化学IB

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 化学IB
科目番号 B1003B 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD 基礎教育・一般科目 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「工業化学1」(実教出版),参考書:「フォトサイエンス化学図録」(数研出版),「ニューグローバル化学基礎」(東京書籍),「ニューグローバル化学」(東京書籍)
担当教員 秦 隆志

到達目標

①物質の状態変化と物質の三態について理解したうえで説明でき,状態変化や温度変化に対応する熱量計算ができる。分子の構造と沸点・融点の定性的関係を説明できる。
②化学結合に対応した結晶の種類が分類でき,その特性を結合特性をもとに説明できる。
③各種結晶の単位格子の構造を理解できる
④モル分率と分圧の概念を理解し,気体の各種法則と状態方程式を用いて,気体の体積,圧力,温度,物質量などを計算できる。
⑤気体の化学反応と気体の法則を関連付けて各種計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
物質の三態と状態変化項目①の内容に対して,初見の問題に関して自ら考え抜いて解くことができる。項目①に対して,授業で取り扱った問題の類題に関して理解して自ら解くことができる。項目①に対して,授業で取り扱った問題の類題に関して理解して自ら解くことができない。
化学結合と結晶構造項目②および③の内容に対して,初見の問題に関して自ら考え抜いて解くことができる。項目②および③に対して,授業で取り扱った問題の類題に関して理解して自ら解くことができる。項目②および③に対して,授業で取り扱った問題の類題に関して理解して自ら解くことができない。
気体の性質項目④および⑤の内容に対して,初見の問題に関して自ら考え抜いて解くことができる。項目④および⑤に対して,授業で取り扱った問題の類題に関して理解して自ら解くことができる。項目④および⑤に対して,授業で取り扱った問題の類題に関して理解して自ら解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
化学IBでは,化学IAの前期で学んだ内容を引き継ぎながら,物質の三態,結晶の構造と性質,気体の性質について基本的な概念や法則を理解する。さらに,一連の学習を通して,物質と我々の生活との関係について化学的な考察力を身につける。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式の他,演習を取り入れ進める。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績70%,平素の学習状況等(課題等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。評価は後学期中間と学年末の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 物質の三態と状態変化
化学結合の種類
各種状態変化(沸騰,蒸発,融解,凝固,昇華,凝華,凝縮)がどのような変化であるか説明できる。
沸点、融点,昇華点が何か説明できる。
イオン結合、共有結合、金属結合の分類について理解している。
2週 化学結合と結晶
金属結晶の構造
結晶とアモルファスの違いを説明できる
結合の種類の観点から,金属結合結晶,共有結合結晶,イオン結合結晶,分子結晶を分類でき,その性質を説明できる。
基本的な金属結晶格子について理解している。
3週 物質量計算-1 原子量,分子量,モル質量,物質量,アボガドロ定数の相互関係を理解している。
原子量から分子量を算出できる。
物質量,分子数,質量、気体の標準状態の体積の間の相互計算ができる。
4週 物質量計算-2 原子量,分子量,モル質量,物質量,アボガドロ定数の相互関係を理解している。
原子量から分子量を算出できる。
物質量,分子数,質量、気体の標準状態の体積の間の相互計算ができる。
5週 金属結晶 金属結晶の格子定数,密度,充填率等が計算できる。
6週 そのほかの結晶 各種結晶の格子定数,密度,充填率等が計算できる。
7週 第1週目から第6週目までの復習 演習を通じて第1週目~第6週目までの内容について習熟する。
8週 中間試験 中間試験を通して理解度を確かめる。
4thQ
9週 圧力の定義
物質の三態と状態変化
圧力の定義を理解できる。様々な圧力の単位を理解できる。
蒸気圧曲線と気液平衡について理解できる。
P-Tグラフ(三態曲線)について理解できる。
分子の構造と沸点,融点の関係を説明できる。
10週 物質の状態変化と熱量 状態変化には熱のやりとりがあることを理解できる。
分子のエネルギー分布と状態変化の関係を理解できる。
状態変化の熱量のやりとりを理解でき,物質量計算により算出できる。
熱容量と比熱を使って温度変化に対応する熱量計算ができる。
11週 気体の各種法則と絶対温度
理想気体の状態方程式
ボイルの法則,シャルルの法則,ボイル・シャルルの法則を用いて理想気体の圧力,温度,体積計算ができる。
理想気体の状態方程式が理解できる。
12週 理想気体の状態方程式(分子量推算,気体の密度)
モル分率と分圧の法則
理想気体の状態方程式を用いて理想気体の圧力,温度,体積計算の他,物質量計算,分子量計算ができる。
13週 分圧と蒸気圧
気体の反応と物質量計算
蒸気圧に基づく分圧計算ができる。
気体の各種法則を用いて気体の化学反応の化学量論計算ができる。
14週 実在気体 実在気体の挙動を理解でき,その原因を説明できる。
15週 第9週目から第15週目までの復習 演習を通じて第9週目~第15週目までの内容について習熟する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学化学物質を構成する分子・原子が常に熱運動していることについて説明できる。3後1,後9
水の状態変化について説明できる。3後1,後9,後10
物質の三態とその状態変化について説明できる。3後1,後9,後10
ボイル-シャルルの法則について説明でき、必要な計算ができる。3後11,後13
気体の状態方程式について説明でき、必要な計算ができる。3後11,後12,後13,後14
イオンの化学式とイオンの名称について説明できる。3後1,後2
イオン結合について説明できる。3後1,後2
イオン結晶の性質について説明できる。3後1,後2
共有結合について説明できる。3後1,後2
極性と水素結合について説明できる。3後1,後2
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3後1,後2
自由電子と金属結合について説明できる。3後1,後2,後5
金属の性質について説明できる。3後2,後5,後6,後7
原子の相対質量と原子量について説明できる。3後3,後4
物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3後3,後4
分子量・式量について説明できる。3後3,後4
気体の体積と物質量の関係について説明できる。3後3,後4
化学反応式について反応物、生成物、係数を理解し、組み立てることができる。3後13
化学反応式を用いて化学量論的な計算ができる。3後13
モル濃度について説明でき、モル濃度の計算ができる。3後3,後4
イオン化傾向について説明できる。3後1,後2
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学共有結合、イオン結合、金属結合について説明できる。3後5,後6
水素結合、配位結合、ファンデルワールス力について説明できる。3後1,後2
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3後2
金属結晶、イオン結晶、共有結晶について説明できる。3後2,後9

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000