通信工学

科目基礎情報

学校 鹿児島工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 通信工学
科目番号 0042 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気情報システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 配布資料
担当教員 井手 輝二

到達目標

本科目は、通信システムの基礎的事項に重点をおきそれを十分に説明できるために、その技術の応用力を養うこと.さらに、最近の通信システムの全貌を包括的、かつ系統的に説明できる能力を養うことを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1アナログ伝送とディジタル伝送,ベースバンド伝送方式(符号化の要件と特徴)を説明できる.符号化の要件は,①タイミング情報を有すること,②効率,③誤り検出と訂正能力,④電力スペクトル密度,⑤直流成分の有無,⑥トランスペアレンシィについて説明できる.アナログ伝送とディジタル伝送,ベースバンド伝送方式(符号化の要件と特徴)を説明できる.アナログ伝送とディジタル伝送,べースバンド伝送方式(符号化の要件と特徴)を説明できない.
評価項目2通信システムの基本構成,通信網の形態(ネットワークトポロジ),双方向通信(単方向通信,半二重通信,全二重通信)及び複信方式(周波数分割,時分割)について説明できる.全二重通信(無線通信)における周波数分割多重及び時分割多重方式の違いについて説明できる.通信システムの基本構成,通信網の形態(ネットワークトポロジ),双方向通信(単方向通信,半二重通信,全二重通信)及び複信方式(周波数分割,時分割)について説明できる.通信システムの基本構成,通信網の形態(ネットワークトポロジ),双方向通信(単方向通信,半二重通信,全二重通信)及び複信方式(周波数分割,時分割)について説明できない.
評価項目3振幅変調,角度変調について、その原理式を導出でき,変調・復調回路及び発振回路の特性、動作原理を数式及び具体的な回路により説明できる.振幅変調,角度変調について,その原理式を導出でき,変調・復調回路及び発振回路の特性,動作原理を説明できる.振幅変調,角度変調について,その原理式を導出できず,変調・復調回路及び発振回路の特性,動作原理を説明できない.
評価項目4 ディジタル変調(ASK,FSK,PSK)について,その原理式を導出でき,変調・復調回路の特性、動作原理を数式及び具体的な回路により説明できる.ディジタル変調(ASK,FSK,PSK)について,その原理式を導出でき,変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる.ディジタル変調(ASK,FSK,PSK)について,その原理式を導出できず,変調・復調回路の特性,動作原理を説明できない .
評価項目5代表なディジタル変調方式であるASK, FSK,PSK などについて、ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について導出して説明できる。代表的なディジタル変調方式であるASK, FSK,PS Kなどについて、ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について説明できる.さらにはBPSK及びQPSKについて誤り率特性を導出できる. 代表的なディジタル変調方式であるASK,FSK,PS Kなどについて、ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について説明できない。
評価項目6C/N比、受信機の感度及び雑音指数について具体例を示して説明できる.C/N比、受信機の感度及び雑音指数について説明できる.C/N比、受信機の感度及び雑音指数について説明できない.
評価項目7誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタ(ロールオフ率による特性の差)について説明できる.誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できる.誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 3-3 説明 閉じる
JABEE(2012)基準 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
教育プログラムの科目分類 (4)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は、企業で無線通信機器の開発設計を担当していた教員が、その経験を活かし、電気通信及び無線通信について講義形式で授業を行うものである。
数学、電子回路およびディジタル信号処理などの科目の基本的な知識を必要とする.
授業の進め方・方法:
プリント配布によって講義を行う.配布された全プリントは持参すること.授業について,十分な予習復習を行い,習得する.
注意点:
授業について,予習復習を十分に行い,習得して具体的に導出・計算を行う内容等は必ず身につけること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 伝送方式 アナログ伝送とディジタル伝送、ベースバンド伝送方式(符号化の要件と特徴)を説明できる.
2週 基本構成 通信システムの基本構成、通信網の形態(ネットワークトポロジ)、双方向通信(単方向通信, 半二重通信,全二重通信)及び複信方式(周波数分割,時分割)について説明できる.
3週 アナログ変調(振幅変調) 振幅変調について、その原理式を導出でき、変調・復調回路及び発振回路の特性、動作原理を説明できる.
4週 アナログ変調(角度変調)
角度変調について、その原理式を導出でき、変調・復調回路及び発振回路の特性、動作原理を説明できる。
5週 ディジタル変調(ASK) ディジタル変調(ASK)について、その原理式を導出でき、変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる.
6週 ディジタル変調(FSK) ディジタル変調(FSK)について、その原理式を導出でき、変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる.
7週 ディジタル変調(PSK) ディジタル変調(PSK)について、その原理式を導出でき、変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる.
8週 ディジタル変調における誤り率特性(信号点間距離) 代表的なディジタル変調方式であるASK, PSKなどについて,ガウス雑音による誤り率特性(信号点間距離)について説明できる.
4thQ
9週 ディジタル変調における誤り率特性(誤り率理論式) 代表的なディジタル変調方式のうちBPSK及びQPSKについてのCN比(搬送波電力対雑音電力比)に対する誤り率理論式を導出・計算ができ、説明できる.
10週 ディジタル変調における誤り率特性(誤り率理論式) 代表的なディジタル変調方式のうちBPSK及びQPSKについてのCN比(搬送波電力対雑音電力比)に対する誤り率理論式を導出・計算ができ、説明できる.
11週 ディジタル変調における誤り率特性(受信機の感度及び雑音指数) ディジタル変調におけるC/N比,受信機の感度及び雑音指数について説明できる.
12週 ディジタル変調における誤り率特性(受信機の感度及び雑音指数) ディジタル変調におけるC/N比,受信機の感度及び雑音指数について説明できる.
13週 ディジタル変調における最適信号検出理論とフィルタ理論 ディジタル変調における誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できる.
14週 ディジタル変調における最適信号検出理論とフィルタ理論 ディジタル変調における誤り率を最小とする最適信号検出(最適受信)理論として,整合フィルタ及びナイキストフィルタについて説明できる.
15週 定期試験 授業項目について達成度を確認する.
16週 試験答案の返却・解説 試験において間違えた部分を自分の課題として把握する(非評価項目)

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力0000000
専門的能力60400000100
分野横断的能力0000000