生命科学総論

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 生命科学総論
科目番号 4M021 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書なし,参考書:生命科学の基礎(野島博著,東京化学同人)ほか
担当教員 石川 英司

到達目標

1) 生体を構成する成分について理解できる。
2) 細胞とエネルギー代謝の仕組みの概要を理解できる。
3) 遺伝子とその働きについて理解するとともに,バイオテクノロジーと社会とのかかわりについても理解できる。
4) 生命の環境に対する応答と調節の仕組みの概要を理解できる。
5) 地球の成り立ちと各圏の構成・活動,生物圏との関わりについて理解するとともに、環境問題について考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生体を構成する成分とその構成単位,結合などについて理解している。生体を構成する成分とその構成単位について理解している。生体を構成する成分とその構成単位について理解していない。
評価項目2酵素とATPの構造と働き,呼吸と光合成についてATPの産生と関連づけて理解している。酵素とATPの構造と働き,呼吸と光合成について基本的なメカニズムを理解している。酵素とATPの構造と働き,呼吸と光合成について基本的なメカニズムが理解できていない。
評価項目3遺伝子の本体であるDNAとタンパク質合成について理解するとともに,それを応用したバイオテクノロジーについても実例で理解している。遺伝子の本体であるDNAとタンパク質合成について理解するとともに,それを応用したバイオテクノロジーについても基本的な部分を理解している。遺伝子の本体であるDNAとタンパク質合成,及びその応用技術について,説明できない。
評価項目4恒常性に関係した細胞内情報伝達,ホルモンや神経による制御,免疫について理解している。恒常性に関係した細胞内情報伝達とホルモンなどとの関係について理解している。恒常性に関係した細胞内情報伝達とホルモンなどとの関係について説明できない。
評価項目5地球の成り立ちと生命との関わりについて理解するとともに,環境問題を把握し,対策についても考えることができる。地球の成り立ちと生命との関わりについて理解するとともに,環境問題について理解している。地球の成り立ちと生命との関わりについて理解するとともに,環境問題について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
地球の環境や歴史との関連の中での生命について理解する.
生命のしくみや成り立ちを分子のレベルをはじめ,細胞,個体その他のレベルで学習する.
バイオテクノロジーの基礎と応用,社会的影響について学習する.
本科目の担当教員は,製薬業の研究部門で微生物創薬及び発酵生産に23年間に渡って関与した経験を有する。その経験をもとに,近現代の生命科学の成果を広く全工学分野の基礎として定着させるとともに,健康・バイオ・環境といった最近のトピックスも提供する.
授業の進め方・方法:
視聴覚室またはそれに準じた大教室で,他学科と合同で授業を行う。
原則として毎回配布するプリントと板書を軸に,必要に応じプロジェクタ等を活用して進める.
注意点:
生命の歴史とその巧妙な仕組みを理解するとともに,それを応用した技術について日常の暮らしや社会との関連の中で理解して,何かを感じてほしい。
授業に出席して,レポート等は忘れずに提出すること.授業に関連した質問なら,話の途中でも歓迎する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 生命科学序説
地球の成り立ちから生命の誕生まで
最近の生命科学に関する話題から,食・健康・環境とバイオ,バイオと他の科学技術について関心を持つ。
太陽系の中の地球の成り立ち、生命の誕生と進化について,その概略を理解できる。
2週 地圏・水圏・大気圏の構成・活動と生物圏 地圏・水圏・大気圏の構成・活動と生物圏の関わりについて理解できる。
3週 生体を構成する分子(1) 水とその特性,生体を構成する主な元素について理解できる。タンパク質の構造とその構成成分のアミノ酸について理解できる。
4週 生体を構成する分子(2) 糖質,脂質についてその構成成分や結合,性質について理解できる。
5週 生体を構成する分子(3) 遺伝子の本体としてのDNAとその構造について理解できる。
6週 エネルギーを獲得するしくみ (1) 酵素とその働き,代謝(異化と同化)と生体のエネルギー通貨ATPについて理解できる。解糖系やミトコンドリアで進行する諸経路について,概略を理解できる。
7週 エネルギーを獲得するしくみ (2) 好気的な呼吸について全体を理解し,生物がエネルギーを得る仕組みを理解できる。光合成についても理解できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 遺伝子とその働き (1) 遺伝子の複製の仕組みについて概略が理解できるとともに,DNAの情報をもとにしたタンパク質合成のしくみ(セントラルドグマ)について理解できる。
10週 遺伝子とその働き (2) ゲノムについて理解するとともに,遺伝子の発現と調節,分子レベルで見た変異や進化について理解できる。
11週 暮らしの中のバイオ(1) 遺伝子組み換えとはどのような技術か,その基礎と医薬品等への応用について理解できる。
12週 暮らしの中のバイオ(2) 遺伝子組換え作物,遺伝子組換え動物と再生医療について理解できる。ゲノム編集の概略を理解できる。
13週 生物の恒常性と細胞内シグナル伝達 生物の恒常性と細胞内シグナル伝達について,ホルモンや神経とのかかわりから理解できる。
14週 生体防御のしくみ(免疫) 自然免疫,獲得免疫の仕組みについて理解できる。免疫と病気,免疫と医療(感染症とワクチンなど)について理解できる。
15週 定期試験
16週 生物の多様性から持続可能性な社会へ 生物の多様性とその保全,持続可能な社会の実現に向けた活用の可能性について理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス・アースサイエンスライフサイエンス・アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。3
マグマの生成と火山活動を説明できる。3
地震の発生と断層運動について説明できる。3
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。3
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。3
地球上の生物の多様性について説明できる。3
生物の共通性と進化の関係について説明できる。3
生物に共通する性質について説明できる。3
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。3
世界のバイオームとその分布について説明できる。3
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。3
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3
生態ピラミッドについて説明できる。3
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。3
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3
有害物質の生物濃縮について説明できる。3
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合801001000100
基礎的能力405050050
専門的能力200000020
分野横断的能力205050030