土質力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 土質力学Ⅰ
科目番号 R02C311 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 都市・環境工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 (教科書)赤木知之ら,「土質工学」,コロナ社/(参考図書)近畿高校土木会編,「考え方解き方土質力学」,オーム社/「土質試験-基本と手引き-[第2回改訂版]」,(公社)地盤工学会
担当教員 工藤 宗治

到達目標

(1)土に関する基本的な性質を理解し,諸定数についての相互の関連性が理解できる.(定期試験・課題)
(2)透水現象のメカニズムを理解するとともに,透水係数を計算により求めることができる.(定期試験・課題)
(3)有効応力の原理が理解できるとともに,地盤内応力の計算ができる.(定期試験・課題)
(4)圧密に関する概念を理解するとともに,圧密沈下量や沈下時間の計算ができる.(定期試験・課題)
(5)演習問題を通して理解を深めるとともに,継続的な学習ができる.(演習・課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1土に関する基本的な性質を理解し,諸定数についての相互の関連性をよく理解している.土に関する基本的な性質を理解し,諸定数についての相互の関連性が理解している.土に関する基本的な性質を理解し,諸定数についての相互の関連性が理解していない.
評価項目2透水現象のメカニズムを理解するとともに,透水係数を計算により理想的に求めることができている.透水現象のメカニズムを理解するとともに,透水係数を計算により求めることができている.透水現象のメカニズムを理解するとともに,透水係数を計算により求めることができていない.
評価項目3有効応力の原理が理解できるとともに,地盤内応力の計算が理想的な形でできている.有効応力の原理が理解できるとともに,地盤内応力の計算ができている.有効応力の原理が理解できるとともに,地盤内応力の計算ができていない.
評価項目4圧密に関する概念を理解するとともに,圧密沈下量や沈下時間の計算が理想的にできている.圧密に関する概念を理解するとともに,圧密沈下量や沈下時間の計算ができている.圧密に関する概念を理解するとともに,圧密沈下量や沈下時間の計算ができていない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
土や岩はその組成が多種多様であり,間隙水の状態や拘束圧の大きさなどにより,その性質や挙動が大きく異なる.本講義では,これらの複雑な挙動を示す土や岩を科学的に取り扱う「土質力学」に関する基本的な考え方を習得する.
この科目はRM対応科目である.

(科目情報)
授業時間 93時間
授業の進め方・方法:
(単位修得の条件について)
全課題の90%以上の提出を単位修得の条件とする.

(総合評価について)
総合評価は下式にて算出する.
(3回の定期試験の平均点)×0.7 +(振り返り小テストの評価)×0.1 +(課題の平均点)×0.2

総合評価が60点以上で,上述の条件を満たしている者を合格とする.

(再試験について)
総合評価が40点以上に併せて,指定した課題を期限内に全て提出している者に対して,再試験を行う.
注意点:
(履修上の注意)
毎回の授業の積み重ねとなるので,復習を十分にしておくこと.
授業では質問など積極的に行い,時間内で理解するように努めること.
授業中に演習問題を解くので,電卓を常に準備しておくこと.

(自学上の注意)
ノート作成を工夫して予習・復習に役立てること.
課題および定期試験は,後で復習できるようにファイリングしておくこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 地盤生成と調査・試験
土の三相モデル
土粒子の密度と含水比
地盤調査法と室内土質試験について理解できる.
土の三相モデルについて理解できる.
土の状態を表す諸量についての計算ができる.
2週 土粒子の密度と含水比
間隙比,間隙率,飽和度
土の状態を表す諸量についての計算ができる.
3週 土粒子の密度と含水比
間隙比,間隙率,飽和度
密度に関する諸量
土の状態を表す諸量についての計算ができる.
4週 粒径
粒径加積曲線
粒度分布
粒度分布について理解できる.
5週 土のコンシステンシー
コンシステンシー限界
コンシステンシー限界について理解できる.
6週 土の分類
これまでのまとめ
土の分類について理解できる.
7週 これまでのまとめ
安全教育
締固め
締固めと最適含水比,最大乾燥密度,ゼロ空気間隙曲線が理解できる.
8週 土中内の水の流れ
透水現象のメカニズム
土中内の水の流れが理解できる.
透水現象のモデル化が理解できる.
2ndQ
9週 透水現象とダルシーの法則
室内透水試験
ダルシーの法則による計算ができる.
定水位透水試験と変水位透水試験に関する計算ができる.
10週 室内透水試験
現場透水試験
定水位透水試験と変水位透水試験,現場の揚水試験に関する計算ができる.
11週 振り返り小テスト
振り返り小テストの解答と解説
流線網
わからなかった部分を理解する.
流線網を用いた近似計算ができる.
12週 流線網
全応力,有効応力,間隙水圧
流線網を用いた近似計算ができる.
全応力,有効応力,間隙水圧の計算ができる.
13週 全応力,有効応力,間隙水圧
限界動水勾配
全応力,有効応力,間隙水圧の計算ができる.
クイックサンド現象が理解できる.
14週 限界動水勾配 クイックサンド現象が理解できる.
15週 前期期末試験
16週 前期期末試験の解答と解説 わからなかった部分を理解する.
後期
3rdQ
1週 集中荷重,線荷重による応力増加 集中荷重による増加応力の計算ができる.
線荷重,帯状荷重による増加応力が理解できる.
2週 集中荷重,線荷重による応力増加 集中荷重による増加応力の計算ができる.
線荷重,帯状荷重による増加応力が理解できる.
3週 集中荷重,線荷重による応力増加
帯状荷重による増加応力
集中荷重による増加応力の計算ができる.
線荷重,帯状荷重による増加応力が理解できる.
4週 帯状荷重による増加応力 集中荷重による増加応力の計算ができる.
線荷重,帯状荷重による増加応力が理解できる.
5週 盛土荷重による増加応力 台形帯状荷重による増加応力の計算ができる.
6週 盛土荷重による増加応力
長方形等分布荷重による増加応力
台形帯状荷重による増加応力の計算ができる.
7週 長方形等分布荷重による増加応力 台形帯状荷重による増加応力の計算ができる.
8週 圧密試験と諸定数 圧縮現象・圧密現象・破壊現象の違いを理解し,粘土の圧縮性の表現ができる.
4thQ
9週 後期中間試験
10週 後期中間試験の解答と解説
圧密試験と諸定数
わからなかった部分を理解する.
圧縮現象・圧密現象・破壊現象の違いを理解し,粘土の圧縮性の表現ができる.
11週 正規圧密粘土と過圧密粘土 正規圧密粘土と過圧密粘土の違いが理解できる.
12週 圧密沈下量の推定 圧密沈下量・沈下時間が計算できる.
13週 圧密沈下量の推定
圧密沈下時間の推定
圧密沈下量・沈下時間が計算できる.
14週 圧密沈下時間の推定 圧密沈下量・沈下時間が計算できる.
15週 後期期末試験
16週 後期期末試験の解答と解説 わからなかった部分を理解する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。4前1,前2,前3,前4
土の粒径・粒度分布やコンシステンシーを理解し、地盤材料の工学的分類に適用できる。4前4,前5,前6
土の締固め特性を説明できる。4前7
ダルシーの法則を説明できる。4前8,前10
透水係数と透水試験について、説明できる。4前11,前12
透水力による浸透破壊現象を説明できる。4前12,前13,前14
地盤内応力を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。4後8,後10,後11
圧密沈下の計算を説明できる。4後12,後13,後14
有効応力の原理を説明できる。4前12,前13
地盤調査の分類と内容について、説明できる。4前1

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力201030
専門的能力601070
分野横断的能力000