集積回路工学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 集積回路工学
科目番号 0021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 講義時に配布
担当教員 加治屋 徹実

到達目標

半導体素子に関する基礎知識や作製技術を学ぶことにより、その基本的な構造や働きを理解し、説明できることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる. 1)帯構造を用いて導体、絶縁体、半導体の電気伝導度の違いを説明できる. 2)真性キャリア密度を計算できる.半導体の性質、主な材料、i形・n形・p形の添加不純物、多数キャリアと少数キャリアを説明できる.半導体の性質、主な材料、i形・n形・p形の添加不純物、多数キャリアと少数キャリアを説明できない.
評価項目2標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる. 1)バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタの特徴の比較ができる.ダイオードとバイポーラトランジスタの構造、電圧-電流特性、主な作用を説明できる.ダイオードとバイポーラトランジスタの構造、電圧-電流特性、主な作用を説明できない.
評価項目3標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる. 1)閾値電圧を計算できる. 2)CMOSを用いたNAND回路とNOR回路の動作を説明できる.JFETとMOSFETおよびCMOSの構造、電圧-電流特性、反転層の生成を説明できる.JFETとMOSFETおよびCMOSの構造、電圧-電流特性、反転層の生成を説明できない.
評価項目4集積回路(IC)の生まれた背景、利点、分類、各ICの構造や特徴を説明できる.集積回路(IC)の生まれた背景、利点、分類、各ICの構造や特徴を説明できない.
評価項目5標準的な到達レベルに加えて、以下のことができる. 1)珪石から単結晶シリコンができるまでの主な化学反応式を説明できる.金属シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどのSiウェハの作製工程を説明できる.金属シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどのSiウェハの作製工程を説明できない.
評価項目6酸化膜生成工程、ホトリソグラフィ工程、エッチング工程、熱拡散工程、イオン打ち込み工程、素子分離工程、金属薄膜作製工程などの前工程(ウェハ工程)を説明できる.酸化膜生成工程、ホトリソグラフィ工程、エッチング工程、熱拡散工程、イオン打ち込み工程、素子分離工程、金属薄膜作製工程などの前工程(ウェハ工程)を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育プログラムの科目分類 (3)③ 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(c) 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 2.1(1)③ 説明 閉じる
教育プログラムの学習・教育到達目標 3-1 説明 閉じる
本科(準学士課程)の学習・教育到達目標 3-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
家電製品や携帯電話など、我々の身の周りに数多く用いられている集積回路について、半導体素子に関する基礎知識や作製技術を学ぶことにより、その基本的な構造や働きを理解し、説明できることを目標とする.
授業の進め方・方法:
まず半導体材料に関する一般的な基礎知識と、ダイオード、バイポーラトランジスタおよびFETなどの個別部品に関する基礎知識を習得させる。その後に集積回路に関する全般的な知識と、具体的な作製工程について詳細な説明を行う。ハードウエアを取り扱う本科目は、情報工学科の学生にとってはやや苦手意識があると思われるので、パワーポイントを用いて図や写真を使い理解を深めるようにする.
注意点:
講義の内容は必ず復習する事.詳細を覚える事は不要であるが、現象の本質を理解し、自分の知見として概略を理解する.また半導体素子について幅広く学習するためには、高校程度の物理・化学・数学・および基礎的な電気・電子工学の基礎知識が必要である.講義の内容をよく理解するために、予習として配布資料に目を通し、課題を含む復習の80分の自学自習が必要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体の基礎 良導体、半導体、絶縁体の電気伝導を説明できる.
i形、n型、p形のキャリア生成過程を説明できる.
2週 半導体の基礎 良導体、半導体、絶縁体の電気伝導を説明できる.
i形、n型、p形のキャリア生成過程を説明できる.
3週 pn接合とダイオード バイアスの向きと電流の大きさの関係を説明できる.
簡単な整流回路や波形整形回路の動作を説明できる.
4週 pn接合とダイオード バイアスの向きと電流の大きさの関係を説明できる.
簡単な整流回路や波形整形回路の動作を説明できる.
5週 トランジスタとFET トランジスタの種類とバイアスの向きを説明できる.
トランジスタの接地方式による違いを説明できる.
電界効果トランジスタの特長を説明できる.
接合型FETとMOS型FETの構造と特性を説明できる.
6週 トランジスタとFET トランジスタの種類とバイアスの向きを説明できる.
トランジスタの接地方式による違いを説明できる.
電界効果トランジスタの特長を説明できる.
接合型FETとMOS型FETの構造と特性を説明できる.
7週 トランジスタとFET トランジスタの種類とバイアスの向きを説明できる.
トランジスタの接地方式による違いを説明できる.
電界効果トランジスタの特長を説明できる.
接合型FETとMOS型FETの構造と特性を説明できる.
8週 MOS構造の解析とCMOS バイアスによる蓄積層や反転層の生成を説明できる.
反転閾値電圧の理論式について説明できる.
CMOSの構造と特徴を説明できる.
CMOSを用いた論理回路の動作を説明できる.
2ndQ
9週 MOS構造の解析とCMOS バイアスによる蓄積層や反転層の生成を説明できる.
反転閾値電圧の理論式について説明できる.
CMOSの構造と特徴を説明できる.
CMOSを用いた論理回路の動作を説明できる.
10週 集積回路 集積化する利点を説明できる.
いろいろな集積回路の特徴を説明できる.
11週 半導体素子の作製技術 半導体素子の作製工程の簡単な流れを説明できる.
エピタキシャル成長や酸化膜の作製法を説明できる.
pn接合の作製法を説明できる.
フォトリソグラフィ工程を説明できる.
12週 半導体素子の作製技術 半導体素子の作製工程の簡単な流れを説明できる.
エピタキシャル成長や酸化膜の作製法を説明できる.
pn接合の作製法を説明できる.
フォトリソグラフィ工程を説明できる.
13週 半導体素子の作製技術 半導体素子の作製工程の簡単な流れを説明できる.
エピタキシャル成長や酸化膜の作製法を説明できる.
pn接合の作製法を説明できる.
フォトリソグラフィ工程を説明できる.
14週 半導体素子の作製技術 半導体素子の作製工程の簡単な流れを説明できる.
エピタキシャル成長や酸化膜の作製法を説明できる.
pn接合の作製法を説明できる.
フォトリソグラフィ工程を説明できる.
15週 試験答案の返却・解説 試験において間違った部分を自分の課題として把握する
16週

評価割合

試験小テスト態度合計
総合評価割合80200100
専門的能力8020(-10)100