酵素工学

科目基礎情報

学校 都城工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 酵素工学
科目番号 0069 科目区分 専門 / コース必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 配布資料【参考資料:「酵素の科学」藤本大三郎(裳華堂);「微生物工学入門」新家龍・今中忠行(朝倉書店);「生物反応工学」山根恒夫(産業図書)】
担当教員 高橋 利幸

到達目標

1)酵素の構造および反応の基本的性質について理解し、説明できる。
2)酵素の固定化およびバイオリアクタオーの原理を理解し、説明できる。
3)酵素の実用化例の原理を理解し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酵素の構造および反応の基本的性質を理解し、その生理的な意義を説明できる。酵素の構造および反応の基本的性質を理解し、説明できる。酵素の構造および反応の基本的性質の一部を理解し、説明できる。
評価項目2酵素の固定化およびバイオリアクタオーの原理を理解し、その工学的な意義を説明できる。酵素の固定化およびバイオリアクタオーの原理を理解し、説明できる。酵素の固定化およびバイオリアクタオーの原理の一部を理解し、説明できる。
評価項目3酵素の実用化例の原理を理解し、その現代社会における重要性を説明できる。酵素の実用化例の原理を理解し、説明できる。酵素の実用化例の原理の一部を理解し、説明できる。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
JABEE (d) 説明 閉じる
JABEE B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
酵素は常温常圧下で働く基質特異性の高い触媒であり、様々な産業分野で生産設備のコンパクト化・省エネルギー化・環境汚染の低減などに貢献している。本講義では、酵素の構造・性質に関する基礎知識および固定化酵素やバイオリアクター等の酵素利用法の原理を学び、様々な実用化技術の理解を目的とする。
授業の進め方・方法:
1)配布資料を中心に授業を行います。
2)授業内容の理解を確認するために、課題問題を実施します。
注意点:
1)生物化学、分子生物学の関連項目を十分に理解しておくこと。
2)自己学習としては、授業中に配布したプリントや紹介図書などを熟読すること。
3)復習に重点をおいて学習すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画・達成目標・成績の評価方法等の説明および序論:環境問題と酵素工学の関係 酵素工学を取り巻く社会状況や環境問題等を整理できる。
2週 酵素の基礎知識(酵素の構造) 遺伝子情報から開始し、酵素(タンパク質)の1次構造~4次構造形成までの仕組みを説明できる。
3週 酵素の基礎知識(酵素反応1) 酵素反応の特徴(基質特異性、反応特異性)を説明できる。
4週 酵素の基礎知識(酵素反応2) 酵素反応の特徴(最適温度、最適 pH)を説明できる。
5週 酵素利用方法の原理(工業用酵素の市場と展望) 現在工業的に利用されている酵素を挙げることができる。
6週 酵素利用方法の原理(酵素の固定化1) 酵素の固定化法について事前学習し、その方法の概略を調べることができる。
7週 酵素利用方法の原理(酵素の固定化2) 事前に調べてきた酵素の固定化法について理解を深め、その原理を説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 酵素(タンパク質の精製法1) 遺伝子組換え技術利用の流れとPCR法の原理を説明できる。
10週 酵素(タンパク質の精製法2) タンパク質単離法(透析、塩析、ゲルろ過)に関する事前学習として、各方法の原理を調べることができる。
11週 酵素(タンパク質の精製法3) タンパク質単離法(透析、塩析、ゲルろ過)に関して、事前学習を通して、その理解を深め、原理を説明できる。
12週 酵素(タンパク質の精製法4) タンパク質単離法(電気泳動【SDS-PAGE、Native PAGE、等電点電気泳動】)に関する事前学習として、各方法の原理を調べることができる。
13週 酵素(タンパク質の精製法5) タンパク質単離法(電気泳動【SDS-PAGE、Native PAGE、等電点電気泳動】)に関して、事前学習を通して、その理解を深め、原理を説明できる。
14週 酵素(タンパク質の精製法6) タンパク質単離法(二次元電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー)に関する事前学習として、各方法の原理を調べることができる。
15週 酵素(タンパク質の精製法7) タンパク質単離法(二次元電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー)に関して、事前学習を通して、その理解を深め、原理を説明できる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 酵素利用の実用化例(デンプン加工技術) 各種デンプン分解酵素の機能を説明できる。
2週 酵素利用の実用化例(デンプン加工製品の生産1) 異性化糖とサイクロデキストリンの生産方法を説明できる。
3週 酵素利用の実用化例(デンプン加工製品の生産2) その他のデンプン加工製品の代表例を挙げることができる。
4週 酵素利用の実用化例(デンプン加工製品の生産3) その他のデンプン加工製品の生産方法を説明できる。
5週 酵素利用の実用化例(デンプン加工製品の生産4) デンプン加工製品の生産における酵素の利用を総括できる。
6週 酵素利用の実用化例(乳製品の加工1) 乳製品加工への酵素の利用原理を説明できる。
7週 酵素利用の実用化例(乳製品の加工2) 乳製品加工への酵素の利用方法を説明できる。
8週 酵素利用の実用化例(アルコールの生産1) 固定化酵母によるエタノール生成の原理を説明できる。
4thQ
9週 酵素利用の実用化例(アルコールの生産2) バイオエタノールなど固定化酵母によるエタノール利用の状況を挙げることができる。
10週 酵素利用の実用化例(アミノ酸と医薬品の生産1) アミノ酸生産への酵素の利用方法を説明できる。
11週 酵素利用の実用化例(アミノ酸と医薬品の生産2) 医薬品生産への酵素の利用方法を説明できる。
12週 酵素利用の実用化例(化学工業への応用1) 酵素の化学工業(試薬など化学製品)への応用について、その例を挙げ、その原理を説明できる。
13週 酵素利用の実用化例(化学工業への応用2) 酵素の化学分析(バイオセンサーなど)への応用について、その例を挙げ、測定原理を説明できる。
14週 酵素利用のまとめ1 デンプン加工など食品産業への酵素の利用について概説できる。
15週 酵素利用のまとめ2 医薬品、化学製品や物質生産への酵素の利用について概説できる。
16週 卒業試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力900000090
専門的能力0000000
分野横断的能力100000010