概要:
機械の振動とは「機械各部の質点が外力を受けながら,微小変位を周期的に往復する加速度運動」とみなせるから,基本的にはニュートンの運動方程式を用いて解析できる。
授業で学ぶ主な項目は次のとおり。
・ニュートンやオイラーの運動方程式を用いたモデルの定式化
・振動系の基本的な構成要素の理解
・1自由度のモデルでの粘性や摩擦があるときの自由振動と強制振動の解析
・2自由度のモデルでの粘性や摩擦がないときの自由振動と強制振動の解析
授業の進め方・方法:
最初に,1自由度の振動系の基本となる質点の自由振動を理解する。次に,単振子や剛体の振動を理解し,1自由度のモデルを定式化する。自由振動を理化した後に,外力を有する強制振動の演算と解析を理解する。最後に,2自由度のモデルの自由振動および強制振動を理解する。
注意点:
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
振動についての基礎事項① |
ニュートンの運動方程式を立てられる
|
2週 |
1自由度系の自由振動(粘性減衰がない場合)① |
1自由度系の自由振動(粘性減衰がない場合)における,固有振動数と固有周期を求められる
|
3週 |
1自由度系の自由振動(粘性減衰がない場合)② |
2自由度系の自由振動(粘性減衰がない場合)における,固有振動数と固有周期を求められる
|
4週 |
振動についての基礎事項② |
ばねの合成ができる。 オイラーの運動方程式の立てられる。
|
5週 |
振動についての基礎事項③ |
ばねの合成ができる。 オイラーの運動方程式の立てられる。
|
6週 |
保存系における振動中のエネルギ① |
エネルギ法を用いて,固有角振動数を求めることができる。
|
7週 |
保存系における振動中のエネルギ② |
エネルギ法を用いて,固有角振動数を求めることができる。
|
8週 |
前期中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
1自由度系の自由振動(粘性減 衰がある場合)① |
過減衰,臨界減衰,不足減衰に分類して,挙動を解析できる。
|
10週 |
1自由度系の自由振動(粘性減 衰がある場合)② |
過減衰,臨界減衰,不足減衰を説明できる。
|
11週 |
1自由度系の自由振動(粘性減 衰がある場合)③ |
対数減衰率を算出できる。
|
12週 |
1自由度系の自由振動(粘性減 衰がある場合)④ |
対数減衰率を算出できる。
|
13週 |
1自由度系の自由振動(摩擦がある場合)① |
摩擦がある場合の挙動を解析できる
|
14週 |
1自由度系の自由振動(摩擦がある場合)② |
摩擦がある場合の挙動を解析できる。
|
15週 |
1自由度系の自由振動(摩擦がある場合)③ |
摩擦がある場合の挙動を解析できる。
|
16週 |
前期期末試験 |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
1自由度系の強制振動(調和外力を受け,粘性減衰がない場合)① |
減衰がなく,調和外力を受ける場合の挙動を解析できる。
|
2週 |
1自由度系の強制振動(調和外力を受け,粘性減衰がない場合)② |
周波数応答を解析できる。
|
3週 |
1自由度系の強制振動(調和外力を受け,粘性減衰がある場合)① |
減衰があり,調和外力を受ける場合の挙動を解析できる。
|
4週 |
1自由度系の強制振動(調和外力を受け,粘性減衰がある場合)② |
周波数応答を解析できる。
|
5週 |
1自由度系の強制振動(調和変位を受ける場合)① |
調和変位を受ける場合の挙動を解析できる。
|
6週 |
1自由度系の強制振動(一般の周期外力・周期変位を受ける場合)① |
一般の周期外力・周期変位を受ける場合の挙動を解析できる
|
7週 |
1自由度系の強制振動(一般の周期外力・周期変位を受ける場合)② |
一般の周期外力・周期変位を受ける場合の挙動を解析できる
|
8週 |
後期中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
2自由度系の自由振動(粘性減衰がない場合)① |
2自由度系の自由振動における固有振動数を算出できる。
|
10週 |
2自由度系の自由振動(粘性減衰がない場合)② |
2自由度系の自由振動における挙動を解析できる。
|
11週 |
2自由度系の自由振動(粘性減衰がない場合)③ |
2自由度系の自由振動における挙動を解析できる。
|
12週 |
2自由度系の自由振動(粘性減衰がない場合)④ |
2自由度系の自由振動における挙動を解析できる。
|
13週 |
2自由度系の自由振動(粘性減衰がない場合)⑤ |
2自由度系の自由振動における挙動を解析できる。
|
14週 |
2自由度系の強制振動(粘性減衰がない場合)① |
2自由度系の強制振動を解析できる
|
15週 |
2自由度系の強制振動(粘性減衰がない場合)② |
2自由度系の強制振動を解析できる
|
16週 |
後期期末試験 |
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | |
慣性の法則について説明できる。 | 3 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 3 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | |
重心に関する計算ができる。 | 3 | |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 振動の種類および調和振動を説明できる。 | 3 | |
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | |
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | |
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | |
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | |