化学工学I

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 化学工学I
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 教科書:小島和夫他「入門化学工学」(培風館)  参考書:配布プリント
担当教員 土居 俊房

到達目標

【到達目標】
1.SI単位を用いた計算ができる。 
2.物質収支,熱収支の基礎計算ができる。
3.流動の物質収支,流動のエネルギー収支の計算ができる。
4.円管内の流速,流量,レイノルズ数を計算でき,流動状態(層流,乱流)の判断ができる。
5.流動に必要な所要動力を計算できる。
6.伝導伝熱における熱移動の計算ができる。
7.熱交換器の構造,熱移動,熱収支を説明でき,基礎設計ができる。
8.蒸発装置の構造を説明でき,物質収支,熱収支の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1SI単位系の定義を良く理解し,簡単な化学プロセスの物質収支の計算が良くできる。SI単位系の定義を理解し,簡単な化学プロセスの物質収支の計算ができる。SI単位系の定義の理解が不十分で,簡単な化学プロセスの物質収支の計算ができない。
評価項目2流動に必要な所要動力の計算が良くできる。流動に必要な所要動力の計算ができる。流速,流量,レイノルズ数,エネルギー収支・損失をもとに,単純なプロ流動に必要な所要動力の計算ができない。
評価項目3伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱の計算が良くでき,熱交換器,蒸発缶の基礎設計が良くできる。伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱の計算ができ,熱交換器,蒸発缶の基礎設計ができる。伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱の基礎知識が不十分で,熱交換器,蒸発缶の基礎設計ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習教育到達目標 (B) 説明 閉じる
JABEE基準1(2) (d)(2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 化学プラントでは,原料から製品に至る過程で流体を輸送することが行われている。また,流体の加熱,冷却,蒸発などを行う際に熱交換器が使用されている。本講義では,様々な物理量の単位,流体の流動操作並びに熱移動操作を理解し,技術者としての専門基礎知識を習得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
 学生に教科書を中心とした予習を課し,必要に応じてビデを事前に見せる。講義では小テストおよび演習問題を解き,提出させる(個人の評価)。また,グループ(4~5人)による小テストおよび演習問題の確認を行い,グループごとに解答を提出させる(グループの評価)。最後に,小テストおよび演習問題の解答・解説を行う。翌週に,前週の小テストおよび演習問題の返却を行う。
注意点:
 定期試験(年4回)の評価50%,平素の小テストおよびグループ演習の評価50%の割合で総合的に評価する。なお,グループ演習の評価は学生一人一人の貢献度(80~120%)を学生相互に評価し,この結果を加味する。
 学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均、学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 化学工学の基礎(1)
①化学工化学で何を学ぶのか。
②物理量とSI基本単位について学ぶ。
①SI単位系の基本単位の定義について説明できる。
②SI単位系の接頭語について説明できる。
2週 1. 化学工学の基礎(2)
 物理量とSI誘導単位について学ぶ。
①加速度,力の定義を説明できる。
②加速度,力を計算できる。
3週 1. 化学工学の基礎(3)
 物理量とSI誘導単位について学ぶ。
①圧力,エネルギー,仕事率の定義を説明できる。
②圧力,エネルギー,仕事率を計算できる。
4週 1. 化学工学の基礎(4)
 理想気体の状態方程式について学ぶ。
理想気体の状態方程式を用いて,気体の体積,圧力,モル数,モル濃度を計算できる。
5週 1. 化学工学の基礎(5)
 物理操作をめぐる物質収支について学ぶ。
①溶液の混合操作の物質収支を計算ができる。
②蒸発操作の物質収支を計算ができる。
6週 1. 化学工学の基礎(6)
 化学反応を伴う物質収支について学ぶ。
化学反応を伴う物質収支の計算ができる。
7週 (前期中間試験)
8週 3. 流動操作(1)[7-8]:流動の物質収支,流動のエネルギー収支や損失について学ぶ。 流動のエネルギー収支や損失を理解できる。
