到達目標
エンジニアとして今後必須である地球環境や生物環境に配慮した持続可能な社会を構築するために必要な、アースサイエンスの基礎知識を身に付ける。
(1) 地球の概観、内部と活動
惑星としての地球の特徴及び地球表層や内部に見られる地学的事象を理解し、地球表層や内部を相互に関連して、地球の歴史の経過の中でとらえることができる。
(2) 大気と海洋
地球の大気圏及び水圏での現象を理解し、それらが太陽放射エネルギーを原動力としていることを理解することができる。また、気象との関係を説明できる。
(3) 人間活動と地球環境の保全
人間活動と地球環境の保全について考えることができる。
(4) 太陽系と宇宙
地球が属する太陽系、天の川銀河などの階層構造、宇宙の歴史について説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 宇宙の歴史について体系立った知識を習得し、地球が太陽系における惑星の一つであること、その活動が太陽の放射エネルギーを原動力としていることを理解し、地球のエネルギー収支の計算や、具体的な気象現象との関係について体系的な説明ができる。 | 宇宙の歴史について個別の知識を習得し、地球が太陽系における惑星の一つであること、その活動が太陽の放射エネルギーを原動力としていることを理解し、地球のエネルギー収支の計算や、気象との関係を説明できる。 | 宇宙の歴史について知識の習得が十分でない。地球が太陽系における惑星の一つであること、その活動が太陽の放射エネルギーを原動力としていることの理解が十分でなく、地球のエネルギー収支の計算や、気象との関係の説明ができない。 |
評価項目2 | 惑星としての地球の特徴及び地球表層や内部に見られる地学的事象について相互に関連付けて理解し、具体的に説明できる。 | 惑星としての地球の特徴及び地球表層や内部に見られる地学的事象について個別に理解し、説明できる。 | 惑星としての地球の特徴及び地球表層や内部に見られる地学的事象についての理解が十分でない。 |
評価項目3 | 人間活動と地球環境の関係について相互に関連付けて理解し、持続可能な社会を構築するために「ものづくり」で必要となる環境への総合的な配慮について考えることができる。 | 人間活動と地球環境の関係について理解し、持続可能な社会を構築するために「ものづくり」で必要となる環境への配慮について個別に考えることができる。 | 人間活動と地球環境の関係についての理解が十分でなく、持続可能な社会を構築するために「ものづくり」で必要となる環境への配慮を考えることができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
以下の項目に関して学習し、宇宙の誕生から現在に至るまでの出来事について、アースサイエンスの基礎知識を身に付けるとともに、「ものづくり」に携わるエンジニアとして今後必須である、地球環境や生物環境に配慮した持続可能な社会を構築するために必要な配慮を考えることができるようになることを目標とする。
(1) 地球の概観、内部と活動
惑星としての地球の特徴及び地球表層や内部に見られる地学的事象を理解し、地球表層や内部を相互に関連して、地球の歴史の経過の中でとらえることができる。
(2) 大気と海洋
地球の大気圏及び水圏での現象を理解し、それらが太陽放射エネルギーを原動力としていることを理解することができる。また、気象との関係を説明できる。
(3) 人間活動と地球環境の保全
人間活動と地球環境の保全について考えることができる。
(4) 太陽系と宇宙
地球が属する太陽系、天の川銀河などの階層構造、宇宙の歴史について説明できる。
授業の進め方・方法:
・基本的に教科書に沿った内容を、スライド等を用いて解説する。授業後半では、学習した内容の理解度を確認するため、演習問題に取り組む。
・授業後には復習として、ワークブックの問題に取り組む。
・時事問題に関わる内容、および教科書に掲載されていることよりも発展した内容については、別途資料を用意して説明する。
・授業内容によってはグループ学習やレポート課題を取り入れ、学生同士で教えあいを行うことで、主体的な学びになるように努める。
・質問は、授業時やオフィスアワーなどに適宜受け付ける。わからないところはそのまま放置せず、その都度理解するように努めること。
・本授業は複数教員により行う。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
・定期試験の成績を60%、平素の学習状況等(提出物・小テスト・実力テスト等)を40%の割合で総合的に評価することを原則とする。前学期の評価は前学期中間・前学期末の各期間の総合評価とする。
・技術者が身につけるべきアースサイエンスの基礎知識として、上記の到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
・事前学習として、教科書や授業資料(スライド、授業ノート等)の該当部分を読んだ上で、理解が難しかった部分をまとめて授業に臨むこと。
・事後学習として、ワークブック等の演習問題を独力で解けるようにすること。
・わからない問題については学生同士で教えあったり、担当教員へ質問したりすること。
【履修上の注意】
・提出物等の成績に対する比率が大きいので、ワークブックやレポート課題などの提出物は提出期限内に必ず提出すること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 第1編 活動する地球 第1章 地球の構造 |
地球の大きさが測定された歴史を知り、地球の形と大きさについて説明できる。 地球の内部構造を理解し、内部には何があるか説明できる。
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2週 |
第1編 活動する地球 第2章 プレートの運動 |
プレートとは何かを理解し、プレートの運動と境界の関係や、運動に伴って起こる地殻変動について説明できる。 プレート運動の仕方について説明できる。
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3週 |
第1編 活動する地球 第3章 地震 |
地震の発生の仕組みや伝わり方について理解する。 プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。 地震災害について理解する。
