応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 3M010 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 [基礎から学ぶ]力学:乾雅祝, 星野公三, 畠中憲之:培風館:978-4563025076
担当教員 岡崎 彰

到達目標

□ベクトルの内積,外積,微積分の計算ができる.
□ベクトルとその直交座標,極座標による表示を用いて,慣性系だけでなく運動座標系においても,運動方程式を微分方程式の形に書き下すことができる.
□簡単な微分方程式で記述された問題の初期値問題を解くことができる.
□エネルギー,運動量,角運動量の保存則を活用することができる.
□1体問題だけでなく,質点系や剛体に関する典型的な問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物体の運動方程式を立て、応用的な初期値問題を解くことができる物体の運動方程式を立て、基本的な初期値問題を解くことができる物体の運動方程式が立てられない
評価項目2各種保存則を用いる応用問題を解くことができる各種保存則を用いる基本問題を解くことができる各種保存則の理解に不備がある
評価項目3多体系や剛体に関する応用問題を解くことができる多体系や剛体に関する基本問題を解くことができる多体系や剛体の運動方程式を立てることができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微積分を使わない高校物理で学んだ力学を微積分を用いて定式化し直し,すでに学んだ簡単な質点の運動だけではな
く,微積分や線形代数などを用いて初めて取り扱うことの出来る質点,質点系および剛体の運動の初期値問題の解法
などを通じて,大学教養程度の基本的な力学を学ぶ.
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
力学基礎の内容の総復習を勧める.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 古典力学における時空(1) ・デカルト座標での位置・変位ベクトルの計算ができる
・速度・加速度ベクトルの微分を用いた計算ができる
2週 古典力学における時空(2) ・運動の3法則について説明できる
・運動方程式を微分方程式の形で書くことができる
3週 様々な運動(1) ・自由落下・鉛直投げ上げに関する運動方程式を解くことができる
4週 様々な運動(2) ・速度に比例する抵抗力が働く場合の落下運動に関する運動方程式を解くことができる
5週 様々な運動(3) ・平面運動に関する運動方程式を解くことができる
6週 様々な運動(4) ・静止摩擦・動摩擦力が含まれる運動方程式を解くことができる
7週 様々な運動(5) ・単振動の運動方程式を解くことができる
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 仕事とエネルギー(1) ・仕事について理解し、計算ができる
・運動エネルギーについて理解し、計算することができる
10週 仕事とエネルギー(2) ・ポテンシャルエネルギーを理解し、計算することができる
・力学的エネルギー保存則を導き、説明・利用することができる
11週 力積と運動量 ・力積と運動量の関係を理解し、計算することができる
・運動量保存則を導き、それを用いて衝突問題を解くことができる
12週 角運動量と力のモーメント(1) ・ベクトル積の計算ができる
・力のモーメントの計算ができる
・角運動量の計算ができる
13週 角運動量と力のモーメント(2) ・角運動量保存則を導出することができる
・角運動量保存則を用いる問題を解くことができる
14週 角運動量と力のモーメント(3) ・角運動量を用いて,運動方程式をたてることができる
・角運動量を用いて,質点の運動方程式を解くことができる
15週 前期定期試験
16週 答案返却
後期
3rdQ
1週 質点系の運動(1) ・重心座標と相対座標について理解し、計算することができる
2週 質点系の運動(2) ・重心運動と相対運動の運動方程式を立て、二体問題を解くことができる
3週 質点系の運動(3) ・多体系の運動について基本法則を理解することができる
4週 剛体の運動(1) ・剛体のつりあい条件を導くことができる
・剛体のつりあいの問題を解くことができる
5週 剛体の運動(2) ・剛体の回転運動の運動方程式を立てることができる
・剛体の慣性モーメントを理解し、計算することができる
6週 剛体の運動(3) ・剛体の並進運動と回転運動のエネルギーを計算することができる
7週 剛体の運動(4) ・固定軸を持つ剛体の運動方程式を解くことができる
・剛体の平面運動の方程式を立て、解くことができる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 座標変換と慣性力(1) ・ガリレイ変換について理解することができる
・慣性力を導くことができる
10週 座標変換と慣性力(2) ・回転座標系での遠心力を計算することができる
11週 座標変換と慣性力(3) ・回転座標系でのコリオリ力を計算することができる
12週 万有引力による運動(1) ・ケプラーの3法則を理解することができる
13週 万有引力による運動(2) ・万有引力の法則を理解することができる
14週 万有引力による運動(3) ・ケプラーの3法則から万有引力の法則を導くことができる
・万有引力の法則からケプラーの3法則を導くことができる
15週 後期定期試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1,前14
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前14,後1
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前1
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前1
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前4
物体に作用する力を図示することができる。3前2
力の合成と分解をすることができる。3前2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前2
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前2,前6
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3前2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前2
運動方程式を用いた計算ができる。3前2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前2,前3,前4,前5,前6
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前7
最大摩擦力に関する計算ができる。3前7
動摩擦力に関する計算ができる。3前7
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前9,前14
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前9,前14
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前10,前15
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前10,前15
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前10,前15
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3後3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前6,前12
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前1,前6,前12
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前1,前6,前10,前11
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3後13,後14,後15
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後13,後14,後15
力のモーメントを求めることができる。3前13,前14
角運動量を求めることができる。3前13,前14
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前14,前15
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3後4,後5,後6,後7,後9
重心に関する計算ができる。3後4,後5,後6,後7
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3後5,後6,後7,後9
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3後5,後6,後7,後9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力2000002040
専門的能力500000050
分野横断的能力100000010