物理I

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物理I
科目番号 B1014 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高等学校検定済教科書 「高等学校 物理基礎」(第一学習社)「高等学校 物理」(第一学習社)
問題集:「2023新課程版 セミナー 物理基礎+物理」(第一学習社)、スタディサプリ(リクルート)
担当教員 長門 研吉,横山 有太,中司 桂輔

到達目標

1. 物体の運動:速度、加速度の意味を理解し、等加速度直線運動をする物体の運動を計算によって調べることができる。
2. 力のはたらきとつりあい:物体に作用する様々な力を理解し、力のつり合いの式を立てることができる。
3. 運動の法則:運動の3法則を理解し、運動方程式を立てて様々な物体の運動の計算に利用できる。
4. 仕事と力学的エネルギー:力学的エネルギー保存の法則を理解し、様々な物体の運動の計算に利用できる。
5. 平面運動と放物運動:物体の平面運動を理解し、放物運動をする物体の運動を計算によって調べることができる。
6. 運動量の保存:運動量と力積の関係および運動量保存の法則を理解し、様々な物理量の計算に利用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1速度、加速度に関して体系立った知識を習得し、等加速度直線運動をする物体の運動を計算によって詳しく調べることができる。速度、加速度の意味を理解し、等加速度直線運動をする物体の運動を計算によって調べることができる。速度、加速度に関して知識の習得が十分でなく、等加速度直線運動をする物体の運動を計算によって調べることができない。
評価項目2物体に作用する様々な力や力のつり合い式に関して体系立った知識を習得し、具体的な問題に応用して計算することができる。物体に作用する様々な力を理解し、力のつり合いの式を立てることができる。物体に作用する様々な力に関して知識の習得が十分でなく、力のつり合いの式を立てることができない。
評価項目3運動の3法則に関して体系立った知識を習得し、運動方程式を立てて複雑な物体の運動の計算に利用できる。運動の3法則を理解し、運動方程式を立てて様々な物体の運動の計算に利用できる。運動の3法則に関して知識の習得が十分でなく、運動方程式を立てて様々な物体の運動の計算に利用することができない。
評価項目4力学的エネルギー保存の法則に関して体系立った知識を習得し、複雑な物体の運動の計算に利用できる。力学的エネルギー保存の法則を理解し、様々な物体の運動の計算に利用できる。力学的エネルギー保存の法則に関して知識の習得が十分でなく、様々な物体の運動の計算に利用することができない。
評価項目5物体の平面運動に関して体系立った知識を習得し、放物運動をする物体の運動を計算によって調べることができる。物体の平面運動を理解し、放物運動をする物体の基礎的な運動を計算によって調べることができる。物体の平面運動に関して知識の習得が十分でなく、放物運動をする物体の運動を計算によって調べることができない。
評価項目6運動量と力積の関係および運動量保存の法則に関して体系立った知識を習得し、様々な物理量の計算に利用できる。運動量と力積の関係および運動量保存の法則を理解し、基礎的な物理量の計算に利用できる。運動量と力積の関係および運動量保存の法則に関して知識の習得が十分でなく、基礎的な物理量の計算に利用することができない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
工学の基礎となる力学的なものの見方・考え方を学び、物理の基礎的な概念と問題解決法を学ぶ。法則を系統的に理解して種々の問題に応用するという物理の典型的な学習法を身につける。
授業の進め方・方法:
・講義による解説50 %、問題演習50 %の割合で進める。
・前期の途中から習熟度によるグループ分けを行い、習熟度別授業を取り入れる。
・講義では、前回授業の振り返りから始め、学習内容の説明や例題の解説を板書やスライド等を用いて行う。なお、授業内容をまとめたスライドや授業ノート、演習問題等の資料はweb上で配信する。
・問題演習では、教科書の問や問題集の問題、演習問題プリント等を各自で解答することで知識の定着を図る。感染予防対策を行ったうえでグループ学習を取り入れ、学生同士で教えあいを行うことで、主体的な学びになるように努める。
・予習→授業→復習を繰り返し行うことで、教科書や問題集の基本(標準)レベルの問題を自力で解答できるレベルを合格ラインとする。
・質問は、授業時やオフィスアワーなどに適宜受け付ける。わからないところはそのまま放置せず、その都度理解するように努めること。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
・定期試験の成績を60%、平素の学習状況等(提出物・小テスト・実力テスト等)を40%の割合で総合的に評価することを原則とする。前学期の評価は前学期中間・前学期末の各期間の総合評価、後学期中間の評価は前学期中間・前学期末・後学期中間の各期間の総合評価、学年の評価は前学期中間・前学期末・後学期中間・後学期期末の各期間の総合評価とする。
・技術者が身につけるべき一般基礎として、上記の到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
 ※ただし、遠隔授業の実施状況等により、定期試験の回数などが変更になることがある。
【事前・事後学習】
・事前学習として、教科書や授業資料(スライド、授業ノート等)やスタディサプリの該当部分を読んだ上で、理解が難しかった部分をまとめて授業に臨むこと。
・事後学習として、授業内で出てきた公式等を再確認し、取り組んだ演習問題を独力で解けるようにすること。また、スタディサプリを活用し、問題演習や理解が不十分な個所の動画等を閲覧し、知識の定着を図ること。
・わからない問題については学生同士で教えあったり、担当教員へ質問したりすること。
【履修上の注意】
・授業内容が十分に理解できなかった学生や、演習問題を自力で解けなかった学生は、「物理演習Ⅰ」に参加して弱点を克服するとともに、自学自習できる力を養うこと。
・この科目を履修する際に、併行して履修する、基礎数学ⅠAB、基礎数学ⅡABの内容を十分に理解することが期待されている。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス:シラバスの説明を行う
【物理基礎】
序章 物理量の測定と扱い方
物理量の表し方や測定方法について理解し、測定値の有効数字を考慮した計算ができる。
2週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第1節 物体の運動
①速度(1)
平均の速さと瞬間の速さ、等速直線運動、位置と変位について説明できる。
3週 第3週
【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第1節 物体の運動
①速度(2)
平均の速度と瞬間の速度、直線上の速度の合成、相対速度について理解し、計算ができる。
4週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第1節 物体の運動
②加速度(1)
加速度について理解し、等加速度直線運動について説明できる。
5週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第1節 物体の運動
②加速度(2)
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。
6週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第1節 物体の運動
③落下運動
等加速度直線運動の公式を用いて、落下運動(自由落下・鉛直投射)する物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。
7週 総合演習① これまでの学習内容に関する標準レベルの問題が自力で解ける。
8週 前期中間試験 前期第1週~第7週の学習内容について試験を行い、到達度を判定する。
2ndQ
9週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第2節 力と運動の法則
①さまざまな力
力の表し方、単位、種類について説明できる。
10週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第2節 力と運動の法則
