電子制御工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子制御工学実験Ⅰ
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 配布テキスト
担当教員 黒山 喬允,小木曽 里樹

到達目標

以下の各項目を到達目標とする.
① 実験を通して,回路の製作・組立,測定機器の取り扱い方,測定方法,電子部品や回路全体の特性に関する基礎的な知識と技術を身につける
② 実験を通して共同作業に不可欠なコミュニケーション能力や難題に対する問題解決能力を養う
③ 実技試験を通して,回路組立,測定機器の取り扱い方,測定方法,特性に関する習熟度を把握する
④ レポートを通して,測定したデータの処理方法,結果の分析能力を身に付け,考察力と表現力を養う
⑤ 一人で回路図通りの回路を組み,信号発生機器(電源やFG)や信号測定機器(テスタやオシロ)を用いて,素子の特性を把握する
⑥ 実験の手順やわかりやすいレポートの作成法を身につける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1電子部品や回路の特性に関する基礎的な知識を活用できる.電子部品や回路に関する知識に基づいて実験結果を説明できる.電子部品や回路に関する知識に基づいて実験結果を説明できない.
2良く整理された信頼性の高い回路を実装することができる.回路図通りの回路を実装することができる.回路図通りの回路を実装することができない.
3計測器等を素早く適切な状態で用いることができる.計測器等を適切な状態で用いることができる.計測器等を適切な状態で用いることができない.
4図表等を工夫しわかりやすいレポートを書くことができる.適切な体裁のレポートを書くことができる.適切な体裁のレポートを書くことができない.
5処理した実験結果を考察し,問題等を解決出来る.処理した実験結果を考察し,現象を理解することができる.処理した実験結果から現象を理解できない.
6測定したデータを適切に処理し,理論に基づいて結果を分析できる.測定したデータを適切に処理できる.測定したデータを適切に処理できない.
7共同実験者や教員とコミュニケーションをとり実験を進め,議論することができる.共同実験者や教員とコミュニケーションをとり実験を進めることができる.共同実験者や教員とコミュニケーションをとることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまでに座学で学んできた理論や法則を実験検証する.理論と実験の違いを認識し,原因追求のための思考力や問題解決力を身に付ける.以下に具体的な学習・教育目標を示す.
授業の進め方・方法:
授業の基本的な流れは,実験,実技試験またはレポート提出の順である.いずれの実験テーマも必ず予習してくること.

英語導入計画:Technical terms
注意点:
実験に関連する分野は,2年のディジタル回路,3年の電気回路,電子回路である.実験日には,関数電卓や該当テーマに関する教科書の持参を勧める.またノートパソコンを持参すると効率よく実験を遂行できる.
学習・教育目標:(B-1)58%,(C-1)23%,(D-3 計測・制御系)14%,(E)5%
別表1対応

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 レポート執筆要領 1
(ALレベルC)
実験レポートの目的,理論を記述できる.また,実験方法の説明に用いる図を作成できる.
2週 レポート執筆要領 2
(ALレベルC)
実験レポートの実験方法,実験結果,考察,まとめ,参考文献を記述できる.また,実験結果のグラフを作成できる.
3週 レポート執筆要領 3
(ALレベルB)
他者の書いたレポートを添削し,評価できる.
4週 レポート執筆要領 4
(ALレベルB)
他者からの添削結果をもとに,レポートを修正できる.
5週 模擬実験I トランジスタの特性解析 1
(ALレベルC)
実験に関する理論を自学し,説明することができる.
6週 模擬実験I トランジスタの特性解析 2
(ALレベルC)
電子回路シミュレータ等を用いる実験を行い,結果を得ることができる.
7週 模擬実験I トランジスタの特性解析 4
(ALレベルC)
実験結果を表現するために適切な図表を作成できる.
8週 模擬実験I トランジスタの特性解析 4
(ALレベルC)
得られた実験結果をもとに考察することができる.
2ndQ
9週 レポート執筆要領 5
(ALレベルB)
10週 模擬実験II トランジスタ増幅回路の直流特性 1
(ALレベルB)
電子回路シミュレータ等を用いる実験を行い,結果を得ることができる.
11週 模擬実験II トランジスタ増幅回路の直流特性 2
(ALレベルB)
電子回路シミュレータ等を用いる実験を行い,結果を得ることができる.
12週 模擬実験II トランジスタ増幅回路の直流特性 3
(ALレベルB)
電子回路シミュレータ等を用いる実験を行い,結果を得ることができる.
13週 レポート執筆要領 6
(ALレベルB)
他者との議論に基づき,レポートを改善できる.
14週 模擬実験III トランジスタ増幅回路の交流特性 電子回路シミュレータ等を用いる実験を行い,結果を得ることができる.
15週 前期のまとめ
16週
後期
3rdQ
1週 実験のガイダンス
(ALレベルB)
実験の進め方を理解し実験室を利用することができる.
2週 計測器の使用法 1
(ALレベルB)
計測器を安全に取り扱うことができる.
3週 計測器の使用法 2
(ALレベルB)
計測器を用いて正しく測定を行うことができる.
4週 回路理論の基礎 1
オーム・キルヒホッフの法則
(ALレベルB)
オーム・キルヒホッフの法則を用いて回路の計算ができる.
5週 回路理論の基礎 1
テブナンの定理と重ね合わせの理
(ALレベルB)
テブナンの定理を用いて回路の計算ができる.
6週 抵抗・コンデンサ・インダクタの特性 1
充放電特性
(ALレベルB)
抵抗・コンデンサ・インダクタの特性を定量的に説明できる.
7週 抵抗・コンデンサ・インダクタの特性 2
周波数特性
(ALレベルB)
抵抗・コンデンサ・インダクタの特性を定量的に説明できる.
8週 トランジスタ回路 1
トランジスタの特性
(ALレベルB)
トランジスタの特性を説明できる.
4thQ
9週 トランジスタ回路 2
エミッタ接地増幅回路
(ALレベルB)
トランジスタを用いて増幅回路を実装できる.
10週 トランジスタ回路 3
まとめ
(ALレベルB)
トランジスタによる増幅作用を理解し,エミッタ接地増幅回路を設計することができる.
11週 オペアンプ 1
増幅回路
(ALレベルB)
オペアンプを用いて非反転増幅回路を実装できる.
12週 オペアンプ 2
増幅回路
(ALレベルB)
オペアンプを用いて反転回路を実装できる.
13週 オペアンプ 3
増幅回路
(ALレベルB)
オペアンプを用いる反転増幅回路、非反転増幅回路の動作と理想オペアンプとの違いを考察できる.
14週 実技試験 定められた回路を時間内にブレッドボード状に実装し,動作させることができる.
15週 まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験実験報告書を決められた形式で作成できる。3前4
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前2,前3,前15
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前7,前9,前12,前14,後3,後5,後15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前7,前9,前12,前14,後3,後5,後15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前7,前9,前12,前14,後3,後5,後15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前7,前9,前12,前14,後3,後5,後15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前2,前6,前8,前10,前11,前13,後1,後2,後4,後6
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前2,前6,前8,前10,前11,前13,後1,後2,後4,後6
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前4,前7,前9,前12,前14,後3,後5,後15
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前2
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3前2
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。1前2
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前1
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3前6
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3前6
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。2前6

評価割合

レポート・課題合計
総合評価割合100100
評価100100