到達目標
1.元素を原子番号順に並べると性質が周期的に変化することを理解し,周期表の中で元素の分類ができる。
2.代表的な典型元素および遷移元素の単体や化合物の性質について理解する。
3.有機化合物の構造的な特徴を理解し,分類できる。
4.官能基の性質に基づく有機化合物の反応,有機化合物の構造解析法を理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
周期表と元素 | 周期表をよく理解し,元素の分類ができる。第4周期の遷移元素の電子配置も書ける。 | 周期表を理解し,元素の分類ができる。原子番号20までの電子配置が書ける。 | 周期表が分からない。元素の分類ができない。 |
評価項目2
典型元素と遷移元素 | 典型元素や遷移元素の特徴をよく理解することができる。種々の元素の用途を理解し,様々の化学反応式を書くことができる。 | 典型元素の族ごとの特徴を理解することができる。主な元素の用途を理解し,重要な化学反応を示す反応式を書くことができる。 | 典型元素や遷移元素が分からない。 |
評価項目3
有機化合物の特徴と分類 | 有機化合物の特徴を理解し,分類できる。 | 有機化合物の特徴を理解できる。 | 有機化合物の特徴が理解できず,分類もできない。 |
評価項目4
有機化合物の反応と解析 | 官能基の性質に基づく有機化合物の様々な反応が理解できる。様々な構造解析法が理解できる。 | 代表的な有機化合物の反応,構造解析法が理解できる。 | 有機化合物の反応,構造解析法が理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
「化学IA」「化学IB」「化学II」「有機無機化学基礎」を通じて,化学技術者のみならず機械・電気・情報・土木等の技術者にとっても必要な『化学』を体系的に学習する。「有機無機化学基礎」では,無機化学分野の基礎的な内容として無機物質の非金属元素・典型金属元素・遷移金属元素の単体および化合物の性質や反応,有機化学分野の基礎的な内容として代表的な有機化合物の構造と性質,反応や構造解析法を学習する。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で教科書・プリント資料・事前配布の講義資料などを用いて「スライド」を用いて行う。また,講義だけでなく演習課題を取り入れながら進めていく。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績を70%,平素の学習状況等(課題・小テスト等を含む)を30%の割合で総合的に評価する。学年の評価は前学期中間及び前学期末の各期間の評価を平均する。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 周期表と元素,電子配置(1) |
本授業の進め方について理解する。 周期表にある元素の系統的な分類ができる。電子軌道の考えを理解できる。
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2週 |
電子配置(2) 典型元素(第1族) |
電子軌道の考えを用いて電子配置(1~20)が書ける。 アルカリ金属(第1族)の代表的な元素の特徴や化合物について理解できる。
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3週 |
典型元素(第2族・第13族・第14族) |
アルカリ土類金属(第2族)・ホウ素族(第13族)・炭素族(第14族)の代表的な元素の特徴や化合物について理解できる。
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4週 |
典型元素(第15族・第16族・第17族) |
窒素族(第15族)・酸素族(第16族)・ハロゲン(第17族)の代表的な元素の特徴や化合物について理解できる。
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5週 |
典型元素(第18族) 電子配置(3) |
貴ガス(第18族)の代表的な元素の特徴や化合物について理解できる。 電子軌道の考えを用いて電子配置(21~30)が書ける。
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6週 |
遷移元素の基礎 |
第4周期・第11,12族の代表的な遷移元素の特徴や化合物について理解できる。
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7週 |
有機化合物の特徴と分類 |
基本的な炭化水素の有機化合物(アルカン・アルケン・アルキン・シクロアルカン)について理解できる。
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8週 |
前期中間試験 |
第1週目から第7週目までの学習内容を確認する。
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2ndQ |
9週 |
有機化合物の分類と命名法 |
官能基に基づく分類が理解できる。有機化合物の命名法が理解できる。
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10週 |
炭化水素の種類と構造の表記法 脂肪族炭化水素の異性体 |
炭化水素の組成式・分子式・構造式・短縮構造・骨格構造を理化して書ける。 脂肪族炭化水素の異性体(構造異性体・幾何異性体)について理解できる。
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11週 |
脂肪族炭化水素(反応) 脂肪族炭化水素(誘導体1) |
脂肪族炭化水素の反応について理解できる。 脂肪族炭化水素の誘導体としてアルコールについて理解できる。
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12週 |
脂肪族炭化水素(誘導体2) |
脂肪族炭化水素の誘導体としてアルコール・エーテルについて理解できる。有機合成反応の収率計算ができる。
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13週 |
脂肪族炭化水素(誘導体3) |
脂肪族炭化水素の誘導体としてアルデヒド・ケトン・カルボン酸・エステル化について理解できる。有機合成反応の収率計算ができる。
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14週 |
芳香族炭化水素の基礎 |
基本的な芳香族炭化水素化合物の構造と種類および反応について理解できる。
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15週 |
有機化合物の同定・定量・構造分析 |
有機化合物の分子量計算ができる。有機化合物の構造分析について理解できる。
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16週 |
前学期末試験 |
第9週目から第15週目までの学習内容を確認する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学 | 化学 | 物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | 前1 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前1 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | 前1 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | 前1 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 2 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 3 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 3 | |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5 |
評価割合
| 試験 | 課題・小テスト | | | | | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 80 |
専門的能力 | 10 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |