材料強度学

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 材料強度学
科目番号 0184 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 参考図書1:材料強度学 編者・発行者:社団法人 日本材料学会 参考図書2:線形破壊力学入門 著者:岡村弘之 発行所:培風館
担当教員 中村 富雄,渡辺 隆,葛原 俊介,小林 仁,佐藤 一志,渋谷 徹

到達目標

・脆性・延性破壊を説明できる。
・破壊靭性を説明できる。
・疲労破壊やクリープ変形・破壊を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
脆性破壊、延性破壊脆性破壊、延性破壊について破壊基準を説明できる。脆性破壊、延性破壊を説明できる。脆性破壊、延性破壊を説明できない。
破壊靭性応力拡大係数とき裂端応力の関係を説明できる。破壊靭性を説明できる。き裂の強度に及ぼす影響を説明できない。
疲労破壊と損傷許容設計 疲労破壊と損傷許容設計について説明できる。S-N曲線と疲労限度を説明できる。疲労破壊を説明できない。
クリープクリープ寿命を説明できる。クリープ現象を説明できる。クリープ現象を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 機械工学に関する確かな基礎力を備えること。
JABEE D1 専門分野に関する工業技術を理解し、応用する能力

教育方法等

概要:
機械要素・構造物の安全性・健全性を評価・確保するための手段を提供するのが材料強度学である。このため、産業界においては習得しておくことが強く求められる必須の科目でもある。
 まず、基礎的材料強度学的試験法,降伏・破壊強度の評価手法,さらにこれらの特性値の機器・構造物への適用法を学習する。次いで、強度特性に大きな影響を及ぼすき裂や欠陥について学び、き裂の力学である破壊力学の基礎と工学的応用について習得する。さらに、現実の損傷・破壊原因として脆性破壊、疲労破壊、クリープ変形・破壊を取り上げ、それぞれの破壊現象、その防止法について習得する。
授業の進め方・方法:
本講義においては、材料強度学に関する基礎的原理や事項を学ぶとともに、特に、その応用を重要視し、基礎的事項をどのように適用するかについて重点を置く。このため、基礎的事項の説明の後、応用を目的とした演習問題に取り組むことにより、内容の理解とともに実用的な応用法を理解する。毎回、演習を行う。
予習:前回の授業のまとめを振返る  復習:演習課題の内容をノートで確認する
注意点:
本講義は、3年、4年時に学んだ材料力学と関連する科目である。適宜、必要に応じて材料力学の内容を復習すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 機械要素・構造物の損傷・破壊の原因がわかる.
2週 一軸引張強度試験 試験法と評価パラメータを理解する.
3週 応力状態の基礎 脆性破壊と延性破壊について破壊規準を理解する.
4週 破壊規準と応用 脆性破壊と延性破壊について破壊規準を理解する.
5週 疲労破壊 試験法と疲労強度特性の評価法がわかる.
6週 疲労き裂進展 き裂の強度に及ぼす影響と疲労き裂進展を理解する.
7週 高温強度とクリープ 高温環境下の材料強度とクリープを現象を理解する.
8週 損傷許容設計とまとめ
損傷許容設計の考え方を理解する.
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4前4
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4前6
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4前7

評価割合

演習課題レポート合計
総合評価割合6040100
専門的能力6040100