応用物理Ⅲ

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用物理Ⅲ
科目番号 5M021 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 振動・波動 小形正男 裳華房 978478532088
担当教員 塚原 規志

到達目標

□ 多自由度系における質点の運動方程式が書ける.
□ 運動方程式を解き, 基準モードを求めることができる.
□ フーリエ解析を用いて, 連続体の振動を解析することができる.
□ それらの知識を, 実際の現象に応用することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1フーリエ級数展開を利用して, 連成振動の運動方程式を解析し, 規準振動を導くことができる. またこれを利用して, 対応する物理現象に応用することができる.フーリエ級数展開を利用して, 連成振動の運動方程式を解析し, 規準振動を導くことができる. フーリエ級数展開を利用して, 連成振動の運動方程式を解析し, 規準振動を導くことができない.
評価項目2フーリエ変換を利用して, 波動方程式の境界値問題の一般解を導くことができる. またこれを利用して, 対応する物理現象に応用することができる.フーリエ変換を利用して, 波動方程式の境界値問題の一般解を導くことができる.フーリエ変換を利用して, 波動方程式の境界値問題の一般解を導くことができない.
評価項目3さまざまな場合について運動方程式から 振動・波動現象を解析することができる。基本的な場合について運動方程式から 振動・波動現象を解析することができる。基本的な場合について運動方程式から 振動・波動現象を解析することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
フーリエ解析のテクニックを用いた, 大学教養程度の線型の振動・波動現象に関する基本的な理論を学習する.
授業の進め方・方法:
座学
注意点:
様々な学問の中で, 物理学はその修得に著しい困難を感じる学生が特に多い学問です. 復習を中心に, 日頃から地道に学習に努めて下さい. また一人では解決できそうにない疑問点を, 納得できないまま何日も放置しないようにしましょう. このような疑問点は決して一人で抱え込んだりせず, 先生や物理の得意な級友に, その都度早め早めに質問して教えてもらうことを強くお勧めします. 応用物理Iの内容(運動方程式の立て方, その解き方)の復習と高校物理の内容(波動)の復習をしておくと良いでしょう.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1自由度の振動(1) 基本的な単振動について運動方程式を解析できる.
2週 1自由度の振動(2) さまざまな場合の単振動について運動方程式を解析できる.
3週 1自由度の振動(3) .単振動についてさまざまな観点から理解できる。
4週 2自由度系の連成振動(1) .基準振動, 固有角振動数について説明できる
5週 2自由度系の連成振動(2) 様々な2自由度系の連成振動について運動方程式を解析できる
6週 多自由度系の連成振動 基準振動について理解できる。
7週 連続体の振動 連続体の運動方程式と連続体の振動を理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 減衰振動 抵抗のある場合の運動が理解できる。
10週 強制振動 強制振動が理解できる。
11週 多自由度の強制振動、1次元の波 簡単な場合について多自由度の強制振動が理解できる。1次元の波の基本が理解できる。
12週 分散がない場合の進行波 分散がない場合について、反射波、定在波が理解できる。
13週 連続的な波数を持つ波の重ね合わせ 連続的な波数を持つ波の重ね合わせについて、波束、パルスが理解できる。
14週 3次元空間の波 平面波、球面波、および電磁波の初歩について理解できる。
15週 前期定期試験
16週 答案返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力6000002080
専門的能力100000010
分野横断的能力100000010