材料力学

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 材料力学
科目番号 4M008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 工学基礎 材料力学:清家政一郎:共立出版
担当教員 高山 雄介

到達目標

□曲げ
 ・各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる
 ・曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる
 ・各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる
 ・静定はりと不静定はりの違いを説明できる
 ・各種の不静定はりの問題を理解し、未知の反力や曲げモーメントを計算できる
□ねじり・組合せ応力
 ・ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる
 ・動力を伝達する軸などの具体的な設計に、ねじりの計算を応用できる
 ・二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる
□エネルギー法
 ・部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる
 ・部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる
 ・カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる
□座屈
 ・各種の柱について、座屈荷重を計算できる
 ・座屈荷重と細長比の関係から、適切な設計計算ができる
□機械部品や構造部材
 ・授業で取り扱った引張・圧縮,曲げ,ねじり,座屈の考えを実際の設計に適用できる
 ・応力集中など、理想的な場合以外でも適切な安全率を設けた設計ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1静定はり・不静定はりの違いを理解し、未知の反力や曲げモーメントを計算できる静定はり・不静定はりの違いを理解できる静定はり・不静定はりの違いを理解できない
評価項目2動力を伝達する軸などの具体的な設計に、ねじりの計算を応用できる動力を伝達する軸などの具体的なねじりの計算ができる動力を伝達する軸などの具体的なねじりの計算ができる
評価項目3エネルギー法の使い方を理解し、引張・圧縮、曲げ、ねじりなどの計算に応用できるエネルギー法の使い方が理解できるエネルギー法の使い方が理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料力学は機械構造物に用いられる部材の強度や変形に関する学問である。第4学年では3学年での学習内容を基に、応用力と発展力を身につけるため、はりの変形(静定、不静定)、棒のねじり、ひずみエネルギー、座屈について学ぶ。
授業の進め方・方法:
座学形式で行う。
注意点:
物理の力学領域、三角関数、微積分、第3学年次のはりの問題を理解しておくこと。
本科目は学修単位なので、授業時間30時間に加えて、自学自習時間60時間が授業の前後に必要となります。具体的な学修内容はMicrosoft Formsを用いた基礎力評価とレポート課題になります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 不静定はりの問題
集中荷重,等分布荷重
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。
各種の荷重が作用するはりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を計算できる。
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。
2週 不静定はりの問題
等分布荷重,三角分布荷重
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。
各種の荷重が作用するはりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を計算できる。
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。
3週 不静定はりの問題
一端固定、他端支持のはり
集中荷重
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。
各種の荷重が作用するはりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を計算できる。
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。
4週 簡単なラ-メン はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。
各種の荷重が作用するはりのせん断力図と曲げモーメント図を作成できる。
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を計算できる。
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。
5週 丸棒のねじり
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。
6週 丸棒のねじり
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。
7週 丸棒のねじり
平面保持の仮定
多軸応力の意味を説明できる。
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 ひずみエネルギー
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。
10週 カスティリアノの定理 カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに応用できる。
11週 薄い曲がりはりの変形 カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに応用できる。
12週 薄い曲がりはりの変形 カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに応用できる。
13週 オイラーの座屈公式
各種の柱について、座屈荷重を計算できる。
14週 オイラーの座屈公式
座屈荷重と細長比の関係から、適切な設計計算ができる。
15週 期末試験
16週 テスト返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。4
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。4
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。4
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。4
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。4
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。4
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。4
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。4
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。4
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。4
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。4
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。4
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。4
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
許容応力と安全率を説明できる。4
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。4
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前1,前2,前6,前7
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4前1,前2
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4前3,前4,前5
材料機械材料に求められる性質を説明できる。1
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。1
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。2
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。1
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。1

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力301040
専門的能力402060