機械工作法

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機械工作法
科目番号 4M012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 機械工作法Ⅰ:朝倉健二・橋本文雄:共立出版社
担当教員 櫻井 文仁

到達目標

□ 塑性加工法の加工原理と特徴を説明でき、問題点と対策を提案することができる。(MCC)
□ 鋳造法の加工原理と特徴を説明でき、問題点と対策を提案することができる。(MCC)
□ 溶接法の加工原理と特徴を説明でき、問題点と対策を提案することができる。(MCC)
□ 特殊加工法の加工原理と特徴を説明でき、問題点と対策を提案することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1塑性加工法の加工原理と特徴を説明でき、問題点と対策を提案することができる塑性加工法の加工原理と特徴を説明できる塑性加工法の加工原理と特徴を説明できない
評価項目2鋳造法の加工原理と特徴を説明でき、問題点と対策を提案することができる鋳造法の加工原理と特徴を説明できる鋳造法の加工原理と特徴を説明できない
評価項目3溶接法の加工原理と特徴を説明でき、問題点と対策を提案することができる溶接法の加工原理と特徴を説明できる溶接法の加工原理と特徴を説明できない
評価項目4特殊加工法の加工原理と特徴を説明でき、問題点と対策を提案することができる特殊加工法の加工原理と特徴を説明できる特殊加工法の加工原理と特徴を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
CD、DVD、携帯電話など最先端の新製品は、高精度の加工ができるようになったから実用化できた製品である。
加工技術は、技術発展の基盤技術と云える。加工技術は、地味であるが、縁の下の力持ちとして、多くの業界から、
常に要望の高い技術となっている。
授業の進め方・方法:
前期は、塑性加工法、鋳造法を学ぶ。
塑性加工は、切り屑を出さず無駄がなく、機械的性質も高く、加工速度も速いことが特徴である。
後期は、溶接法と精密加工法、特殊加工法を学ぶ。鋳造法と溶接法の共通点は、金属の溶解と冷却により、残留応力
、変形、気泡巣等が発生し、機械的性質が低下することにある。それぞれの対策についても学ぶ。
特殊加工は、切削加工・研削加工では加工できない硬い工作物や高精度加工ができる。特殊加工の原理と特徴を学ぶ
注意点:
各加工法で加工した部品や製品を提示するなど、具体的な事例を上げながら講義する。また、ウルトラクリーン加工
や高精度加工といった最先端の機械加工技術についても説明する。
日頃よりモノづくりに関心を持ち、シラバスを参考に家庭学習として予習・復習をするとともに、課題が課された時
には、授業内容に照らし合わせて、自分なりの考察を交えて課題作成すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 塑性加工①
塑性変形、塑性加工の特徴、真応力、対数歪み、比例限度、弾性限度、降伏点、耐力、加工硬化、真応力-対数歪み線図、トレスカの降伏条件、ミーゼスの降伏条件、相当応力
塑性加工を説明できる。
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。
2週 塑性加工②
変形抵抗、変形能、相当歪み、変形抵抗曲線、加工硬化指数、加工温度と変形能、熱間加工、冷間加工、加工速度
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。
塑性加工法の種類を説明できる。
3週 塑性加工③
静水圧効果、塑性変形後の組織と性質、再結晶温度、結晶回復、再結晶、結晶粒成長
鍛造加工の目的、鍛造温度、自由鍛造、型鍛造、圧延加工
塑性加工法の種類を説明できる。
鍛造とその特徴を説明できる。
4週 塑性加工④
引き抜き加工、押し出し加工、圧印加工、転造加工、せん断加工、曲げ加工、スプリングバック、絞り加工、限界絞り比
転造、押出し、圧延、引抜きなどの加工法を説明でき
る。
鍛造とその特徴を説明できる。
プレス加工とその特徴を説明できる。
5週 鋳造①
加工技術の課題と先端技術課題
金属の溶解と凝固、樹枝状晶、粒状晶、不純物の偏析
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。
6週 鋳造②
液体収縮、固体収縮、固体収縮、鋳造の特徴
模型、鋳型の製作、鋳物砂の管理、鋳型の構造、鋳造方案、均等冷却、ガス抜き、収縮巣
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。
鋳物の欠陥とその検査方法を説明できる。
7週 鋳造③
造型作業、鋳込み温度、鋳込み後の処理、鋳物の熱処理・検査
鋳物の熱処理・検査、シェルモールド法、ロストワックス法、炭酸ガス法、ダイカスト法、低圧鋳造法、遠心鋳造法
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物のつくりかたを説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 溶接①
溶接の基本、特徴、問題点、溶接の種類
溶接継ぎ手、溶接の基本形式
溶接法を分類できる。
10週 溶接②
予熱、後熱、母材の炭素当量、ガス溶接、アーク溶接
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。
11週 溶接③
裸溶接、被覆溶接、フラックス、溶接作業
アーク溶接機、直流アーク溶接、交流アーク溶接、TIG溶接、MIG溶接、C02アーク溶接
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。
12週 溶接④
サブマージアーク溶接、抵抗溶接、スポット溶接、プロジェクション溶接、シーム溶接、突き合わせ溶接
エレクトロスラグ溶接、電子ビーム溶接、圧接の種類と特徴、鍛接
精密加工復習
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを理解できる。
ホーニング、超仕上、ラップ仕上、バフ仕上を説明できる
13週 特殊加工①
特殊加工の加工原理、従来の切削・研削加工との違い、特殊加工の種類と特徴
プラズフアーク加工、電子ビーム加工
特殊加工の加工原理、従来の切削・研削加工との違い、特殊加工の種類と特徴を説明できる
プラズフアーク加工、電子ビーム加工を説明できる
14週 特殊加工②
化学加工、レーザビーム加工
電解加工、複合電解加工
化学加工、レーザビーム加工を説明できる
電解加工、複合電解加工を説明できる
15週 プラスチック成型
プラスチックとは?、プラスチックの種類と特徴
圧縮成型、トランスフア成型、射出成型
プラスチックとは?、プラスチックの種類と特徴を説明できる
圧縮成型、トランスフア成型、射出成型を説明できる
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
許容応力と安全率を説明できる。4
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。3
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。4
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。4
振動の種類および調和振動を説明できる。3
工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。4
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。4
鋳物の欠陥について説明できる。4
溶接法を分類できる。4後1
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。4後2,後3,後4
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。4後4,後5
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。4後7,後8
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4
材料機械材料に求められる性質を説明できる。4
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。3
金属と合金の結晶構造を説明できる。3
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。3
合金の状態図の見方を説明できる。3
塑性変形の起り方を説明できる。3
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4
鉄鋼の製法を説明できる。3
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。3
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。3
焼きなましの目的と操作を説明できる。4
焼きならしの目的と操作を説明できる。4
焼入れの目的と操作を説明できる。4
焼戻しの目的と操作を説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力機械系分野(実験・実習能力)機械系分野(実験・実習能力)実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。4
アーク溶接の基本作業ができる。4

評価割合

試験発表レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80020000100
基礎的能力4001000050
専門的能力4001000050
分野横断的能力0000000