熱移動論

科目基礎情報

学校 熊本高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 熱移動論
科目番号 0043 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 テーマごとに資料を配布 参考書 「伝熱学の基礎 第2版」吉田駿 オーム社,JSMEテキストシリーズ「伝熱工学」日本機械学会
担当教員 山下 徹

到達目標

1. 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
2. 簡単な熱問題に対して、コンピュータを用いて数値計算を行なうことができる。
3. 簡単な伝熱問題についてモデル計算を行ない,結果について評価することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱伝導、熱伝達、熱放射について十分な理解ができており、熱計算において適切な手順を提示し、解を得ることができる。熱伝導、熱伝達、熱放射について基礎的な理解ができており、多少の誤りはあるが熱計算における手順を提示できる。熱伝導、熱伝達、熱放射について理解が不足しており、熱計算における手順に根本的な誤りがある。
評価項目2数値計算について十分な理解ができており、簡単な熱問題に対して、より詳細な条件を考慮した設定や差分化を行ない、計算できる。数値計算について基礎的な理解ができており、簡単な熱問題に対して基礎的な条件設定、差分化を行ない、計算できる。数値計算についての理解が不足しており、熱問題の数値計算において条件設定や差分化に重大な誤りがある。
評価項目3熱伝導、熱伝達、熱放射について十分理解の上、簡単な伝熱問題について、モデル化や条件を適切に設定することができ、結果について評価することができる。熱伝導、熱伝達、熱放射について理解の上、簡単な伝熱問題について、多少の誤りはあるがモデル化や条件を検討することができ、結果を得ることができる。熱伝導、熱伝達、熱放射について理解が足りず、簡単な伝熱問題についてモデル化や条件の検討に根本的な誤りがあり、結果を得ることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
熱i移動論は、様々な機械を対象とした熱の移動を扱う学問である。伝熱現象に関する知識は、温度制御や加熱・冷却、エネルギーの生産・消費を扱うすべての工業分野において重要不可欠である。また、わが国で利用されているエネルギーの90%は、いったんは熱の形態をとることから、エネルギー有効利用や省エネルギー、地球の環境保全の観点からも、熱移動の知識は重要な学問分野であると言える。
本科目では、特に実際の装置、機器への応用を念頭において、様々な熱問題の解決に必要となる計算法の基礎や、理論的およびコンピュータによる解析方法を学び、これらの修得を目標としている。
授業の進め方・方法:
本科目は主に講義形式にて実施する。機械知能システム工学科5年のエネルギー工学IIでは伝熱工学の基礎的事項を学んだが、本科目では、その内容をさらに深く実践的に取り扱う。また、パソコンを用いた数値シミュレーションについては演習課題にもとづいて学ぶ。
目標項目の達成度はレポート評価にて評価し、最終成績が総合60点以上を合格とする。
注意点:
図書館あるいは書店にある関連図書を利用して授業内容を理解する。
練習問題を数多く解くことで計算力と実践力を養う。
専攻科での学問に求められるのは、単に計算ができれば良いというものではなく、現象・問題に対して深い科学的な理解の下でこれを理解し、解決をはかる力を身につけることです。そのためには、科目に対して主体的に取り組むことが重要です。
(事前指導)毎回の講義後半に次回内容の紹介をするので、参考書の該当箇所を読んでくること。
(事後指導)講義で配布した資料をもとに授業内容を整理し、課題に取り組むことで理解を深めること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目ガイダンスおよび伝熱工学の基礎および問題演習1 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
2週 伝熱工学の基礎および問題演習2 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
3週 伝熱工学の基礎および問題演習3 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
4週 伝熱工学の基礎および問題演習4 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
5週 伝熱工学の基礎および問題演習5 熱伝導、熱伝達、熱放射の知識を利用して熱計算ができる。
6週 伝熱現象の数値解析(支配方程式・条件の差分表示,収束計算,判定条件) 差分法による数値計算手法について理解し、説明することができる。
7週 数値解析演習(伝熱フィンの理論解析と数値シミュレーション) 差分法による数値計算手法について理解し、具体的な計算を行なうことができる。
8週 数値解析演習(非定常熱伝導) 差分法による数値計算手法について理解し、具体的な計算を行なうことができる。
2ndQ
9週 伝熱問題のモデル化と設計(熱回路網法,オーダーエスティメーション) 熱回路網法による数値計算手法について理解し、説明することができる。
10週 伝熱問題のモデル化と設計(熱回路網法プログラム) 熱回路網法による数値計算手法について理解し、計算に必要な手順を説明することができる。
11週 伝熱モデル計算演習(伝熱問題の検討) 伝熱問題のモデル化における諸検討方法について理解し、検討を行なうことができる。
12週 伝熱モデル計算演習(問題のモデル化) 簡単な伝熱問題についてモデル化を行なうことができる。
13週 伝熱モデル計算演習(モデル計算) 簡単な伝熱問題についてモデル計算を行なうことができる。
14週 伝熱モデル計算演習(結果の検討) 簡単な伝熱問題についてモデル計算を行ない、結果について評価することができる。
15週 〔学年末試験〕
16週 科目総括および熱設計について

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力4040
専門的能力6060
分野横断的能力00