構造工学実験

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 構造工学実験
科目番号 0053 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 都市環境デザイン工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 〔教科書〕実験指導プリント 〔参考書・補助教材〕 構造実験指導書 土木学会
担当教員 川添 敦也,内谷 保

到達目標

土木構造物あるいはそれを構成する部材の縮小模型を用いてある荷重条件下での実験を行うことにより,かかる構造物や構成部材の力学的諸性質を理解する。本実験は,グループにおける各自の役割を遂行する中で,開発型技術者にとって必要な工学的知識(論理)を実験により確認し,実験項目に関する知識を修得することを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.2点載荷される単純梁について,実験値と計算値を比較し,力学的特性について説明できる。2点載荷の単純梁について,荷重と変形の関係の理論値を正確に計算でき,降伏および終局状態について適切に(8割以上)説明できる。2点載荷の単純梁について,荷重と変形の関係の理論値を計算でき(6割以上),降伏および終局状態について概ね(6割以上)説明できる。2点載荷の単純梁について,荷重と変形の関係の理論値を計算できず,降伏および終局状態について説明できない。
2.片持ち梁について,実験値と計算値を比較し,力学的特性について説明できる。片持ち梁について,荷重と変形の関係を正確に解析でき,重ね合わせの原理および相反作用の定理について適切に(8割以上)説明できる。片持ち梁について,荷重と変形の関係を解析でき(6割以上),重ね合わせの原理および相反作用の定理について概ね(6割以上)説明できる。片持ち梁について,荷重と変形の関係を解析できず,重ね合わせの原理および相反作用の定理について説明できない。
3.座屈について実験値の比較基準となる理論式を理解し,実験値の誤差について考察し合理的な説明ができる。座屈について実験値の比較基準となる理論式を正確に(8割以上)理解し,実験値の誤差について考察し,適切に(8割以上)説明できる座屈について実験値の比較基準となる理論式をほぼ正確に(6割以上)理解し,実験値の誤差について考察し,概ね(6割以上)説明できる。座屈について実験値の比較基準となる理論式を理解しておらず,実験値の誤差について考察および説明ができない。
4.トラスの部材力について実験値の比較基準となる理論式を理解し,実験値の誤差について考察し合理的な説明ができる。トラスの部材力について実験値の比較基準となる理論式を正確に(8割以上)理解し,実験値の誤差について考察し,適切に(8割以上)説明できる。トラスの部材力について実験値の比較基準となる理論式を正確に(6割以上)理解し,実験値の誤差について考察し,概ね(6割以上)説明できる。トラスの部材力について実験値の比較基準となる理論式を理解しておらず,実験値の誤差について考察および説明ができない。
5.門型ラーメンの曲げモーメントについて,実験値と計算値を比較し,力学的特性について説明できる。門型ラーメンの任意の点における曲げモーメントとひずみの理論値を正確に計算でき,計算値と実験値の誤差の原因について適切に(8割以上)説明できる。門型ラーメンの任意の点における曲げモーメントとひずみの理論値を計算でき(6割以上),計算値と実験値の誤差の原因について概ね(6割以上)説明できる。門型ラーメンの任意の点における曲げモーメントとひずみの理論値を計算できず,計算値と実験値の誤差の原因について説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
構造力学,鉄筋コンクリート工学および鋼構造工学などで学習した内容を,模型実験を通して実践的に確認すると共にその理解を深めることを第一義とする。この科目は企業で構造設計を担当していた教員が,その経験を生かし,構造設計で必要とされる構造工学について実験形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教材及び配布プリント等を十分予習して実験に参加する必要がある。また,実験中は生じる現象を注意深く観察すると共に,実験後はその内容を実験レポートにまとめて期日までに提出すること。
注意点:
実験は上下作業着,安全靴等を着用して臨むこと。実験準備等は実験前日までに行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 実験概要説明 実験の意義および計測方法の概要が説明できる。
2週 単純ばりの曲げ試験 曲げ応力度分布およびたわみ性状等が説明できる。
3週 片持ちばりの曲げ試験 曲げ応力度とたわみ性状が理解できるとともに,重ね合わせの原理および相反作用の定理が説明できる。
4週 長柱の座屈荷重 支持条件の異なる長柱のオイラー座屈荷重と座屈形が説明できる。
5週 トラスの部材力の測定 荷重の載荷位置の違いによる各部材の部材力特性が説明できる。
6週 ラーメンの曲げモーメント 荷重の載荷状態の違いによるラーメンの曲げモーメント分布特性が説明できる。
7週 レポート指導 実験計画,実験結果および考察について適切に表現
できる。
8週 総括
一連の実験に関する総括
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後2,後3,後4,後5,後6
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後2,後3,後4,後5,後6
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後2,後3,後4,後5,後6
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後2,後3,後4,後5,後6
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後2,後3,後4,後5,後6
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後2,後3,後4,後5,後6
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後2,後3,後4,後5,後6
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4後2,後3,後4,後5,後6

評価割合

レポート学習態度合計
総合評価割合1000100
基礎的能力000
専門的能力1000100
分野横断的能力000