宇宙地球科学

科目基礎情報

学校 大分工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 宇宙地球科学
科目番号 R06AC2001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科共通専門科目 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 (教科書)配布プリント
(参考図書)「なっとくする宇宙論」(二間瀬敏史,講談社),「我々の住む宇宙」( 岡村定巨編纂,日本評論社),「大分のトリセツ」(昭文社編集部,昭文社)
担当教員 牧野 伸義

到達目標

第1部 宇宙編
(1) 宇宙が物理の枠組みで理解可能であることを理解する.(定期試験と課題)
(2) 宇宙が熱く高密度の状態から冷える過程で起きる物理過程と現象を理解する.(定期試験と課題)
第2部 地球編
(3) 九州,特に大分付近の地殻変動について理解する.(定期試験と課題)
(4) 九州付近では過去どのような地震が起きた,どのような被害があったのか理解する.(定期試験と課題)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標(1)の評価指標宇宙が物理の枠組みで理解可能であることをフリードマン方程式および,宇宙のエネルギー密度の状況を考慮に入れて解くことで理解する.宇宙が物理の枠組みで理解可能であることをフリードマン方程式を解くことで理解できる.ハッブルの法則を適用できるが,宇宙膨張が空間の広がりであることがわからない.
到達目標(2)の評価指標宇宙が熱く高密度の状態から冷える過程で起きる物理過程と現象を理解し,現在の宇宙の観測と関連付けられる.宇宙が熱く高密度の状態から冷える過程で起きる物理過程と現象を理解できる.宇宙膨張と物理学の関連が理解できない.
到達目標(3)の評価指標大分付近での地面の動きと断層の成り立ちが理解できる。大分付近での地面の動きと断層の成り立ちは理解できるが、その関係が理解できない.大分付近での地面の動きも断層の様子も理解できない.
到達目標(4)の評価指標九州付近では過去どのような地震が起きた,どのような被害があったのか理解し,近々起きると予想されている南海地震がどのようなものになるか推定できる.九州付近では過去どのような地震が起きた,どのような被害があったのか理解する.九州付近では過去どのような地震が起きた,どのような被害があったのかわからない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (A1) 説明 閉じる
学習・教育目標 (B1) 説明 閉じる
JABEE 1.2(a) 説明 閉じる
JABEE 1.2(c) 説明 閉じる
JABEE 1.2(g) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
宇宙地球科学は2部で構成され,前半は宇宙論の基礎について述べ,現代宇宙論が支持されている観測事実の説明をし,宇宙初期から時間を下って現在までの主なトピックスを解説する. 後半は,2011年に巨大地震が起き,九州でも南海地震が起こると予想されていることに関して,大分付近の地殻変動や,地震や津波の発生の仕組みを簡単に説明する.
(科目情報)
教育プログラム第4学年 ◯科目
AE科目/RM科目
授業の進め方・方法:
宇宙論と地球科学の両方を学習する.主に概要的な話になるが,いくつか特徴的な数や数式を示して,数値の比較をしたり,計算問題を解くことにより理解を深めていく.特に,宇宙論では,微分方程式を解くことがあるので,簡単な微分方程式は復習しておくこと.
(事前学習)
前もって,教科書を読み,教科書の「問」を読んで,答えられたら答える.
注意点:
(履修上の注意)
授業では細部の議論よりも全体の流れをつかむように心がけてほしい.簡単なアイデアや数式で説明できるものは課題として提出してもらう
(自学上の注意)
受講後 教科書にある問題を解くまたは答えておくこと.

評価

(総合評価)
総合評価 = (定期試験)×0.8 +(課題の平均点)×0.2
(単位修得の条件について)
全課題の60%以上の提出を単位修得の条件とする.
(再試験について)
再試験は実施する.専攻科では追認試験制度がなく,再試験をしないと,単位を再度修得できない.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 宇宙膨張 宇宙論の基礎のうち1つである宇宙膨張を理解する.ハッブルの法則を理解する.
2週 宇宙膨張 フリードマン方程式を理解し,簡単なエネルギー密度に対してスケール因子について解くことができる.
3週 宇宙膨張 宇宙がどのようなものでできているか理解できる.
4週 宇宙膨張 ダークマター問題とダークエネルギー問題について理解できる.
5週 宇宙マイクロ波背景放射 宇宙論の基礎のうちの1つである宇宙マイクロ波背景放射の起源が理解できる.
6週 宇宙マイクロ波背景放射 宇宙マイクロ波背景放射の一様等方性とその揺らぎについて理解できる.宇宙マイクロ波背景放射の観測とその意味を理解できる.
7週 宇宙の元素合成 宇宙論の基礎のうちの1つである宇宙の元素合成について理解する.宇宙を構成する元素の組成が理解できる.
8週 宇宙の元素合成 宇宙が始まって以来数分間に起きた核融合について理解する.
2ndQ
9週 宇宙の始まりと初期宇宙 宇宙の始まりについて,現時点での理解している内容が説明できる.
10週 宇宙の始まりと初期宇宙 宇宙の始まり以降で宇宙膨張の間に起きていく物理過程を理解する.
11週 銀河形成 銀河が宇宙膨張の中でどのようにしてできるのか理解できる.
12週 九州の地殻変動 九州や四国などの地殻変動を理解し,将来どのようなことが起きるのかを予想する.
13週 日本付近で起きる地震 日本付近で起きた地震の周期性や,規模など,活断層について理解する.
14週 九州付近で起きる地震 大分付近での断層について理解し,過去の地震と未来の地震について,傾向や避難対策について述べることができる.
15週 前期試験
到達目標(1)~(4)
16週 前期試験の解答と解説 わからなかった部分を把握し理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000