国語I

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 国語I
科目番号 B1011 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 参考書:「課題研究メソッド」(啓林館)、「トータルサポート新国語便覧」(大修館書店) 問題集:「国語必携パーフェクト演習 三訂版」(尚文出版)、「漢字検定準2級〔頻出度順〕問題集」(高橋書店)
担当教員 佐藤 元紀,翁長 志保子

到達目標

1.アウトプット:思考した結果を他者に分かりやすく伝え、議論することができる。また、論理的に文章を構成し、適切な言葉を用いて自らの考えを説明できる。
①専門とする分野を含んで広く日本語を対象に、より高度な理解と柔軟な発想・思考を踏まえ、豊かな口頭表現を含む効果的なコミュニケーションを主体的に行える。
②論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
③根拠にもとづいて議論し、新たな発想や他者の視点の理解に努め、集団としての思いや考えをまとめることができる。
④情報を収集して分析整理し、構成を工夫して報告・論文を作成し、口頭発表できる。
⑤専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。

2.インプット:言葉の知識(語句・漢字を理解する)を増やし、文章表現のなかで正しく使うことができる。
①常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。
②類義語・対義語を思考や表現に活用できる。
③社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1思考した内容を分かりやすい言葉で発信し、議論した内容を的確にまとめることができる。思考した内容を発信し、議論することができる。思考した内容を発信できず、議論することもできない。
評価項目2漢字、語句を理解し、自らの文章表現のなかで積極的に使うことができる。漢字、語句を理解し、文章表現のなかで正しく使うことができる。漢字、語句の理解が十分でなく、文章表現のなかで正しく使うことができていない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
①文章を論理的に把握し、それをもとに思考した内容を自らの言葉で説明でき、他者の意見を踏まえた上で議論できるようになる。
②グループでプレゼンテーションの準備を行い、他者に伝わる効果的なプレゼンテーションを行うことができるようになる。
③語彙を増やし、言語感覚を磨くことによって、論理的思考力と豊かな感受性を身につける。
授業の進め方・方法:
①”考える”トレーニング、”伝える”トレーニングの場として国語の授業を展開する。
②テキストおよび配布物をもとにした問題発見・議論・発表などを相互に理解を深めるグループワーク形式にて実施する。補足事項を確認するための講義も適宜行う。
③グループワークによる問題演習やプレゼンテーショントレーニング、ビブリオバトルを並行して実施する。なお、プレゼンテーショントレーニングに関しては、社会科科目と連携して行う。
④グループワーク時のデータ共有は学校で配布されたgoogleアカウントを利用してgoogledrive上で行うことを原則とする。
*前期の遠隔授業では、GoogleClassroomを利用し、課題提出はGoogleFormsを利用することを原則とする。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
①試験の成績を60%、グループワークや発表の取組状況等を30%(相互評価を含む)、平素の学習状況等(課題の提出・成果物・小テスト等)を10%の割合で総合的に評価する。
②技術者が身につけるべき専門基礎として、モデルコアカリキュラムに準拠した「到達目標」の達成度を評価する。 
③通年科目における学年末の評価は、前学期中間、前学期末、後学期中間の各期間の評価の平均とする。
【事前・事後学習】
①試験毎に範囲が定められた「漢字検定準2級〔頻出度順〕問題集」を各自で進めること。
②グループワークの際のアイデア出し、資料調査・作成作業等は授業外でもグループで調整して実施すること。
【履修上の注意】
①前期90分×2コマ/週、後期90分×1コマ/週で授業を実施する。
②インターネット上で必要な情報を得る際には情報を受信する側としてのリテラシーを持ち、googledrive上でのデータ共有時にはセキュリティに十分に気を付けること。
*5/1からの遠隔授業実施に伴い、前期授業計画・後期授業計画を修正した。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入:授業方法、シラバス等の確認
メールの書き方
授業の年間計画を理解し、何を学ぶか理解することができる
メールの書式を理解し、適切なメールを送ることができる
2週 1年生研修の準備①
図書館オリエンテーリング
キャリアビジョンを思い描きながら、希望するコースを選択することができる
高知高専図書館の利用方法について説明することができる
3週 1年生研修の準備②
(1)自分を知ろう
企業が求める人物像を理解し、説明することができる
自己を分析した結果を、他者とのコミュニケーションに取り入れることができる
4週 1年生研修の準備③
(2)自分を紹介するコツ
大学が求める学生像を理解し、説明することができる
自己を”話す”/”書く”ことを通じて、他者とのコミュニケーションを円滑に行う準備ができる
5週 これまでの振り返り
国語の勉強の仕方
これまでの学習内容を十分に理解し、説明できる
国語の勉強方法を理解し、日常の予習・復習に取り入れることができる
6週 ビブリオバトルの説明
1年生研修の準備④
ビブリオバトルのルールについて説明することができる
キャリアビジョンを実現するためのロードマップを描くことができる
7週 ビブリオバトルで使う本の選定と読み込み
(2)コミュニケーションスキルを身に着けよう(積極的傾聴法)
自らが伝えたい内容をまとめながら、本を読むことができる
”聴く”技術を身に付け、要点を整理しながら話を”聴く”ことができる
8週 ビブリオバトルの話のコツ
ミニ・ビブリオバトルの原稿を作る(ミニ・ビブリオバトル実践の代替処置)
読書の感想をもとに、話を構成することができる
構成した話題を文章化することができる
2ndQ
9週 プレゼンテーション実践①:高知県の課題を見つける(身近な人に高知県の課題についてインタビューをする)
プレゼンテーション実践②:高知県の課題を見つける(県のホームページ等から高知県が直面する課題を調べ、2つ選ぶ)
