工作実習

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 工作実習
科目番号 1M004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 機械実習 安全のこころえ:土井正志智、岡野修一、稲本稔:実教出版
担当教員 平間 雄輔,花井 宏尚

到達目標

ものづくりの基本となる機械加工、溶接、仕上げなど、機械製作に必要な基礎と方法ならびにメカトロニクスの基礎知識を習得することを目的とする。
□エンジンを分解・組立できる。
□旋盤により丸棒を削ることができる。
□仕上げ加工(ケガキ作業、やすり仕上げ、穴あけ、皿もみ、座ぐり、刻印など)することができる。
□機械部品を平面加工(立てフライス、横フライス)することができる。
□ライントレーサロボット(レゴマインドストーム)の走行プログラムを理解し作成することができる。
□ひずみゲージによってひずみを測定できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
原動機付自転車のエンジンを分解・組立できる。原動機付自転車のエンジンの構造を理解してを分解・組立の方法を実施及び説明できる。原動機付自転車のエンジンの構造を分解・組立できる。エンジンを分解・組立できない。
旋盤を使うことができる。旋盤の使い方を理解し、丸棒を加工することができる。旋盤で丸棒を加工できる。旋盤を使うことができない。
仕上げ加工ができる。ケガキ作業、やすり仕上げ、穴あけ、皿もみ、座ぐり、刻印などの仕上げ加工を理解し、十分な加工ができる。ケガキ作業、やすり仕上げ、穴あけ、皿もみ、座ぐり、刻印などの仕上げ加工ができる。仕上げ加工ができない。
機械部品を平面加工できる。てフライス、横フライスなどの構造を理解し、機械部品を平面加工できる。てフライス、横フライスなどの機械部品を平面加工できる。機械部品を平面加工できない。
ライントレーサロボットの走行プログラムを作成できる。ライントレーサロボットの走行プログラムを理解し、作成することができる。ライントレーサロボットをプログラムで走行させることができる。ライントレーサロボットをプログラムで走行させることができない。
ひずみゲージを使用できる。ひずみゲージの原理を理解し、ひずみを測定できる。ひずみゲージによってひずみを測定できる。ひずみゲージによってひずみを測定できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
初回にガイダンスと安全教育を行う。実習では工作機械(旋盤、形削り盤、立フライス盤、横フライス盤)を用いて、より複雑な形状の機械部品の加工ができるようにする。さらに、エンジンの分解・組立、メカトロ加工・計測について実習する。
授業の進め方・方法:
1年間で5テーマを実習する。クラスを5班に分け、各班は1テーマ毎に5週間ずつ実習を行う。すべての学生が実際に機械に触れ、実習を体得できるように少人数のグループに編成してある。5テーマの内容と目的を以下に示す。
(1)エンジン分解組立
機械を構成する要素部品がどのような形をし、どのような順番で、どのように組み付けてあるかをエンジンの分解・組立を通じて学ぶ。
(2)旋盤
旋盤により丸棒を削る。(手送り、または、自動送りによる)丸棒の外形の切削練習。引張り試験棒の製作.端面の切削,センタドリルによる穴あけ,中央部切り欠き,面取り.
(3) 仕上げ加工
仕上げ加工の基本を学ぶ.工作物に加工位置を記入するケガキ作業,やすりによる仕上げ,穴あけ,ねじ立て,皿もみ,座ぐり,弓のこによる切断,刻印,寸法測定.
(4) 形削り盤/フライス盤
機械部品の平面を加工する.立フライス盤による文鎮の製作,アルミ円板の切削.立フライス盤,横フライス盤によるVブロックの製作.2 人ずつ4 組で実施する.
(5) メカトロ加工・計測
メカトロニクスの基礎知識や技術を養うため,ひずみゲージによるひずみ測定を学習する.また,ライントレーサーロボットの走行プログラムを作成し制御方法について学ぶ.
注意点:
・実習担当者の説明や注意をよく聞くこと。
・長いシャツはズボンに入れ、長い髪は束ねること。
・安全確保のために工場内では「実習作業服、保護メガネ、安全靴の着用」、「ふざけない」、「走らない」を厳守すること。
・レポートは各テーマの実習終了後、1週間の提出期限までに提出すること。
・期限内にレポートを提出できない場合、評点は0点もしくは、大きく減点されるので注意すること。
・レポートはガイダンスおよび各テーマの担当者の指示に従った体裁とし、すべて手書きとする。(ワープロ禁止)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実習ガイダンス
・班分け,日程と実習内容の説明
・実習の心構え,安全,レポートの書き方について説明できる.
