社会科学Ⅱ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 社会科学Ⅱ
科目番号 B3005 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書『明解 世界史A』(帝国書院)、 資料集『最新世界史図説 タペストリー』(帝国書院)
担当教員 松浦 真衣子

到達目標

国際社会における技術者のあり方を考える。諸外国の政治・文化・慣習などを尊重し、国際社会と地域の結びつきを前提に、あらゆる立場の人々を豊かにする技術・制度とは何かを考えていく。
最終的には共生社会実現に役立つ技術・制度を具体的に構想していく。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1外国の歴史・文化・慣習などを理解し、共生社会とは何か考えることができる諸外国の歴史・文化・慣習などを理解できる外国の歴史・文化・慣習などを理解できない
評価項目2国際社会で求められる技術とは何かを考え、具体的な構想を提示することができる国際社会で求められる技術とは何かを考えることができる。国際社会で求められる技術とは何かを考えることができない
評価項目3何様々な地域の課題を理解し、あらゆる立場の人々を幸せに出来る技術とは何かを具体的に考えることができる様々な地域の課題を理解できる様々な地域の課題を理解できない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
グローバル化していく国際社会の課題(先進国の人口減少/途上国の人口爆発、地域間格差、各国の働き方の違いなど)を見つけ出し、その課題を解決する技術・制度を考えていく。授業は講義とグループワークの両形式を織り交ぜて進めていく。グループワークでは学生のコミュニケーション力、積極的な発言力、柔軟な発想力を養っていく。
授業の進め方・方法:
授業の前半では3月の台湾研修に向けて、台湾を含む東アジアの歴史・文化などを学習していく。前期では講義の授業が中心となる。

授業の後半では国際経済の動向を学習する。グローバル社会の中にある日本が今後直面する課題とは何か、そしれこのような課題にどのように向き合っているかを検討していく。
なお、後期では台湾研修における国際大学学生との国際交流に向けた資料作成にも取り組む。

教科書について、前期は教科書『明解 世界史A』(帝国書院)、 資料集『最新世界史図説 タペストリー』(帝国書院)を使用する。後期は授業内で配るプリントを中心に内容を理解していく。
提出物、発表、定期テストにより成績をつけていく。
注意点:
(成績評価の基準・方法)
試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題・レポート・ノート等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。学期毎の成績評価は前期は前期期末、後期は中間と期末の評価の平均で評価する。学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,後学期中間の評価は前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

(事前・事後学習)
事前学習として普段から新聞やニュースをチェックし、現代社会の動きを確認すること。また、事前に指定した教科書の該当部分を熟読すること。
事後学習として授業内で指定した課題を提出すること。次回の授業で回答を配布するので、自ら答え合わせをし、理解している部分としていない部分を確認すること。