2ndQ
9週 4. 流動操作(2)[9-11]:円管内の流速,流量,レイノルズ数,流動状態(層流,乱流)
             について学ぶ。
円管内の流速,流量を説明できる。
10週 4. 流動操作(2)[9-11]:円管内の流速,流量,レイノルズ数,流動状態(層流,乱流)
             について学ぶ。
円管内のレイノルズ数,流動状態(層流,遷移域,乱流)を説明できる。
11週 4. 流動操作(2)[9-11]:円管内の流速,流量,レイノルズ数,流動状態(層流,乱流)
             について学ぶ。
円管内,菅路の急拡大・急縮小の摩擦損失を説明できる。
12週 5. 流動操作(3)[12-14]:流動に必要な所要動力について学ぶ。 所要動力の算出式,ポンプとモーターの総合効率,菅路の急拡大・急縮小,継手・弁の摩擦損失を理解できる。
13週 5. 流動操作(3)[12-14]:流動に必要な所要動力について学ぶ。 流体輸送に必要な所要動力の算出方法を理解できる。
14週 5. 流動操作(3)[12-14]:流動に必要な所要動力について学ぶ。 流体輸送に必要な所要動力の算出方法を理解できる。
15週 6. 流動操作(4)[15]:流量測定の手法について学ぶ。 オリフィス計,ピトー菅,ローターメーターを説明できる。
16週 (前期末試験)
後期
3rdQ
1週 7. 熱移動操作(1)[16-19]:伝導伝熱における熱移動について学ぶ。 フーリエの法則,平板状固体層の熱移動の基礎式を説明できる。
2週 7. 熱移動操作(1)[16-19]:伝導伝熱における熱移動について学ぶ。 多重平板状固体層の熱移動の基礎式を説明できる。
3週 7. 熱移動操作(1)[16-19]:伝導伝熱における熱移動について学ぶ。 円筒状固体層,多重円筒状固体層の熱移動の基礎式を説明できる。
4週 7. 熱移動操作(1)[16-19]:伝導伝熱におけ る熱移動について学ぶ。 円筒状固体層,多重円筒状固体層の熱移動の基礎式を説明できる。
5週 8. 熱移動操作(2)[20-24]:対流伝熱および熱交換器の設計について学ぶ。 熱伝達の基礎式,総括伝熱係数を説明できる。
6週 8. 熱移動操作(2)[20-24]:対流伝熱および熱交換器の設計について学ぶ。 熱交換器の熱収支,対数平均温度,伝熱速度の基礎式を説明できる。
7週 8. 熱移動操作(2)[20-24]:対流伝熱および熱交換器の設計について学ぶ。 二重菅式熱交換器の熱収支,対数平均温度,伝熱速度の基礎式を説明できる。
8週 8. 熱移動操作(2)[20-24]:対流伝熱および熱交換器の設計について学ぶ。 熱交換器の設計方法,熱交換器の構造を説明できる。
4thQ
9週 8. 熱移動操作(2)[20-24]:対流伝熱および熱交換器の設計について学ぶ。 境膜伝熱係数の算出式を理解できる。
10週 9. 熱移動操作(3)[25-27]:放射伝熱について学ぶ。 放射伝熱,二物体間の放射伝熱の基礎式を説明できる。
11週 9. 熱移動操作(3)[25-27]:放射伝熱について学ぶ。 放射および対流の複合伝熱の基礎式を説明できる。
12週 9. 熱移動操作(3)[25-27]:放射伝熱について学ぶ。 放射および対流の複合伝熱の基礎式を説明できる。
13週 .熱移動操作(4)[28-30]:蒸発装置の物質収支,熱収支について学ぶ。 蒸発缶の物質収支と熱収支を理解できる。
14週 .熱移動操作(4)[28-30]:蒸発装置の物質収支,熱収支について学ぶ。 蒸発缶の加熱面積,飽和水蒸気量の算出方法を理解できる。
15週 .熱移動操作(4)[28-30]:蒸発装置の物質収支,熱収支について学ぶ。 蒸発装置の種類と構造を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。2前1,前2,前3
物質の流れと物質収支についての計算ができる。3
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。3
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。3
流れの物質収支の計算ができる。3
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。3
流体輸送の動力の計算ができる。3
熱交換器の構造、熱収支について説明できる。2
熱伝導による熱流量について説明できる。3
熱交換器内の熱流量について説明できる。3
放射伝熱について説明できる。3
蒸発装置について説明できる。3
蒸発缶の物質収支と熱収支の計算ができる。3

評価割合

試験小テストグループ演習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合502525000100
基礎的能力30252500080
専門的能力200000020
分野横断的能力0000000