化学工学概論

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 化学工学概論
科目番号 0122 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 藤田重文著、化学工学演習(第2版)、東京化学同人(1979)
担当教員 奥村 真彦

到達目標

化学工学量論(単位、物質収支等)、および単位操作の基本的内容について理解し、各種の計算ができる。また、流体輸送や反応器など、化学プラントにおける基本的な装置や単位操作を理解するための基礎を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
収支対象について自ら熱・物質収支の式を立てることができる誘導があれば熱・物質収支の式を立てることができる熱・物質収支の式を立てることができない
蒸留:x-y線図液相線・気相線を読んでx-y線図を作成できるx-y線図について読み方を人に説明できるx-y線図の意味を理解していない
蒸留:蒸留塔の設計McCabe-Thiele法による理論段数の計算について人に整然と説明することができるMcCabe-Thiele法による理論段数の計算を行えるMcCabe-Thiele法について説明できない
抽出単抽出による溶質の抽出量を三角図をもとに計算できる三角図を読むことができ、溶解度曲線について説明できる三角図を読むことができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 機械工学に関する確かな基礎力を備えること。
JABEE D2 専門分野と周辺の工業技術を理解し、デザインに応用展開できる能力

教育方法等

概要:
この授業では、化学工学で取り扱う基礎的な問題について、解法とその基礎となる理論について学びます。具体的には、物質およびエネルギーの収支、蒸留塔の設計、単抽出操作、一般的な熱交換器の設計、流体の持つエネルギーに関連する計算の手法を取り扱います。
授業の進め方・方法:
毎週講義を行います。講義内容の計画について変更がある場合は都度お伝えします。適宜課題を課しますので、予習・復習の一環として真面目に取り組んでください。
注意点:
難しい数学は必要としませんが、用語、定数が多数登場します。単位を含め、きちんと理解するようにして下さい。また、この科目は履修単位ですが、授業だけでなく予習・復習を行って理解を深めるように努めて下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 「化学工学とは何か?」という質問に対し、妥当な回答ができる。
2週 物質およびエネルギーの収支(その1) 簡単なプロセスについて、物質の収支式を立ててそれを解くことができる。
3週 物質およびエネルギーの収支(その2) より複雑なプロセスについて、物質の収支式を立ててそれを解くことができる。
4週 物質およびエネルギーの収支(その3) 簡単なプロセスについて、エネルギーの収支式を立ててそれを解くことができる。
5週 物質およびエネルギーの収支(その4) 複雑なプロセスについて、物質およびエネルギーの収支式を立ててそれを解くことができる。
6週 伝熱(その1) 伝導伝熱、対流伝熱、放射伝熱について、それぞれの違いを述べることができる。
7週 伝熱(その2) 伝導伝熱に関係する計算において、必要となるパラメータについて理解し、計算を実施できる。
8週 伝熱(その3) 対流伝熱に関係する計算において、必要となるパラメータについて理解し、計算を実施できる。
2ndQ
9週 伝熱(その4) 放射伝熱に関係する計算において、必要となるパラメータについて理解し、計算を実施できる。
10週 蒸留(その1) 蒸留によって物質を分離できる原理を理解し、気相線、液相線、x-y線図について読み方を理解する。
11週 蒸留(その2) x-y線図を用いて単蒸留、フラッシュ蒸留において起こる現象を説明できる。
12週 蒸留(その3) x-y線図を用いて、蒸留塔内で起こる現象を説明できる。また、McCabe-Thiele法により蒸留塔の理論段数を求められる。
13週 抽出(その1) 抽出の原理を説明できる。
14週 抽出(その2) 3成分系で行う単抽出について、三角図を読み解くことができ、関連する用語についても説明できる。
15週 抽出(その3) 3成分系で行う単抽出について、抽出操作に関係する計算が行える。
16週 期末試験 これまで学んだ内容を用いて問題を解けるようになる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。4
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4
化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4

評価割合

レポート試験合計
総合評価割合5050100
提出物50050
中間試験05050