(履修上の注意)
社会科学Ⅱの前半は東アジア近現代史を中心として学習していく。社会科学Ⅰで学習したヨーロッパ史に関連する事項が多いので、復習しておくこと。
また、社会科学Ⅱの後半は1学年で履修した現代社会の内容に関連する事項が多い。現代社会で学習した内容も復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス
ヨーロッパ史のまとめ
前期のスケジュールを確認。
2学年で学習したフランス革命後のヨーロッパがどのように変容を遂げていくかを学習し、これから東アジア史を学んでいく上の基礎を形成することができる。
2週 ヨーロッパ史のまとめ 2学年で学習したフランス革命後のヨーロッパがどのように変容を遂げていくかを学習し、これから東アジア史を学んでいく上の基礎を形成することができる。
3週 東アジアの地理的特徴 東アジアの地理的特徴を学習し、台湾と日本は地理的にどのような部分で類似し、どのような部分で違いがあるのか考察できる。
4週 東アジア文化圏 東アジアの宗教や生活習慣などを概観し共通する文化はどのようなものか交差するつことが出来る。
5週 東アジアの古代文明 東アジアの古代文明を学習し、古代の日本が中国大陸発祥の文明からどのような影響を受けているのか考察することが出来る。
6週 これまでのまとめ 東アジアの地理・文化・古代史を考察し、東アジア文化圏とはどのような文化圏か自らの言葉で説明できる。
7週 アヘン戦争と明治維新 近代の東アジアの国際関係を歴史観点から学び、現代の中国・香港・台湾などで生じている問題の起源を自ら分析することが出来る。
8週 東アジアにおける工業化 近代の東アジアの国際関係を歴史観点から学び、現代の中国・香港・台湾などで生じている問題の起源を自ら分析することが出来る。
2ndQ
9週 東アジアをめぐる国際関係‐日清戦争 近代の東アジアの国際関係を歴史観点から学び、現代の中国・香港・台湾などで生じている問題の起源を自ら分析することが出来る。
10週 東アジアをめぐる国際関係‐義和団事件 近代の東アジアの国際関係を歴史観点から学び、現代の中国・香港・台湾などで生じている問題の起源を自ら分析することが出来る。
11週
東アジアをめぐる国際関係‐日中戦争
近代の東アジアの国際関係を歴史観点から学び、現代の中国・香港・台湾などで生じている問題の起源を自ら分析することが出来る。
12週 東アジアをめぐる国際関係‐辛亥革命 近代の東アジアの国際関係を歴史観点から学び、現代の中国・香港・台湾などで生じている問題の起源を自ら分析することが出来る。
13週 東アジアをめぐる国際関係‐第2次世界大戦の東アジア 近代の東アジアの国際関係を歴史観点から学び、現代の中国・香港・台湾などで生じている問題の起源を自ら分析することが出来る。
14週 現在の台湾と中国の関係 近代の東アジアの国際関係を歴史観点から学び、現代の中国・香港・台湾などで生じている問題の起源を自ら分析することが出来る。
15週 これまでのまとめ 近代の東アジアの歴史を概観し、今後、東アジア文化圏で協調していくために解決すべき課題とは何か、どのように解決すべきか、自ら見通しを持つことが出来る。
16週
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス 後期のスケジュールを確認。台湾研修に向けてのグループ分け。
2週 日本の企業の役割 日本における企業の役割を学習し、他国の企業と比較してどのような特徴があるか考察することが出来る。
3週
日本の企業の中小企業
日本における大企業と中小企業の違いを学習し、自らに合った企業の形態を考察することが出来る。
4週 国際経済のしくみ 国際経済に関する基礎的な知識を身につけ、保護貿易と自由貿易の違いを自らの言葉で説明できる。
5週 国際経済のしくみ 国際経済に関する基礎的な知識を身につけ、保護貿易と自由貿易の違いを自らの言葉で説明できる。
6週 国際経済の枠組み 国際経済にはどのような制度やルールがあるかを学習し、世界を平等にする貿易とはどのようなものか、自らの意見を持つことが出来る。
7週 国際経済の枠組み 国際経済にはどのような制度やルールがあるかを学習し、世界を平等にする貿易とはどのようなものか、自らの意見を持つことが出来る。
8週 これまでのまとめ 国際経済の基礎的な知識を学習し、日本が今後目指していく貿易の在り方について、自分の意見を持つことが出来る。
4thQ
9週 地域経済統合の行方 EUをはじめとする地域経済統合の現在を学び、何が課題となっているか、そして日本はその課題にどのように向き合うべきか自らの考えを持つことが出来る。
10週 地域経済統合の行方 EUをはじめとする地域経済統合の現在を学び、何が課題となっているか、そして日本はその課題にどのように向き合うべきか自らの考えを持つことが出来る。
11週 グローバル化と自由貿易協定 グローバル化や自由貿易協定が進む背景を学び、その課題を自ら見出すことが出来る。
12週 グローバル化と自由貿易協定ー知的財産について学ぶ グローバル化や自由貿易協定が進む背景を学び、その課題を自ら見出すことが出来る。特許権や実用新案権,著作権について理解できる。
13週 経済格差とその是正 経済格差や貧困解消のために必要なことは何か、自ら分析することが出来る。
14週 経済格差とその是正 経済格差や貧困解消のために必要なことは何か、自ら分析することが出来る。
15週 まとめ これまで学んだ国際社会の課題から、自らがもっとも取り組みたい課題を分析し、課題解決までの見取り図を描くことが出来る。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後13,後14,後15
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後15
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後15
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後15
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後4,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前15,後1,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前1,前2,前6,前15,後1,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3前6,前12,前15,後1,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。2前15,後1,後8,後15
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前2,前6,前15,後1,後2,後3,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

試験課題その他合計
総合評価割合600001030100
基礎的能力600001030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000