到達目標
1 生命倫理の諸問題を説明することができる。
2 現代社会におけるスピリチュアリティに関する役割を説明することができる。
3 臨床心理学の役割について説明できる。
4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 生命倫理の諸問題を説明することができる。 | 生命倫理の諸問題を理解することができる。 | 生命倫理の諸問題を理解できない。 |
評価項目2 | 現代社会におけるスピリチュアリティに関する役割を説明することができる。 | 現代社会におけるスピリチュアリティに関する役割を理解できる。 | 現代社会におけるスピリチュアリティに関する役割を理解できない。 |
評価項目3 | 臨床心理学の役割について説明できる。 | 臨床心理学の役割について理解できる。 | 臨床心理学の役割について理解できない。 |
評価項目4 | 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。 | 現代の解決困難な哲学的諸問題を理解することができる。 | 現代の解決困難な哲学的諸問題を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 (E)
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学習・教育到達度目標 (F)
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教育方法等
概要:
【授業目的】 本講義では,根本テーマとして「癒し」を考察する。それによって,日常生活に存在する矛盾,理不尽から,「いのち」の根元につきまとう「喪失」の苦悩にいたるまで,人間生活全般に及ぶ「cura animarum(魂への配慮,魂の救済,司牧,牧会)」を問うことが可能となる。
【Course Objectives】 In this course, we consider "healing" as a fundamental theme on human nature. The aim is to understand "a cure of souls(Seelsorge)" ranging from unreasonablenesses or contradictions in our daily life to the fundamental question of "loss" in life itself.
授業の進め方・方法:
【授業方法】 配布する資料・レジュメに沿って説明する。時事ニュースや日常の出来事に関連づけるべく,現代社会で発生している諸事象・諸問題の時代背景や「近代」を批判する現代思想を説明・解説する。学生諸君の方でも,日々の生活見つめ直し,抱いた疑問を授業にフィードバックさせてほしい。
【学習方法】 1.授業のはじめに,前回の授業内容とその日の学習事項・ポイントを確認する。 2.「自己理解」に役立つよう,様々な問題を自分に引きつけて自らの問題として考え講義を受ける。 3.学生各人は,質問に積極的に答えるとともに,自ら積極的に質問し,授業に主体的に参加するように努める。
注意点:
【定期試験の実施方法】 前期末,後期末2回の試験を実施する。時間は50分とする。持ち込みは(電子機器類以外は)前期末は可とする(後期末は持ち込み不可)。
【成績の評価方法・評価基準】 定期試験の成績(60%)と小論文(40%)で評価する。小論文は,前・後期それぞれ,前期中間前,冬休み明けに提出する。 なお,成績の評価基準は,到達目標の各項目について「ルーブリック」に示している。
【履修上の注意】 新聞,テレビなど,常に時事ニュースに関心をもち情報リテラシーを鍛える。
【学生へのメッセージ】 人間精神を巡る科学の展開は錯綜した歴史をもっている。学としての心理学も脳科学もけっして長い歴史をもつわけではない。しかし,現代において,ゲーム的気張らしから深刻な生の意味の喪失や異常にみえる犯罪にいたるまで,幅広い領域で心理学も脳科学も話題にのぼることが多くなった。その勢力範囲の拡大はとどまるところを知らないかのようである。他方,伝統宗教が,文化遺産,観光,法要の一端としてではなく,生誕から死に至るまで,人間生活全般に関わることは少なくなった。各地域の寺社が,その土地,土地の文化共同体の中心であったことは,遠い昔の物語でしかない。本講義で,「癒し」の考察によって,宗教と心理(学)の根元的な相互内在的関係,(文化流行とは区別された)「スピリチュアリティ(霊性)」の意味を考え,伝統宗教衰退と心理学や脳科学流行の背景に,何があるかを探りたい。社会学的,歴史的背景にまで及ぶ幅広い領域を考察するが,つねに自分を取り巻く身近な心理現象と無関係ではないことを念頭に置き,自分自身の身に引きつけて,自分自身の問題として考えていってもらえれば,興味は尽きることはないはずである。
【教員の連絡先】 研究室 B棟3階(B-307) 内線電話 8909
e-mail: tarutaniアットマークmaizuru-ct.ac.jp (アットマークは@に変えること。)
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
シラバス内容の説明,現代の時代状況 ①「身体性」の喪失(BMI, VR, AR, enhancement) |
1 生命倫理の諸問題を説明することができる。 4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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2週 |
②地域社会の衰弱 ③「家族の崩壊?」 ④環境倫理 |
4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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3週 |
⑤生命倫理 a)成立の背景 |
1 生命倫理の諸問題を説明することができる。 4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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4週 |
b)生殖補助医療,脳死臓器移植,安楽死・尊厳(?)死 |
1 生命倫理の諸問題を説明することができる。 2 現代社会におけるスピリチュアリティに関する役割を説明することができる。 4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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5週 |
c)enhancement(新たな優生思想?) |
1 生命倫理の諸問題を説明することができる。 4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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6週 |
d)優生保護法,不妊手術 |
1 生命倫理の諸問題を説明することができる。
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7週 |
現代の「精神」を巡る「知」の動向 ①「科学的(?)」精神研究 |
1 生命倫理の諸問題を説明することができる。 4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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8週 |
後期中間試験(小論文提出:修正後,最終〆切は冬休み明け) |
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4thQ |
9週 |
②代替療法 ③プラシーボ効果 ④心理療法 |
1 生命倫理の諸問題を説明することができる。 3 臨床心理学の役割について説明できる。 4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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10週 |
心理療法における「癒し」の実際 ①不登校の事例 ②「癒し」の社会的側面の確認 |
3 臨床心理学の役割について説明できる。
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11週 |
③トリックスター(神話的類型) ④死と実存思想 ⑤現代社会における神話と儀式 ⑥「癒し」と「宗教」 |
2 現代社会におけるスピリチュアリティに関する役割を説明することができる。 3 臨床心理学の役割について説明できる。 4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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12週 |
「たましいのトリックスター性」(ユング) の問題:変性意識状態と「平等に漂う注意」(フロイト) |
2 現代社会におけるスピリチュアリティに関する役割を説明することができる。 3 臨床心理学の役割について説明できる。 4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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13週 |
ソシュールと仏教1 |
2 現代社会におけるスピリチュアリティに関する役割を説明することができる。 4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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14週 |
ソシュールと仏教2 |
2 現代社会におけるスピリチュアリティに関する役割を説明することができる。 4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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15週 |
「病める人を中心とした場」としての「癒し」:マインド・コントロールと「開け」としての変性意識状態 |
2 現代社会におけるスピリチュアリティに関する役割を説明することができる。 3 臨床心理学の役割について説明できる。 4 現代の解決困難な哲学的諸問題を説明することができる。
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16週 |
後期期末試験 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 1 | |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 1 | 前1 |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 1 | 前3,前4,前7,前9,前10,後1 |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 1 | 前4 |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 1 | |
情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。 | 1 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 40 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |