図書館やWEB等で関連する文献を調べ,内容の理解に努めること.
 疑問は放置せずに自ら答えを見出すように努めること.対応できる範囲で,質問はいつでも受けつける.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
無機材料とは
本講義の到達目標、評価、概要、講義の進め方、評価割合を確認する.
2週 物質、材料の分類 材料の分類があることを説明できる.
3週 金属材料 代表的な金属材料の合成方法と性質を説明できる.
4週 セラミックス材料 代表的なセラミックス材料の合成方法と性質を説明できる.
5週 電子材料 代表的な電子材料の合成方法と性質を説明できる.
6週 材料評価 無機材料の代表的な評価方法を説明できる.
7週 無機材料のまとめ 無機材料に関して行った講義の内容を振り返り確認する.
8週 【前期中間試験】
2ndQ
9週 中間試験の答案返却と解説
ガイダンス
高分子材料とは
本講義で学ぶ内容を把握し,高分子の特徴を説明できる.
10週 高分子材料の構造 高分子の構造と熱的性質・力学的性質について説明できる.
11週 高分子材料の合成1 ラジカル重合・イオン重合について説明できる.
12週 高分子材料の合成2 重縮合・重付加について説明できる.
13週 高性能高分子材料1 耐熱性高分子・液晶高分子・導電性材料について説明できる.
14週 高性能高分子材料2 分離・認識材料としての高分子材料について説明できる.
15週 バイオマテリアルについて 生体的合成・人工臓器への応用について説明できる.
16週 【前期末間試験】

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
基礎生物酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力4040
専門的能力6060
分野横断的能力00