分析化学

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 分析化学
科目番号 0191 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生物化学システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:化学同人「分析化学の基礎 -定量的アプローチ-」、参考書:丸善「クリスチャン分析化学Ⅰ、Ⅱ」、講談社「機器分析」
担当教員 濱邊 裕子

到達目標

1. 化学平衡と化学量論について説明または関連問題を解くことができる。
2. 各種機器分析法の基本原理を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
知識・理解講義の内容をすべて理解し、自身の言葉で説明し、問題に取り組むことができる。講義の内容をほぼ理解し、問題にとりくむことができる。講義の内容の理解が半分以下であり、問題に取り組むことができない。
態度・志向性講義に積極的に参加し、課題を期限内に提出することができる。また、自学自習を行い、配布資料や質問を通して疑問点を解決することができる。 講義に参加し、課題を期限内に提出することができる。また、自学自習に取り組むことができる。講義に参加できず、課題を期限内に提出することができない。また、自学自習に取り組むことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
分析化学は、様々な物質を同定し定量する化学分析法を提案する化学分野です.本科目では、溶液内の化学反応を定量的に扱う方法(具体的に酸塩基,錯生成,酸化還元、沈殿溶解、分配平衡)について学習します.さらに、分析技術に関する基礎知識を習得します.
授業の進め方・方法:
本講義では、テキストに従い下記の授業項目について講義中心に進めます.自学自習として演習問題も適宜配布します.講義時間は限られています.演習問題は自ら解いてください.
なお、3年までに修得した化学の基礎知識があることを前提に講義をすすめます.
注意点:
* 講義前に予習し、講義後に章末問題を自ら解くこと
* 分析化学の教科書・演習書は多数出版されています.書店や図書館で探してください.
* 近年は分析技術が飛躍的に向上していますが、基本は古典的に存在する方法ですので、基礎的な理論の重要性を理解してください.
* 疑問に思うことは自ら調べ、また、質問に来てください.質問はいつでも受け付けます.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
小テスト:単位換算・濃度計算
2週 活量と濃度 活量、イオン強度について理解し、物質量に関する計算ができる。
3週 演習
4週 酸塩基平衡 強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。
5週 演習 強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。
6週 ポリプロトン酸、ポリプロトン塩基の解離平衡 強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。
7週 演習
8週 中間試験
2ndQ
9週 答案返却・解説
酸塩基滴定
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。
10週 緩衝作用と緩衝液 緩衝溶液とpHの関係について説明できる。
11週 演習
12週 錯生成平衡 錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。
錯体の生成について説明できる。
13週 複雑な錯生成平衡
錯生成平衡についての原理を理解できる。
14週 演習
15週 前期末試験
16週 答案返却・解説
後期
3rdQ
1週 キレート滴定 キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。
2週 沈殿平衡 溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。
3週 複雑な沈殿平衡 溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。
4週 沈殿滴定・演習 沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。
5週 酸化還元平衡 酸化還元平衡についての原理を理解できる。
6週 複雑な酸化還元平衡 複雑な酸化還元平衡についての原理を理解できる。
7週 演習
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却・解説
酸化還元滴定
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。
10週 演習
11週 分配平衡 分配平衡について理解し、説明できる。
12週 溶媒抽出 溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。
13週 クロマトグラフィー 分配、吸着、イオン交換、サイズ排除による分離方法についての概略を説明できる。
14週 光分析法 光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。
15週 学年末試験
16週 答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3前13
分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4前2,前3,前7
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4後2,後3,後4
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4後4
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4前5,前6,前7
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4前4,前5,前6,前7
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4前11,前12
錯体の生成について説明できる。4前12,前13
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4前9,前10
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4前9,前10
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4後5,後6,後7,後9,後10
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4前5,後1
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4後14
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4後14
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4後13
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4後12
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4後14
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4後13
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力300000030
分野横断的能力100000010