電気電子工学実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気電子工学実験Ⅲ
科目番号 0028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気電子系共通科目) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 【教科書】苫小牧高専創造工学科電気電子系編「電気電子工学実験III 説明書」/【教材】堀重雄 著「電気実験・電子編(改訂版)」電気学会,電気学会通信教育会著「電気実験・機器電力編(修正増補版)」 電気学会,木下是雄 著「理科系の作文技術」中公新書,Robert Barrass: Scientists Must Write(A Guide to Better Writing for Scientists, Engineers and Students), Falmer Pr
担当教員 赤塚 元軌,上田 茂太,奥山 由,工藤 彰洋,佐々木 幸司,佐沢 政樹,奈須野 裕,山田 昭弥,堀 勝博

到達目標

1) 実験内容の理解とともにデータの処理,解析方法および論述方法を身につけ,技術者として実践的な報告書を作成することができる。
2) 班のメンバーと協力し,円滑かつ効率的な実験を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験内容を十分に理解している実験内容を理解している。実験内容を理解していない。
評価項目2データ処理、解析方法、論述方法が十分に身についており、技術者として実践的な完成度の高い報告書を作成できる。データ処理、解析方法、論述方法が身についており、技術者として実践的な報告書を作成できる。データ処理、解析方法、論述方法が身についておらず、報告書を作成できない。
評価項目3班員と綿密に協力して、円滑かつ効率的に実験を行うことができる。班員と協力して、円滑かつ効率的に実験を行うことができる。班員と協力できず、円滑かつ効率的に実験を行うことができない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性

教育方法等

概要:
電気・電子工学の各分野における応用的な実験を行うことで,講義で得た知識を深め,さらに発展させる能力を養う。また,技術者として必要な理論的解析能力および大局的な思考力を身に付ける。
授業の進め方・方法:
クラスを10班に分けて1テーマ1班で行う。2テーマ毎を目安に実験指導日を設け,当該テーマの実験指導および評価を行う。また,評価は各テーマで実験の態度10%(個人の実験態度,チームワーク),実験の理解度・達成度20%(予習・事前の準備,製作物の完成度。ただし,評価方法は実験テーマ毎に異なるので,詳細については担当教員の説明を受けること),報告書70%(体裁,結果の分析,考察,提出期限の厳守)で行い,全テーマの評価点から総合的に判断したものを本科目の評価点とする。合格点は60点以上である。

注意点:
関数電卓,テスター,工具,グラフ用紙,定規の他,担当教員の指示による用具を用意する。
実験の円滑な実施のための事前学習,および実験後の報告書作成と作成に関する調査等をしっかりと行うこと。
一部のテーマについては、遠隔授業に対応可能であるが、原則として対面で行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 説明日 各テーマにおいて、どのような電気諸量の測定が必要か理解できる。
2週 送電線路特性の測定 模擬送電線を使用して送電線路の回路定数および特性を測定し,これを利用して電力円線図を描くことができる。
3週 制御工学実験 PID制御を通して安定解析法および制御系設計方法を理解する。
4週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け、報告書の作成方法を習得し、当該テーマの理解を深める。
5週 真空蒸着によるCuの薄膜作製 Cuの真空蒸着膜を作製し,その電気的特性を測定する。実験を通して油回転ポンプとターボ分子ポンプの動作原理および取扱い方を理解する。
6週 三相同期発電機の並行運転 三相同期発電機の母線投入条件を理解する。負荷分担実験を通して,発電機入力および力率調整を行うことができる。
7週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け、報告書の作成方法を習得し、当該テーマの理解を深める。
8週 PWMインバータ PWMインバータの動作原理およびその基本特性を理解する。高調波解析を行うことができる。
2ndQ
9週 アクティブフィルタの実験 演算増幅器を使用した二次伝達関数を持つフィルタを形成し,アクティブフィルタの原理と特性を理解する。
10週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け、報告書の作成方法を習得し、当該テーマの理解を深める。
11週 各種信号の周波数スペクトルの解析 方形波やインパルスをはじめ各種波形および変調波の周波数スペクトルを解析し,スペクトルが理論通りであることを理解する。また,実際の放送や携帯電話のスペクトルを観察し,理解する。
12週 ディジタル回路シミュレーション ディジタル回路についての理解を深めるとともに,回路シミュレータを使用したディジタル回路設計方法を理解する。
13週 ディジタルフィルタを用いた信号処理 ディジタル信号処理技術の基礎について理解することを目的とし、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)の原理および使い方を習熟する。また、DSPボードを用いたディジタルフィルタの設計法と実装法について習得する。
14週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け、報告書の作成方法を習得し、当該テーマの理解を深める。
15週 レポート指導 報告書の体裁および内容について指導を受け、報告書の作成方法を習得し、当該テーマの理解を深める。また、学期内の報告書提出を完了させる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4前1
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4前9,前11
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4前1,前4,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。4
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。4
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。4
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。4
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4前9,前11
共振について、実験結果を考察できる。4前9,前11
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4前9,前12
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4前9,前12
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
ディジタルICの使用方法を習得する。4前9

評価割合

実験態度実験の理解度・達成度報告書合計
総合評価割合102070100
評価項目1020020
評価項目2007070
評価項目3100010