②力の合成・分解とつりあい(1)
力の合成と分解を理解し、三角比を用いて表すことができる。
力のつり合いの式を立て、計算することができる。
11週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第2節 力と運動の法則
②力の合成・分解とつりあい(2)
③運動の3法則(1)
作用・反作用の法則を説明できる。
つりあう2力と作用・反作用の2力の違いを説明できる。
慣性の法則、運動の法則を説明できる。
12週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第2節 力と運動の法則
③運動の3法則(2)
④運動方程式の利用(1)
運動方程式を説明できる。
直線上を運動する物体の運動方程式を立てて解くことができる。
13週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第2節 力と運動の法則
④運動方程式の利用(2)
⑤摩擦力を受ける運動
互いに力を及ぼしあう物体の運動について、運動方程式を立てて解くことができる。
物体にはたらく静止摩擦力および最大摩擦力、動摩擦力について説明・計算ができる。
14週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第2節 力と運動の法則
⑥液体や気体から受ける力
圧力、水圧、浮力について理解し、具体的な計算ができる。
空気抵抗を受ける運動について説明できる。
15週 総合演習② これまでの学習内容に関する標準レベルの問題が自力で解ける。
16週
後期
3rdQ
1週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第3節 仕事と力学的エネルギー
①仕事と仕事率
仕事、仕事の原理および仕事率について説明・計算ができる。
2週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第3節 仕事と力学的エネルギー
②運動エネルギー
物体のエネルギーと運動エネルギーについて説明・計算ができる。
運動エネルギーの変化と仕事の関係を用いて計算ができる。
3週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第3節 仕事と力学的エネルギー
③位置エネルギー
重力による位置エネルギーおよび弾性力による位置エネルギーについて説明・計算ができる。
位置エネルギーと保存力の関係について説明できる。
4週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第3節 仕事と力学的エネルギー
④力学的エネルギー(1)
力学的エネルギー保存則について理解し、落下運動と振り子の運動、ばねの振動の計算に利用できる。
5週 【物理基礎】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第3節 仕事と力学的エネルギー
④力学的エネルギー(2)
保存力以外の力がする仕事と力学的エネルギーの関係を用いて計算ができる。
6週 【物理】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第1節 平面運動と放物運動
①平面運動(1)
平面運動する物体の位置と変位、速度および速度の合成・分解について説明・計算ができる。
7週 総合演習③ これまでの学習内容に関する標準レベルの問題が自力で解ける。
8週 後期中間試験 後期第1週~第7週の学習内容について試験を行い、到達度を判定する。
4thQ
9週 【物理】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第1節 平面運動と放物運動
①平面運動(2)
平面運動する物体の相対速度、加速度について説明・計算ができる。
10週 【物理】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第1節 平面運動と放物運動
②放物運動(1)
自由落下、鉛直投射および水平投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。
11週 【物理】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第1節 平面運動と放物運動
②放物運動(2)
斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。
放物運動を運動方程式から考えることができる。
空気抵抗がある場合の運動について説明できる。
12週 【物理】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第3節 運動量の保存
①運動量と力積
運動量について説明・計算ができる。
運動量の変化と力積の関係について説明・計算ができる。
13週 【物理】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第3節 運動量の保存
②運動量保存の法則
運動量保存の法則について説明できる。
運動量保存の法則を用いて、物体の衝突・分裂に関する計算ができる。
14週 【物理】
第Ⅰ章 運動とエネルギー
第3節 運動量の保存
③反発係数
反発係数について説明できる。
反発係数を用いて、衝突問題を解くことができる。
15週 総合演習④ これまでの学習内容に関する標準レベルの問題が自力で解ける。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前3,前4,後6
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前3,後6,後9
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前4,前5
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3後6
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前3,前4,後6,後9
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前6,後10
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3後10,後11
物体に作用する力を図示することができる。3前9
力の合成と分解をすることができる。3前10
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前9,前14
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前9
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前10
慣性の法則について説明できる。3前11
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前11
運動方程式を用いた計算ができる。3前12,前13
運動の法則について説明できる。3前11
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前13
最大摩擦力に関する計算ができる。3前13
動摩擦力に関する計算ができる。3前13
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後1
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後2
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後4,後5
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3後12,後13,後14
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3後12,後13
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後13,後14

評価割合

試験演習課題・小テスト等合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100
専門的能力000
分野横断的能力000