・ノギスとマイクロメータが使用できる.
2週 仕上げ(1) 仕上げ作業の説明を理解したうえで
・正八角形のケガキができる.
・やすり掛けができる.
3週 仕上げ(2) 正八角形の製作について
・弓のこが使用できる.
4週 仕上げ(3) ・穴あけ,ねじ切りのケガキができる.
・ボール盤の説明.穴あけ,皿もみができる.
5週 仕上げ(4) ・ボール盤による穴あけと座ぐりができる.
・手作業によるタップ立てができる.
6週 仕上げ(5) ボール盤によるタップ立てについて
・刻印.ノギスによる寸法レポート測定(外側と穴間)ができる.
7週 形削り盤/フライス盤(1) ・形削り盤,立フライス盤,横フライス盤の操作説明ができる.
・測定具(ノギスとデプスゲージ)の使用方法の説明ができる.
8週 提出したレポートについてのガイダンス レポートの作成の仕方がわかる.
2ndQ
9週 形削り盤/フライス盤(2) ・立フライス盤による文鎮(SS400) の製作ができる.
・正面削りと傾斜面の切削ができる.
10週 形削り盤/フライス盤(3) ・形削り盤によるアルミ円板の切削ができる.
・剣バイトによる水平削りができる.
11週 形削り盤/フライス盤(4) ・立フライス盤によるVブロックの製作ができる.
・六面体削り(正面フライス)ができる.
12週 形削り盤/フライス盤(5) ・横フライス盤と立フライス盤によるVブロックの製作ができる.
・溝加工(メタルソー)とV溝加工(エンドミル)ができる.
13週 メカトロ加工・計測(1) ・ひずみゲージ貼り付け用試験片の製作ができる
14週 メカトロ加工・計測(2) ・ひずみゲージを用いた応力ひずみ計測ができる
15週 メカトロ加工・計測(3) ・ライントレーサーロボットの組立ができる
16週
後期
3rdQ
1週 メカトロ加工・計測(4) ・ライントレーサーロボットのプログラムを作成できる
2週 メカトロ加工・計測(5) ・ライントレーサーロボットのプログラムをチューニングできる
3週 メカトロ加工・計測(6) ・ロボットアームの操作とティーチングができる
4週 エンジンの分解・組立(1) ・ガソリンエンジンの構造と動作原理,およびエンジンの分解・組立てに使う工具,特殊器具について説明できる.
・車載状態におけるエンジン部分のスケッチができる.
・エンジンの車体からの取り外し,エンジンスタンドへの設置ができる.
5週 エンジンの分解・組立(2) ・4ストロークエンジンの吸排気機構が説明できる.
・シリンダーヘッドの取り外しを適切に行うことができる.
・吸排気バルブ,バルブスプリング,カムを取り外し,各部寸法が使用限度内にあるか確認できる.
6週 エンジンの分解・組立(3) ・ピストン,シリンダーの取り外しができる.
・マイクロメーター,内径マイクロメーター,隙間ゲージを使って,ピントンおよびピストンリング,シリンダーが使用限度内にあるか計測することができる.
・ピストン,シリンダーを取り付け,バルブタイミングが適切となるようシリンダーヘッドを組み付けることができる.
7週 エンジンの分解・組立(4) ・自動遠心クラッチの仕組みを理解し,クラッチAssyをエンジン本体から取り外すことができる.
・クラッチディスク,クラッチプレートの厚みを計測し,使用限度内にあるか確認できる.
8週 提出したレポートについてのガイダンス レポートの作成の仕方がわかる.
4thQ
9週 エンジンの分解・組立(5) ・タペット隙間を調整することができる.
・エンジンを車両に搭載することができる.
・エンジンを車載した状態で始動させることができる.
10週 旋盤(1) ・作業上の注意を説明できる.
・旋盤各部の名称・操作説明ができる.
・ノギスの使用方法,工具の説明ができる.
・手送りによる端面切削ができる.
11週 旋盤(2) ・手送りによる端面切削ができる.
・手送り,または,自動送りによる外径切削ができる.
12週 旋盤(3) 引張り試験棒の製作について
・端面切削による長さ寸法を決めることができる.
13週 旋盤(4) 引張り試験棒の製作について
・センタドリルによる穴あけと外径切削を実施することができる.
14週 旋盤(5) 引張り試験棒の製作について
・中央部切り欠きと面取りができる.
15週 まとめ 実習感想およびまとめを作成できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。4
安全を確保して、実験を行うことができる。4
実験報告書を決められた形式で作成できる。4
有効数字を考慮して、データを集計することができる。4
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他技術習熟度レポート合計
総合評価割合0000006040100
基礎的能力00000004040
専門的能力00000060060
分野横断的能力000000000