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4週 |
第1編 活動する地球 第4章 火山 |
マグマの生成と火山活動を説明できる。 火成岩の特徴や分類について理解する。 火山が人間生活に与える影響を説明できる。
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5週 |
第2編 移り変わる地球 第1章 地層の形成 |
堆積作用によって形成される地形や、堆積岩の形成過程について説明できる。 土砂災害について理解する。
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6週 |
第2編 移り変わる地球 第2章 古生物の変遷と地球環境 |
化石と地質時代の区分について理解する。 生物の進化や古生物の変遷と地球環境の変化について理解する。
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7週 |
復習① |
これまでの学習内容に関する標準レベルの問題が自力で解ける。
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8週 |
中間試験 |
第1週~第7週の学習内容について試験を行い、到達度を判定する。
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2ndQ |
9週 |
試験返却・解説 第3編 大気と海洋 第1章 地球の熱収支 |
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。 地球全体の熱収支について説明できる。
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10週 |
第3編 大気と海洋 第2章 大気と海水の運動(1) |
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。
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11週 |
第3編 大気と海洋 第2章 大気と海水の運動(2) |
海水の運動を理解し、海流が生じる原因や循環の仕組みを説明できる。 日本の天気と気象災害について説明できる。
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12週 |
第4編 地球の環境 第1章 地球の環境と日本の自然環境 |
気候の自然変動と人間活動による環境変化について理解する。 地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。
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13週 |
第5編 太陽系と宇宙 第1章 太陽系と太陽(1) |
太陽系の天体について、それぞれの特徴を説明できる。 太陽の構造とエネルギー源について理解する。
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14週 |
第5編 太陽系と宇宙 第1章 太陽系と太陽(2) 第2章 宇宙の誕生(1) |
太陽系の誕生と惑星の形成過程、現在の地球の姿について説明できる。 宇宙の構造について理解する。
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15週 |
第5編 太陽系と宇宙 第2章 宇宙の誕生(2) |
宇宙の誕生と進化について理解する。
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16週 |
復習② |
これまでの学習内容に関する標準レベルの問題が自力で解ける。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | ライフサイエンス・アースサイエンス | ライフサイエンス・アースサイエンス | 太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。 | 3 | 前13,前14,前15 |
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11 |
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。 | 3 | 前5 |
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。 | 3 | 前1 |
マグマの生成と火山活動を説明できる。 | 3 | 前4 |
地震の発生と断層運動について説明できる。 | 3 | 前3 |
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。 | 3 | 前2 |
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。 | 3 | 前3 |
生物の共通性と進化の関係について説明できる。 | 3 | 前6 |
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。 | 3 | 前9 |
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。 | 3 | 前9 |
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。 | 3 | 前10 |
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。 | 3 | 前11 |
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。 | 3 | 前12 |
評価割合
| 試験 | 演習課題、授業ノート、小テスト等 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 40 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |