機械工学概論

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機械工学概論
科目番号 1M002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:力学の総合学習:数研出版 問題集:リードα物理:数研出版
担当教員 機械工学科 科教員,櫻井 文仁,高山 雄介

到達目標

□静力学問題(力のつりあい)を解くことができる。
□質点の位置・速度・加速度を求めることができる。
□ニュートンの運動方程式をたてて、質点の運動を扱うことができる。
□機械工学で使用される代表的な物理量や単位について説明できる。
□どのような分野で機械工学が必要とされているのかを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械工学における専門科目の学習において必要となる力学や数学の基礎を身につけ、使いこなすことが十分にできる。機械工学における専門科目の学習において必要となる力学や数学の基礎を身につけ、使いこなすことができる。機械工学における専門科目の学習において必要となる力学や数学の基礎を身につけ、使いこなすことができない。
評価項目2どのような分野で機械工学が必要とされているのかを十分に説明できる。どのような分野で機械工学が必要とされているのかを説明できる。どのような分野で機械工学が必要とされているのかを説明できない。
評価項目3機械工学で使用される代表的な物理量や単位について十分に説明できる。機械工学で使用される代表的な物理量や単位について説明できる。機械工学で使用される代表的な物理量や単位について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期
機械工学の専門科目では力学や数学の知識が不可欠となる。1年次にこれらの基礎をしっかりと固めておくことが、
後の専門科目の学習において極めて重要である。前期の「力学基礎」において学習した内容をしっかりと頭に定着さ
せるとともに、三角比や文字式を用いた計算に慣れることにも重点を置く。

後期
機械工学科へ入学した新入生は、これから学ぶ機械工学の世界についてそれぞれ思いを巡らせていることだろう。し
かし、機械工学とは何か、実際にどのような知識や技術が身につくのか、そして、それらがどのような分野に役立つ
のかなど、具体的にはなかなか分かり難いのではないだろうか。前期の授業では、機械工学科の教員がそれぞれの専
門分野について、分かりやすい具体的な事例を示しながら、機械工学への導入教育を行うことを目的としている。各
テーマの授業を通して、機械工学の概要を正しく理解し、機械工学を学ぶ中でどのような楽しさや充実感があるのか
を知っていただきたい。また、機械工学に対する素朴な疑問や好奇心を大切にしていただき、教員に対して積極的に
質問をしていただきたい。なお、授業は以下に示すようにオムニバス形式となっているが、時間割等の都合によって
各テーマの順番や回数を変更することがある。
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
【事前に行う準備学習】各回のテーマに関係のある「力学基礎」の範囲を各自で学習しておくこと。
後期は各分野の教員が数回ずつ担当するため、休んだ場合は資料などをもらいに行くこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業内容と進め方の説明を行う
工作実習などで使用する関数電卓の操作ができる
2週 等速直線運動 速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。
3週 等速直線運動、速度の合成・分解 平行四辺形の法則を理解し、速度の合成・分解ができる。
4週 相対速度 相対速度の意味を理解し、図形を用いた解法で問題を解くことができる。
5週 加速度 加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。
6週 等加速度運動、落体の運動(1) 自由落下・鉛直投射について計算できる。
7週 等加速度運動、落体の運動(2)、三角比 水平投射・斜方投射について計算できる。
三角比を理解し、斜方投射について計算できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 力のつりあい 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、一点に作用する力の合成・分解を図で表現でき、合力や分力を計算できる。一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。
10週 ニュートンの運動の法則(1) 運動の法則を用いて、力の合成・分解を必要としない簡単な問題を解くことができる。
11週 ニュートンの運動の法則(2) 運動の法則を用いて、力の合成・分解を必要とする問題を解くことができる。
12週 摩擦を受ける運動 摩擦力のはたらく物体について、力のつりあいや運動に関する問題を扱うことができる。
13週 剛体にはたらく力のつりあい(1) 力のモーメントを計算できる。
14週 剛体にはたらく力のつりあい(2) 剛体における力のつりあい条件を理解し、簡単な問題を解くことができる。
15週 テスト返却
16週 機械設計 機械の構造について説明できる。
後期
3rdQ
1週 素形材加工 製造技術について説明できる。
2週 鋳造 鋳造加工について説明できる。
3週 計測 測定結果のとらえ方,長さ計測について説明できる。
4週 材料力学 材料の強度について説明できる。
5週 機械設計 機械の構造について説明できる。
6週 ばね(1) 様々なばねについて説明できる。
7週 ばね(2) おもりをつけたばねの振動について説明できる。
8週 テスト返却,安全教育 危険予知訓練(KYT)について説明できる。
4thQ
9週 爆発の科学 爆発現象について発生原因を説明できる。
10週 エンジン エンジンの仕組みについて説明できる。
11週 結晶構造と金属 身近な金属材料を通して,結晶構造と強度の関係について説明できる。
12週 様々な金属材料 身近な金属材料がどのような場所に使われているかを理解し、説明できる。
13週 流体① 流体力学が必要とされる例を説明できる。
14週 流体② 静止流体中の圧力や浮力について説明できる。
15週 テスト返却,まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3前7
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3前9
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3前9
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3前9
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4前1
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4前4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3前1
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3前10,前11
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3前10
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000