マイコン制御

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 マイコン制御
科目番号 4M017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 平社 信人,樫本 弘

到達目標

多くの機械には,組込みマイコン(マイクロプロセッサもくしはマイクロコントローラ)やセンサーをはじめとする電子部品が組み込まれ,アクチュエータを制御して高度な機能と柔軟性を実現している.本授業では「計測工学」等の科目で学習したセンサーの知識を活用し,実際に組込みマイコンのプログラミング実習を行う.具体的には以下の各項目の内容を理解し,到達することを目標とする.

・ Arduino言語を用いたプログラミングが理解できる.
・ 液晶ディスプレイや圧電ブサーの仕組みを理解し,実際に活用できる.
・ アナログ入力を理解し,温度センサーを実際に活用できる.
・ 無線通信の方法を理解し,ラジコンカーの制御に活用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1Arduino言語を十分理解し,優れたスケッチを作成することができる.Arduino言語を理解し,スケッチを作成することができる.Arduino言語を理解できていない.
評価項目2液晶ディスプレイや圧電ブサーの仕組みを十分理解し,実際によく活用できる.液晶ディスプレイや圧電ブサーの仕組みを理解し,使用できる.液晶ディスプレイや圧電ブサーの仕組みが理解できていない.
評価項目3アナログ入力を十分理解し,温度センサーを実際に活用できる.アナログ入力を理解し,温度センサーを使用できる.アナログ入力が理解できていない.
評価項目4無線通信の方法を十分理解し,ラジコンカーの制御に有効に活用できる.無線通信の方法を理解し,ラジコンカーの制御に活用できる.無線通信の方法を理解できていない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
組込みマイコンのArduino(互換機)を一人一台使用して授業を進める.このマイコンのプログラムにはC言語に非常によく似たArduino言語を使用する.基本的な文法の理解から,条件判断や繰返し処理のための記述方法等を学習する.その後,液晶ディスプレイ,圧電ブザー,温度センサーなどの使用方法を実習する.さらに,アナログ入力の方法や温度センサーの仕組みなどを学ぶとともに実際にプログラムを作成し,動作を確認する.最後にはラジコンカーの制御を通して無線通信の方法について学習する.
授業の進め方・方法:
機械工学科3階 設計実習室で行う.
教科書はないが,書画カメラやPCも使用し中間モニタに資料を表示して説明を行う.また,プログラミング実習ではPCと組込みマイコンを接続して使用する.
注意点:
課題の数は変更になる可能性がある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 Aruduinoとプログラミング環境 Arduinoとは,プログラム開発環境の構築,USBドライ
バーの認証方法とPCへの接続方法について理解している.
2週 Arduinoプログラム入門(1) 変数と定数,型と使用可能な範囲,setup()関数とloop()関数について理解している.
3週 Arduinoプログラム入門(2) 基本的な演算子や算術演算子,シリアルモニターの利用方法について理解している.
4週 Arduinoプログラム入門(3) 条件判断,比較演算子,論理演算子,if-else文について理解している.
5週 Arduinoプログラム入門(4) 繰返し処理,for文,while文,do-while文,2進数,10進数,16進数の相互変換について理解している.
6週 液晶ディスプレイの利用(1) 液晶ディスプレイの接続,LiquidCrystalライブラリの利用方法について理解している.
7週 液晶ディスプレイの利用(2) sprintfを利用し書式を指定したた出力方法について理解している.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 圧電ブザーの利用(1) 圧電ブザーの仕組み,音階の出力方法について理解している.
10週 圧電ブザーの利用(2) 簡易楽器として動作するスケッチを作成することができる.
11週 温度センサーの利用(1) アナログ入力とその分解能,デジタル入力との違い,map関数による数値の変換について理解している
12週 温度センサーの利用(2) 温度センサーLM35の動作と測定した温度のグラフ表示方法について理解している.
13週 無線通信とラジコンカーの制御(1) 無線用モジュールの仕組みを理解し,無線通信のスケッチが作成できる.
14週 無線通信とラジコンカーの制御(2) 自作ラジコンカーの動作の仕組みについて理解している.
15週 無線通信とラジコンカーの制御(3) ラジコンカーのコントロール用スケッチの作成ができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。3
定数と変数を説明できる。3
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。3
演算子の種類と優先順位を理解し、適用できる。3
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。3
条件判断プログラムを作成できる。3
繰り返し処理プログラムを作成できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力1000002030
専門的能力600000060
分野横断的能力100000010