工作実習

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 工作実習
科目番号 2M005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 8
教科書/教材 参考書:機械実習 安全のこころえ:土井正志智、岡野修一、稲本稔:実教出版:9784407313284
担当教員 矢口 久雄,平社 信人

到達目標

□ 工作実習における安全確保の重要性を理解し、作業時の注意すべき点について説明できる。
□ 各種センサ(レゴマインドストーム)の機能を理解し、計測制御系を構成することができる。
□ 環境認識による移動ロボットの走行プログラムを理解し作成することができる。
□ オシロスコープを用いた波形観測、周波数応答実験、熱電対による温度計測ができる。
□ ガス切断およびガス溶接、アーク溶接のしくみを理解し、それらに関連する基本的な作業や検査ができる。
□ 旋盤を用いて、段付き丸棒および引張試験棒の外径切削、丸棒中心の穴開けと内径切削、内径および外径テーパ切削ができる。
□ 平面研削盤による精密加工およびNCフライス盤による加工ができる。
□ マシニングセンタの基本操作を理解し、CAD/CAMによる加工プログラムの作成およびマシニングセンタを用いた基礎的な自動加工ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工作機械を用いた、より複雑な形状の機械部品の加工が十分にできる。 工作機械を用いた、より複雑な形状の機械部品の加工ができる。 工作機械を用いた、より複雑な形状の機械部品の加工ができない。
評価項目2研削精密加工、溶接、プログラム加工、プログラム走行が十分にできる。 研削精密加工、溶接、プログラム加工、プログラム走行ができる。 研削精密加工、溶接、プログラム加工、プログラム走行ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
初回にガイダンスと安全教育を行う。実習では1年生の時に使用法を学んだ工作機械(旋盤、形削り盤、立フライス盤、横フライス盤)を用いて、より複雑な形状の機械部品の加工ができるようにする。さらに、研削盤による精密加
工、歯車加工、ひずみ温度計測、溶接、マシニングセンタによる自動加工、メカトロニクス関連の加工を習得する。
授業の進め方・方法:
2Mクラスを5班に分け、各班は1テーマを5~6週で行い、1年間で全5テーマを実習する。実習の理解度を確認するため、各テーマごとにレポートの提出を必須とする。
5テーマの内容と目的を以下に示す。

(1) メカトロ加工・計測:各種センサ(レゴマインドストーム)を実装した環境認識による移動ロボットのプログラムを作成を行い、パラメータチューニングを実施しながら走行実験を行う。また、オシロスコープを用いた各種電気信号の波形観測や熱電対による温度計測の方法について学ぶ。
(2) 溶接:ガス切断およびガス溶接、3種類のアーク溶接の基礎を学ぶ。ガス切断およびガス溶接、アークの発生、ビード置き、角溶接、突合わせ溶接、曲げ試験を行う。
(3) 旋盤:段付き丸棒および、引張り試験棒の外径切削。丸棒中心の穴開けと内径切削。内径テーパ切削。外径テーパ切削。加工寸法のマイクロメータによる精密測定。
(4) 平面研削盤/NCフライス盤:1年生の時に学んだ工作機械(旋盤、形削り盤、立フライス盤、横フライス盤)を用いてより複雑な形状の加工を行う。さらに平面研削盤による精密加工法を習得する。
(5) マシニングセンタ:コンピュータ制御による自動加工法を学ぶ。自動加工プログラムの作り方、マシニングセンタの操作方法、各自が作成したプログラムにより自動加工の実習。
注意点:
・安全確保のため工場内では、「作業服、帽子、安全靴、安全保護メガネの着用」、「担当者の注意をよく聞く」、「ふざけない」、「走らない」を厳守すること。
・長いシャツはズボンの中に入れ、長い髪はたばね、指輪、ピアス、イヤリング等は外すこと。
・機械や装置は正しく使用しないと大変危険なため、常に気を引き締めて真剣に行動すること。
・実習ノートやメモ帳を準備して必要事項を書き留めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 メカトロ加工計測(1) オシロスコープを用いた波形観測、周波数応答実験、熱電対による温度計測ができる。
周波数応答実験が行なえる。
2週 メカトロ加工計測(2) 発光ダイオードを使用した正弦波応答実験熱電対による温度計測ができる。
各種センサ(レゴマインドストーム)の機能を理解し、計測制御系を構成することができる。
3週 メカトロ加工計測(3) 環境認識による移動ロボットの走行プログラムを作成することができる。
環境認識による移動ロボットの走行プログラムを作成することができる。
4週 溶接(1) ・ガス溶接で用いるガス、装置、ガス溶接棒を扱える。
・ガス溶接の基本作業ができる。
・ガス切断の基本作業ができる。
5週 溶接(2) ・被覆アーク溶接のストレートビード置き
・半自動MAG溶接による角溶接ができる。
・被覆アーク溶接のウィービングビード置き・TIG溶接による角溶接ができる。
6週 溶接(3) 被覆アーク溶接による中板突合わせ溶接ができる。
・半自動MAG溶接による薄板突合わせ溶接ができる。
・目視検査、曲げ試験が行なえる。
7週 旋盤(1) ・段付丸棒の切削
・150 mmに位置決め
・6.5キリ深さ15mmが行なえる。
・段付丸棒の切削で、10.6 キリ深さ30 mmが行なえる。
8週 旋盤(2) ・引張試験棒の仕上げ加工
・マイクロメータによる外径精密測定が行なえる。
・20 mmキリによる穴開け、内径切削が行なえる。
2ndQ
9週 旋盤(3) ・内径テーパ切削、外径テーパ切削
・半自動旋盤による仕上げ切削が行なえる。
10週 平面研削盤/NCフライス盤(1) ・平面研削盤の操作、NCフライス盤の操作ができる。
・NCフライス盤を用いて、ガイダンス加工ができる。
11週 平面研削盤/NCフライス盤(2) ・平面研削盤を用いて、文鎮の研削ができる。
・エンドミルによる直溝加工、段付け削りができる。
12週 平面研削盤/NCフライス盤(3) ・スターリングエンジンの台座の製作ができる。
13週 マシニングセンタ(1) ・マシニングセンタ及びNC工作機械の概要及びプログラミングを理解する。
・Gコードによる基本的なプログラムの作成ができる。
・CAD/CAMによる加工プログラムの作成及びマシニングセンタによる加工の流れを理解する。
・Mastercamの基本機能を理解し、基礎的な図形入力・編集ができる。
14週 マシニングセンタ(2) ・Mastercamによる応用的な図形編集機能を理解する。
・課題(オリジナルデザイン)作成の過程で発生する様々な問題を解決できる。
・Mastercamによる加工プログラムの作成・修正方法を理解する。
15週 マシニングセンタ(3) ・シミュレーション機能により課題作品加工時に発生しうる問題を発見し、パラメータの変更等により解決できる。
・マシニングセンター加工に必要な作業手順を理解する。
・Mastercamで作成したプログラムにより課題作品の加工ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作溶接法を分類できる。3
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。3
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3

評価割合

技能的習熟度レポート遠隔授業レポート合計
総合評価割合48322000000100
基礎的能力000000000
専門的能力48322000000100
分野横断的能力000000000