到達目標
1)科学としての安全についての正確な知識と理解をもち、化学物質のリスクについては技術者としての視点のみならず一般消費者としての視点も併せてもつこと。(川口)
2)事故が起こる要因を分析する能力の修得に注力すること。(外崎)
3)各種災害の発生過程と対策について説明できること。(南)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
安全性とリスク概念 | 安全の意味や管理、リスク概念等を十分に理解できる | 安全の意味や管理、リスク概念等を理解できる | 安全の意味や管理、リスク概念等を理解できない |
労働安全 | 事故を起こさない為の知識や考え方を十分に理解できる | 事故を起こさない為の知識や考え方を理解できる | 事故を起こさない為の知識や考え方を理解できない |
災害と防災 | 各種災害の特徴と基本的な防災知識を十分に理解できる | 各種災害の特徴と基本的な防災知識を理解できる | 各種災害の特徴と基本的な防災知識を理解できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
【開講学期】春学期週2時間、夏学期週2時間
1)「安全と安心」を食の安全を例に学ぶ。 科学としての「安全」の意味、「安全」はいかに担保(管理)されるか、リスクの概念などを学ぶことを目的とする。(川口)
2)企業における事故災害の発生要因、発生メカニズムを理解し、災害を起こさない為の知識、考え方を修得することを目的とする。(外崎)
3)地震・津波・土砂災害・風水害など、数多くの災害を未然に予知・防止し、被害を軽減して速やかな災害復旧の為に、基本的な防災関連知識を習得する。(南)
※実務との関係
この科目は、安全性とリスク概念、労働安全、災害と防災について講義形式で授業を行うものである。全15週のうち、第1週から第5週は、民間企業で化学物質の安全性試験を担当した教員が、その経験を活かし、安全性とリスクの概念について講義形式で授業を行う。また第11週から第15週の授業は、労働基準監督署で労働安全衛生対策などを担当していた者が担当する。
授業の進め方・方法:
1) 安全と安心は別物であるということを理解するために、安全を科学で捉えていく。その安全を担保するにはどのようにすればよいか、化学物質の法規制とその必要性も含めて解説する。(川口)
2)出来る限り実際の事故災害例、工場における実際の安全確保の為の活動等、安全管理の基本と企業経営との関係を紹介する。また、 各種の災害防止方法については、出来るだけ具体的内容を取り上げる。(外崎)
3)日本列島は世界でも有数の災害多発地帯である。自然は美しさ・豊かさを与える一方で災害をもたらす。主に災害の事例と復興対策を取り上げ、日々の防災意識の重要性を説明する。(南)
注意点:
1)化学物質の負の側面を扱う。講義内容から下欄の到達目標に記載された項目を考え、法令遵守の意識をもって履修すること。また、安全はすべてに優先する、技術を社会と環境の安全に役立てるにはどのようにすればよいか、過技術者と川下ユーザーの視点の相違などの問題意識をもって履修すること。(川口)
2)直近の公表されている労働災害に注力し、安全用語の習得に努める。(外崎)
3)過去の災害事例と防災意識に関心を持つ事が重要である。(南)
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
安全vs安心 |
安全と安心は別物であること、安全係数が理解できること
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2週 |
食品のリスク要因と制御 |
食品のリスク要因が理解できること
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3週 |
食品のリスクアセスメント |
ADIを算出でき、その意義が理解できること
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4週 |
食の安全管理システム |
食品の安全管理(特に、リスク評価、リスク管理)が理解できること
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5週 |
食のリスクコミュニケーション |
食の安全について、リスクコミュニケーションの重要性を実例をもって理解できること
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6週 |
地球の構造と災害の種類 |
地球の構造と様々な種類の災害の特徴を理解できる
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7週 |
地震・津波災害の事例と対策 |
地震の発生過程や回数、その後に発生する津波に関する基礎知識と減災対策について理解できる
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8週 |
風水害の事例と対策 |
風水害の発生過程や頻度等に関する基礎知識と減災対策について理解できる
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2ndQ |
9週 |
土砂災害の事例と対策 |
3種類の土砂災害(崖崩れ、地すべり、土石流)と液状化の発生過程と減災対策について理解できる
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10週 |
火山噴火の事例と対策 |
火山の数と所在地や火山災害の特徴、および減災対策について理解できる
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11週 |
労働災害の指標、事故の種類 |
業種別・事故の型別等の労働災害発生状況について理解できる。
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12週 |
労働災害の原因分析手法 |
災害事例について、原因分析の手法及び再発防止対策の立て方を理解できる。
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13週 |
企業経営と安全管理 |
各企業で実際に取り組んでいる自主的安全活動を理解できる。併せて、労働災害の事業者責任について理解できる。
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14週 |
危険予知訓練(KYT)手法、災害調査、労働安全 衛生マネジメンシステムの進め方 |
危険予知訓練(KYT)、労働安全衛生マネジメンシステム等について、その考え方、進め方を理解できる。
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15週 |
リスクアセスメント |
リスクアセスメントの目的と意義、考え方及び進め方について理解できる。
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16週 |
試験およびまとめ |
間違った問題の正答を導き出す事ができる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
専門的能力 | 100 | 100 |