到達目標
機械工学技術者として必要不可欠な力学的視点を基礎とする方法論と機械・構造物設計における実問題を解決する能力を学修する.4年生では,3年生で学習した材料力学を基礎に発展的な内容として,はり理論の応用を理解する.また,多軸応力下の応力・ひずみ関係の学修により,応力主軸・主応力の概念を理解する.さらに,数値解析手法の基礎となるエネルギ原理に基づいた解析手法についても学習し,より高度な機械構造物の設計の基礎を修得する.
【V-A-3】機械構造物に作用する力と部材に生ずるさまざまな変形を理解することで,各種機械構造物を合理的かつ安全に設計することができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限必要な到達レベル(可) |
曲げ変形時に起こる「たわみ変形」の評価ができる. | たわみの基礎式の導出過程に用いた力学的な前提条件について理解できる. | 右に加えて,力学的不静定問題に対する各種境界値問題が解ける. | たわみの基礎式により,力学的静定問題
に対する各種境界値問題が解ける. |
多軸応力下での応力-ひずみ関係式か応力主軸・主応力の概念を理解できる. | 3次元応力状態から具体的な力学事例とともに,2次元平面問題への縮退が可能となることを理解できる. | せん断応力=零の極値問題から応力主軸,主応力が算出できる. | 一軸問題と多軸問題の違いが理解できる. |
エネルギ原理に基づく材料の変形,応力評価ができる. | 右に加えて,これまでに学修してきた変形体の力学が,エネルギ原理をベースとした力学体系で説明可能であることが理解できる. | 一般化外力-一般化変位系と関連する諸法則について理解できる. | 引張・圧縮系,ねじり系,曲げモーメント系でのひずみエネルギ評価ができる. |
理論の前提条件やその適用範囲についての十分な理解を通して,エンジニアとして必要な『工学的センス』を身に付ける. | 右に加えて,用いている力学モデルの前提条件について説明できる. | 各種外力下で,部材内部に生ずる変形について説明できる. | 各種外力下で,部材内部に生ずる変形について概ね理解できる. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
材料力学は,機械や構造物が安全にかつ経済的に使用されるために必要な強度・構造設計に関する基礎的な学問であり,機械技術者が理解すべき最重要科目である.本授業では,機械工学技術者として必要不可欠な力学的視点を基礎とする方法論と機械・構造物設計における実問題を解決する能力を学修する.
授業の進め方・方法:
講義では数多くの例題を解説し,内容理解と応用力養成の目的から,多くの問題演習を課す.1年生で履修した物理,基礎数学I,IIの復習はもちろんのこと,2年生で履修する微積分I,線形代数,3年生で履修する微積分II,材料力学設計Iをしっかりと復習しておくこと.
注意点:
「総合評価」に記載の通り,理解の定着を図るため毎回,復習のための小テストを実施する.積極的な自学自習,講義参加(ノートを取る・ソロワーク・ペアワーク・グループワーク)が必要不可欠である.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
はりの理論・各種外力下での単純支持はりのたわみ【航】 |
【V-A-3:15-6】曲げ変形によって生ずるたわみ角およびたわみ量が評価できる.
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2週 |
はりの理論・曲げ変形を受けるはり/たわみの基礎式の誘導【航】 |
【V-A-3:15-6】曲げ変形を記述するたわみの基礎式が誘導できる.
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3週 |
はりの理論・各種外力下での片持ちはり,単純支持はりのたわみ【航】 |
【V-A-3:15-6】片持ちはりの変形が理解できる. 【V-A-3:15-6】単純支持はりの変形が理解できる.
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4週 |
はりの理論・不静定はりのたわみ変形【航】 |
【V-A-3:15-6】不静定はりの変形が理解できる.
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5週 |
組合せ応力・任意の横断面に生ずる内力によって評価される垂直応力,せん断応力 |
【V-A-3:16-2】角度の関数で表現される垂直応力,せん断応力の極値が計算できる.主応力,主せん断応力の概念が理解できる.
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6週 |
組合せ応力・モールの応力円 |
【V-A-3:16-2】図式解法により主応力,主せん断応力が算出できる.
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7週 |
組合せ応力・一般化された応力ーひずみ関係,多軸応力状態 |
【V-A-3:16-1】多軸応力の意味を説明できる.
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
組合せ応力・平面応力/平面ひずみ近似【航】,曲げとねじりを受ける軸-軸設計 |
【V-A-3:16-1】多軸応力問題を2次元問題へ縮退することができる. 【V-A-3:16-1】多軸応力状態におかれた軸の設計指針を提示できる.
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10週 |
ひずみエネルギ・種々の外力に対するひずみエネルギとその表式-引張・圧 縮,せん断,ねじり変形,曲げ変形 |
【V-A-3:17-3】各種定理を用いて未知の一般化力,一般化変位が求められることを理解する.
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11週 |
ひずみエネルギ・一般化力-一般化変位系でのひずみエネルギ表現 |
【V-A-3:17-1,2】一般化力-一般化変位系でのひずみエネルギ表現が理解できる.
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12週 |
ひずみエネルギ・衝撃による変形と応力 |
【V-A-3:8-1,2】エネルギ保存則をベースとした力学計算ができる.
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13週 |
ひずみエネルギ・Maxwellの相反定理,Bettiの相反定理,トラス構造物に対するCastiglianoの定理【航】 |
【V-A-3:17-3】各種定理を用いて未知の一般化力,一般化変位が求められることを理解する.
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14週 |
ひずみエネルギ・Castiglianoの定理とその応用 |
【V-A-3:17-3】各種定理を用いて未知の一般化力,一般化変位が求められることを理解する.
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15週 |
ひずみエネルギ・変分原理,一般化外力-一般化変位との関係について |
【V-A-3:8-1,17-3】変分法をベースに力のつりあい式が導出されることが理解できる.
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16週 |
期末試験 |
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評価割合
| 定期試験 | 小テスト | レポート | その他(演習課題・ 発表・実技・成果物) | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 25 | 0 | 15 | 100 |
基礎的理解 | 45 | 15 | 0 | 10 | 70 |
応用力(実践・専門・融合) | 15 | 0 | 0 | 0 | 15 |
社会性(プレゼン・コミュニケーション・PBL) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
主体的・継続的学修意欲 | 0 | 10 | 0 | 5 | 15 |