地域の課題を収集し、自らの言葉で説明することができる
地域の課題を調査し、それに関する情報を提示することができる。
10週 プレゼンテーション実践③:高知県の課題をまとめる1 インタビュー結果を文章にまとめることができる
11週 プレゼンテーション実践④:高知県の課題をまとめる2 調査結果をデータを踏まえながら文章化することができる
12週 プレゼンテーション実践⑤:課題解決に使える技術を見つける 地域の課題を解決できる技術を2つ提示することができる
13週 プレゼンテーション実践⑥:課題解決に使える技術をまとめる1 地域の課題を解決できる技術について指定された文字数で文章化できる
14週 プレゼンテーション実践⑦:課題解決に使える技術をまとめる2 地域の課題を解決できる技術について指定された文字数で文章化できる
15週 遠隔授業のメリット/デメリットを考える
学生の立場で考える「理想の遠隔授業」を考案し、レポート報告する
マインドマップを用いて、遠隔授業を受講して分かったことを導き出すことができる
受講者としての意見を客観的な文章で示すことができる
16週
後期
3rdQ
1週 文章の書き方トレーニング①:書き方のルール、話し言葉から書き言葉へ
原稿用紙の使い方、縦書き・横書きの書式について説明できる
話し言葉から書き言葉に改めることができる
2週 文章の書き方トレーニング②:文を短く切る 一文が長い文章を適切な個所で切り、分けることができる
一文一要素について理解し、文章を書くことができる
3週 文章の書き方トレーニング③:型を使って書く 文章表現の型について理解し、その型を用いて指示されたテーマで文章を書くことができる
4週 文章の書き方トレーニング④:理由を書く 理由の見つけ方に関して説明することができる
主張を支える理由・根拠を明らかにして、論理的に構成された文章を書くことができる
5週 文章の書き方トレーニング⑤:理由を肉付けする 発見した理由を具体例を交えながら肉付けし、読み手を説得することができる文章として整えることができる
6週 文章の書き方トレーニング⑥:三段構成 論理的文章を書くための三段構成について説明することができる
三段構成に従って、テーマに沿って論理的に構成された文章を書くことができる
7週 文章理解:論理的文章の構成を理解して読み、論旨を掴む 文章の書き方トレーニングで学んだ論理的文章の構成を意識しながら読解し、文章の主旨と根拠を掴んで理解することができる
8週 ディベートガイダンス:ディベートの基礎知識について学ぶ ディベートのルールや実施方法について説明することができる
*2020年度はテキストベースでディベートを作成する
4thQ
9週 ディベート準備①:テーマ決定、スケジューリング リンクマップを作成しながら選択したテーマに関する理解を深めることができる
10週 ディベート準備②:根拠の調査 選択したテーマに関して、メリット・デメリットの裏付けとなる根拠を挙げ、その理由の根拠となる資料を探すことができる
11週 ディベート準備③:立論の構成 立場に従い、聴衆を納得できる立論の構成を考えることができる
12週 ディベート実践①:立論の作成 集めたデータ等で主張を補強しながら、構成に基づいて論理的かつ説得力のある立論を作成することができる
13週 ディベート実践②:想定問答、最終弁論の作成 反対尋問・反駁の想定問答を作成し、それを踏まえて最終弁論をまとめることができる
14週 ディベート実践③:相互評価 他者のディベート内容を読み、評価の観点に従って相互評価することができる
15週 履歴書の書き方
履歴書に関する基礎知識を身に付け、当該年度の履歴書を作成することができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3後6,後7
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前8,後6,後7
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3前6,前7,前8,後9
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前8,前10,前11,前13,前14,前15,後1,後15
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3前8,前10,前11,前13,前14,前15,後1,後15
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3前8,前10,前11,前13,前14,前15,後1,後15
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,後2,後3,後4,後12,後13,後14
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3前1,前5,後15
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前12,後8,後10
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前12,前15,後8,後10,後11
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3前7,前8,前9,前10,前11,前13,前14,前15,後1,後12
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前8,後2,後3,後4,後13,後14
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前6,前15,後2,後3,後4,後13,後14
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3前6,前8,後5,後6,後7,後9,後12,後13,後14
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前7,前8,前9,前10,前11,前13,前14,前15,後1,後5,後9,後13,後14
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前2,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後9,後11

評価割合

試験発表相互評価提出物・小テスト等合計
総合評価割合60201010100
基礎的能力5010101080
専門的能力550010
分野横断的能力550010