概要:
3年「物理」と並行して、波動分野(波の伝わり方と種類、重ね合わせの原理と波の特有な性質、音波・発音体と光波・レンズ)及び、力学分野(平面内の直線運動,運動の法則と運動方程式,仕事と力学的エネルギー保存則,微分積分を用いた力学)について学習する。
授業の進め方・方法:
授業形態は講義・問題演習を主体とし、ICT活用(力学・波動分野のDVD動画)による講義演習も取り入れる。
注意点:
前期の波動分野については、波の基本的な性質を学習した上で、特に音波(弦の固有振動、ドップラー効果)と光波(光の反射・屈折、干渉)に関する物理諸量を重点的に学習する。
後期の力学分野については,学習到達度試験(物理)に準ずる内容について,過去問題の演習を通じて学習する。
【評価方法・基準】
前期中間確認試験20%,前期末試験30%,後期中間確認試験20%,学年末試験30%で達成度を総合評価する。総合評価50点以上を合格とする。試験問題は各達成目標に即した内容を出題し、問題のレベルは教科書の章末問題及び参考問題集の基本問題・発展例題程度を出題する。
物理学で用いられる技術用語の英語力強化を目的に、原理・法則・定義を説明する英文を参考とした関連問題も出題する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
波の性質 ・波の表し方とその要素 ・正弦波と波の要素 |
・波の波長、周期、振動数、速さについて理解できる。 ・波源が単振動を続けると,その振動が周囲の媒質に伝わり正弦波の波形ができることを理解できる。
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2週 |
・正弦波と波の要素 |
・波源が単振動を続けると,その振動が周囲の媒質に伝わり正弦波の波形ができることを理解できる。
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3週 |
・横波と縦波 ・波のエネルギー |
・媒質の振動方向により,横波と縦波が生じることを説明できる。また,振動する媒質はエネルギーをもち波が伝わるとエネルギーも伝えられることを理解できる。
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4週 |
・正弦波の式と位相 |
・単振動は等速円運動の正射影で表されることを理解し,媒質の振動が正弦波の式で表されることを説明できる。
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5週 |
・波の重ね合わせ |
・波の重ね合わせの原理について説明できる。
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6週 |
・波の干渉 |
・2つの波が干渉するとき互いに強め合う条件と弱め合う条件に付いて説明できる。
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7週 |
・波の反射・屈折・回折 |
・定常波の特徴(節、腹の振動の様子)を理解し、波の反射・屈折の法則及び回折を説明できる。
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8週 |
音波 ・音の伝わり方 |
・音が伝わる波が縦波であることが説明できる。
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2ndQ |
9週 |
・音波の性質 |
・音波における,反射・屈折・回折・干渉などの現象を説明できる。
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10週 |
・物体の振動(弦の固有振動) |
・弦の固有振動数について説明することができる。
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11週 |
・弦を伝わる波の速さ |
・弦を伝わる波の速さと弦の固有振動数の関係式を説明できる。
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12週 |
・気柱の固有振動(閉管と開管) |
・弦の固有振動数及び開管、閉管の固有振動数を求めることができる。
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13週 |
・共振・共鳴 |
・物体がその固有振動数に等しい振動数の周期的な力を受けると,大きく振動する現象を説明できる。
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14週 |
・ドップラー効果 |
・ドップラー効果の現象について説明できる。
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15週 |
・ドップラー効果の振動数 |
・ドップラー効果による音の波長、振動数変化を計算できる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
光波 ・光の性質 |
・光は波であることを理解し、基本事項を説明できる。
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2週 |
・光の反射・屈折 |
・光の反射角、屈折角に関する計算ができる。
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3週 |
・光とレンズ |
・凹凸レンズの性質と光の進み方を説明できる。
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4週 |
・写像公式 |
・レンズの写像公式を理解し、諸量を計算できる。
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5週 |
・光の干渉と回折
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・ヤングの実験の干渉条件式を理解できる。
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6週 |
・回折格子と薄膜による干渉 |
・回折格子の原理,薄膜による干渉を理解できる。
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7週 |
力学分野の講義演習(Ⅰ) ・平面内の直線運動(変位・速度・加速度) |
・相対速度を求めることができる。 ・物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。
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8週 |
力学分野の講義演習(Ⅱ) ・平面内の直線運動(変位・速度・加速度) |
・平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として理解している。
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4thQ |
9週 |
・運動の法則と運動方程式(Ⅰ) |
・ニュートンの運動の法則を理解し、運動方程式を立てて問題を解くことができる。
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10週 |
・運動の法則と運動方程式(Ⅱ) |
・自由落下、水平及び鉛直投射した物体の座標・速度・時間に関する計算ができる。
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11週 |
・仕事の概念と力学的エネルギー保存則の応用(Ⅰ) |
・仕事の概念を理解して,積分を使った仕事の表現を説明することができる. ・力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。
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12週 |
・仕事の概念と力学的エネルギー保存則の応用(Ⅱ) |
・重力及びばねの弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。
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13週 |
・円運動・単振動・万有引力 |
・等速円運動する物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 ・単振動における速度・加速度・力の関係を説明できる。 ・万有引力の法則を理解し、物体間にはたらく万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。
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14週 |
・微分積分を用いた力学(Ⅰ) |
・物体の位置・速度・加速度と力の関係を理解し、微積分を適用して様々な物体の運動を解析して説明できる。
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15週 |
・微分積分を用いた力学(Ⅱ) |
・座標を時間で微分し、速度や加速度を求めることができる。 ・簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 4 | |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 4 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 4 | |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 4 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 3 | |
物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | |
慣性の法則について説明できる。 | 4 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 3 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 3 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 4 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 4 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 4 | |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 4 | |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 4 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
波の独立性について説明できる。 | 3 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 4 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 4 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | |