機械工学技術者として必要不可欠な力学的視点を基礎とする方法論と機械・構造物設計における実問題を解決する能力を学修する.3年生では,2年生で学習した材料力学を基礎に発展的な内容として,はり理論の応用を理解する.また,多軸応力下の応力・ひずみ関係の学修により,応力主軸・主応力の概念を理解する.さらに,数値解析手法の基礎となるエネルギ原理に基づいた解析手法についても学習し,より高度な機械構造物の設計の基礎を修得する.
【V-A-3】機械構造物に作用する力と部材に生ずるさまざまな変形を理解することで,各種機械構造物を合理的かつ安全に
設計することができる.
概要:
材料力学は,機械や構造物が安全にかつ経済的に使用されるために必要な強度・構造設計に関する基礎的な学問であり,機械技術者が理解すべき最重要科目である.本授業では,機械工学技術者として必要不可欠な力学的視点を基礎とする方法論と機械・構造物設計における実問題を解決する能力を学修する.
授業の進め方・方法:
講義では数多くの例題を解説し,内容理解と応用力養成の目的から,多くの問題演習を課す.1年生で履修した物理,基礎数学I,IIの復習はもちろんのこと,2年生で履修する微積分I,線形代数をしっかりと勉強すること.
注意点:
「総合評価」に記載の通り,理解の定着を図るため毎回,復習のための小テストを実施する.積極的な自学自習,講義参加(ノートを取る・ペアワーク・グループワーク)が必要不可欠である.
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
はりの理論・各種外力下での単純支持はりのたわみ【航】 |
【V-A-3:15-6】曲げ変形によって生ずるたわみ角およびたわみ量が評価できる.
|
2週 |
はりの理論・曲げ変形を受けるはり/たわみの基礎式の誘導(2)【航】 |
【V-A-3:15-6】曲げ変形を記述するたわみの基礎式が誘導できる.
|
3週 |
はりの理論・各種外力下での片持ちはりのたわみ【航】 |
【V-A-3:15-6】片持ちはりの変形が理解できる
|
4週 |
はりの理論・各種外力下での単純支持はりのたわみ【航】 |
【V-A-3:15-6】単純支持はりの変形が理解できる
|
5週 |
はりの理論・不静定はりのたわみ変形(1)【航】 |
【V-A-3:15-6】不静定はりの変形が理解できる
|
6週 |
はりの理論・不静定はりのたわみ変形(2) |
【V-A-3:15-6】不静定はりの変形が理解できる
|
7週 |
はりの理論・はりの理論のまとめ/まとめ演習 |
【V-A-3:15-6】複雑なはりの変形が理解できる
|
8週 |
中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
組合せ応力・任意の横断面に生ずる内力によって評価される垂直応力,せん断応力(1) |
【V-A-3:16-2】任意の斜面上に生ずる応力について理解できる.
|
10週 |
組合せ応力・任意の横断面に生ずる内力によって評価される垂直応力,せん断応力(2) |
【V-A-3:16-2】角度の関数で表現される垂直応力,せん断応力 の極値が計算できる.主応力,主せん断応力の概念が理解でき る.
|
11週 |
組合せ応力・モールの応力円(1) |
【V-A-3:16-2】図式解法により主応力,主せん断応力が算出で きる.
|
12週 |
組合せ応力・モールの応力円(2) |
【V-A-3:16-2】モールの応力円上で任意斜面上での応力状態に ついて説明できる.
|
13週 |
組合せ応力・一般化された応力ーひずみ関係,多軸応力状態 |
【V-A-3:16-1】多軸応力の意味を説明できる.
|
14週 |
組合せ応力・平面応力/平面ひずみ近似【航】 |
【V-A-3:16-1】多軸応力問題を2次元問題へ縮退することができ る.
|
15週 |
組合せ応力・曲げとねじりを受ける軸-軸設計 |
【V-A-3:16-1】多軸応力状態におかれた軸の設計指針を提示で きる.
|
16週 |
期末試験 |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
組合せ応力・内圧を受ける薄肉円筒/薄肉球殻【航】 |
【V-A-3:16-1】多軸応力問題の拡張として薄肉円筒,薄肉球殻 の応力計算ができる.
|
2週 |
組合せ応力・焼きばめ問題,円周応力/円周ひずみの関係式 |
【V-A-3:16-1】多軸応力問題の拡張として薄肉円筒,薄肉球殻 の応力計算ができる.
|
3週 |
ひずみエネルギ・種々の外力に対するひずみエネルギとその表式(1)-引張・圧 縮,せん断 |
【V-A-3:17-1】引張・圧縮・せん断変形を受ける部材内に蓄積するひずみエネルギの評価ができる.
|
4週 |
ひずみエネルギ・種々の外力に対するひずみエネルギとその表式(2)-引張・圧 縮,せん断 |
【V-A-3:17-2】ねじり・曲げ変形を受ける部材内に蓄積するひずみエネルギの評価ができる.
|
5週 |
ひずみエネルギ・一般化力-一般化変位系でのひずみエネルギ表現 |
【V-A-3:17-1,2】一般化力-一般化変位系でのひずみエネルギ 表現が理解できる.
|
6週 |
ひずみエネルギ・衝撃による変形と応力 |
【V-A-3:8-1,2】エネルギ保存則をベースとした力学計算ができる.
|
7週 |
中間試験 |
|
8週 |
ひずみエネルギ・Maxwellの相反定理,Bettiの相反定理,トラス構造物に対するCastiglianoの定理【航】(1) |
【V-A-3:17-3】各種定理を用いて未知の一般化力,一般化変位が求められることを理解する.
|
4thQ |
9週 |
ひずみエネルギ・Maxwellの相反定理,Bettiの相反定理,トラス構造物に対するCastiglianoの定理【航】(2) |
【V-A-3:17-3】各種定理を用いて未知の一般化力,一般化変位が求められることを理解する.
|
10週 |
ひずみエネルギ・Castiglianoの定理とその応用 |
【V-A-3:17-3】各種定理を用いて未知の一般化力,一般化変位が求められることを理解する.
|
11週 |
ひずみエネルギ・変分原理,一般化外力-一般化変位との関係について |
【V-A-3:8-1,17-3】変分法をベースに力のつりあい式が導出されることが理解できる.
|
12週 |
複雑なはりの問題 ・連続はりと3モーメントの式,SFDとBMD(1)【航】 |
3モーメントの式の導出過程が理解できる.関連するSFD,BMDの作図ができる.
|
13週 |
複雑なはりの問題 ・連続はりと3モーメントの式,SFDとBMD(2)【航】 |
3モーメントの定理を用いて未知反力・モーメントが求められる.
|
14週 |
断面の幾何学・断面の幾何学(慣性テンソル),主断面二次モーメントのモールの円 (1)【航】 |
断面相乗モーメントが求められる.慣性テンソルにおける主値について理解できる.
|
15週 |
断面の幾何学・断面の幾何学(慣性テンソル),主断面二次モーメントのモールの円 (2)【航】 |
断面相乗モーメントが求められる.慣性テンソルにおける主値について理解できる.
|
16週 |
期末試験 |
|