化学工学概論

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 化学工学概論
科目番号 0187 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 書名:化学工学演習 著者:藤田重文 編 発行所:東京化学同人
担当教員 奥村 真彦

到達目標

・ 化学工学量論(単位、物質収支等)、および単位操作の基本的内容について理解し、各種の計算ができる。
・ 流体輸送や反応器など、化学プラントにおける基本的な装置や単位操作を理解するための基礎を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
単位単位を考えることによって計算式を立てることができる基本単位,組立単位を理解している基本単位のみ理解している
収支対象について自ら熱・物質収支の式を立てることができる誘導があれば熱・物質収支の式を立てることができる熱・物質収支の式を立てることができない
流動:層流・乱流流体の流れが層流か乱流かを考慮して装置を設計できるレイノルズ数を算出し層流と乱流を区別できる層流と乱流の違いが説明できない
流動:流体の輸送ベルヌーイの式を理解し、それを用いて流速などのパラメータを計算できるベルヌーイの式の意味を説明できるベルヌーイの式の意味を理解していない
蒸留:x-y線図Raoultの法則からx-y線図を作成できる液相線・気相線を読んでx-y線図を作成できるx-y線図の意味を理解していない
蒸留:蒸留塔の設計McCabe-Thiele法による理論段数の計算について人に整然と説明することができるMcCabe-Thiele法による理論段数の計算を行えるMcCabe-Thiele法について説明できない
抽出単抽出による溶質の抽出量を三角図をもとに計算できる三角図を読むことができ、溶解度曲線について説明できる三角図を読むことができない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 1 機械工学に関する確かな基礎力を備えること。
JABEE D2 専門分野と周辺の工業技術を理解し、デザインに応用展開できる能力

教育方法等

概要:
化学製品を製造する過程で用いられる単位操作、およびその単位操作からなる原料から最終製品までのプロセスの検討に関係する学問が化学工学である。この授業では化学工学で用いられる考え方に触れつつ、熱・物質の収支、流体の流動、蒸留操作、抽出操作に関わる基礎的な計算について学ぶ。
授業の進め方・方法:
理解度を確認するため、演習を随時行う。
受講に際し、予習として受講する週の授業とその1つ前の週の授のつながりを把握しておくこと。また、授業を受講した後、来週に向けて復習すること。
注意点:
演習には多くの計算が含まれるため、関数電卓を持参すること。
また、流体、熱の流れが基礎になるので、関連科目の理解を深めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 4/9:SI単位と単位変換について解説する。 SI単位およびSI誘導単位の扱いに慣れる。単位の変換に習熟する。
2週 4/16:熱・物質の収支の取り方について解説し、例題を解く。 種々の状況について解説を受けたうえで熱・物質収支を立てることができる。
3週 4/23:熱・物質の収支の取り方に関連した例題を解く。 対象について自ら熱・物質の出入りを整理し、収支式を立てることができる。
4週 5/7:層流・乱流、レイノルズ数の定義と計算方法について解説する。 層流・乱流の定義を理解し、流れ場がどちらになるか予測することができる。
5週 5/14:管内の流体のエネルギー収支について解説し、例題を解く。 ベルヌーイの定理を理解し、それを利用して流体の状態を計算できる。
6週 5/21:管内の流体のエネルギー収支に関連した例題を解く。 ベルヌーイの定理を理解し、それを利用して流体の状態を計算できる。
7週 5/28:1~6週まで学んだ内容を復習する。 各週ごとの到達目標を達成できていることを確認する。
8週 6/4:中間試験を実施する。 これまで学んできた内容について理解度を確認する。
2ndQ
9週 6/11:蒸留の概要、気液平衡について解説する。 蒸留とは何か、気液平衡状態とは何かを理解する。
10週 6/18:x-y線図の読み方について解説する。 x-y線図が何を意味するか理解する。
11週 6/25:Raoultの法則について解説する。 Raoultの法則について理解し、それを用いてx-y線図を描くことができる。
12週 7/2:McCabe-Thiele法を用いた蒸留塔の設計について解説する。 McCabe-Thiele法を理解する。
13週 7/9:McCabe-Thiele法を用いた蒸留塔の設計について例題を解く。 McCabe-Thiele法を用いて蒸留塔に必要な段数を推定できる。
14週 7/16:抽出の目的・方法、三角図の読み方について解説する。 抽出とは何かを理解する。また、三角図を読み取れるようになる。
15週 7/30:抽出率の計算について解説し、例題を解く。 単抽出に関わる種々の計算ができるようになる。
16週 9/17:期末試験を実施する。 これまで学んできた内容について理解度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。4
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4
化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4前1,前7,前8
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4前4,前6,前7,前8
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4前2,前3,前5,前6,前7,前8
蒸留の原理について理解できる。4前2,前3,前9,前16
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4前10,前11,前12,前13,前16
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4前10,前11,前12,前13,前16
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4前14,前15,前16

評価割合

レポート試験合計
総合評価割合5050100
提出物50050
中間試験02525
期末試験02525