数学ⅢB(3E)

科目基礎情報

学校 秋田工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 数学ⅢB(3E)
科目番号 0046 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般教科(自然科学系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高専テキストシリーズ 線形代数(上野健爾 監修・森北出版),工科の数学 確率・統計(第2版)(田代嘉宏 著・森北出版),新 微分積分Ⅱ(高遠節夫ほか5名 著・大日本図書),問題集:秋田高専 新 数学問題集 2・3( 秋田高専数学科 編),その他:自製プリントの配布
担当教員 金田 保則

到達目標

1.線形変換の意味を理解し、その表現行列、合成変換や逆変換、直行変換などを求め、座標や図形の線形変換を行うことができる。
2.正方行列の固有値と固有ベクトルを固有値方程式から求めることができる。
3.確率の意味を理解し、さまざまな事象における確率や、条件付き確率を求めることができる。確率分布の意味を理解し、分布表から平均・分散・標準偏差を求め、分布の特徴を説明することができる。
4.具体的な資料から、ヒストグラムを作成したり平均・分散・標準偏差を求めることができ、さらにその資料の統計的特徴を説明することができる。正規分布の特徴を理解し、様々な事例における確率を求めることができる。
5.微分方程式の意味を理解し、与えられた1階微分方程式の一般解や特殊解を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
線形代数:線形変換線形変換の意味を理解し、その表現行列、合成変換や逆変換、直行変換などについての応用問題を解くことができる。線形変換の意味を理解し、その表現行列、合成変換や逆変換、直行変換などについての基本問題を解くことができる。線形変換の意味が理解できない。表現行列、合成変換や逆変換、直行変換などについての基本問題を解くことができない。
線形代数:固有値問題高次正方行列の固有値と固有ベクトルを固有値方程式から求めることができる。2次正方行列の固有値と固有ベクトルを固有値方程式から求めることができる。2次正方行列の固有値と固有ベクトルを固有値方程式から求めることができない。
確率統計:事象と確率・確率分布確率の意味を理解し、さまざまな事象における確率や、条件付き確率を求めることができる。確率分布の意味を理解し、分布表から平均・分散・標準偏差を求め、分布の特徴を説明することができる。確率の意味を理解し、簡単な事象における確率や、条件付き確率を求めることができる。確率分布の意味を理解し、分布表から平均・分散・標準偏差を求めることができる。確率の意味を理解できない。簡単な事象における確率や、条件付き確率を求めることができない。確率分布の意味を理解できない。分布表から平均・分散・標準偏差を求めることができない。
確率統計:資料の整理・正規分布具体的な資料から、ヒストグラムを作成したり平均・分散・標準偏差などを求めることができ、さらにその資料の統計的特徴を説明することができる。正規分布の特徴を理解し、様々な事例における確率を求めることができる。具体的な資料から、ヒストグラムを作成したり平均・分散・標準偏差などを求めることができる。正規分布の特徴を理解し、簡単な事例における確率を求めることができる。具体的な資料から、ヒストグラムを作成することができない。平均・分散・標準偏差などを求めることができない。正規分布の特徴を理解できない。正規分布に関連した確率を求めることができない。
微分方程式:1階微分方程式微分方程式の意味を理解し、与えられた方程式の一般解や特殊解を求めることができる。この分野の応用問題が解ける。微分方程式の意味を理解し、与えられた方程式の一般解や特殊解を求めることができる。この分野の基本問題が解ける。微分方程式の意味を理解できない。与えられた方程式の一般解や特殊解を求めることができない。この分野の基本問題が解けない。

学科の到達目標項目との関係

(B)工学基礎知識の習得 B-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
線形代数における線形変換や固有値問題の意味を理解し、これに関する基本的な計算力を修得する。
確率・統計学の基本的な知識と計算技能を修得する。
微分方程式の解法、特に1階微分方程式の解法を修得する。
授業の進め方・方法:
講義を中心とするが、必要に応じてグループワークを活用した演習形式を交えて行う。
適宜小テストを実施し、また演習課題レポート、宿題を課す。
注意点:
合格点は50点である。中間の成績は試験100%とする。前期末の成績は,前期中間と前期末の試験結果を70%,演習課題と小テストなどを30%で評価する。特に,演習課題未提出者は単位取得が困難となるので注意すること。
学年総合評価 =(中間・期末試験の平均点)×0.7+(演習課題や小テストなど)×0.3
(講義を受ける前)しっかりと予習をしておくこと。
(講義を受けた後)復習を徹底し、分からない部分を理解できるようにしておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
線形変換とその表現行列
授業の進め方と評価の仕方について説明する
線形変換の定義を理解し、表現行列を求めることができる
2週 合成変換と逆変換 恒等変換・合成変換・逆変換を理解し、それらの表現行列を求めることができる
3週 原点を中心とする回転
対称変換
原点を中心とする回転を表す線形変換を理解し、その表現行列を求めることができる
対称変換を理解する
4週 直交行列と直交変換 直交行列と直交変換の関係を理解し、与えられた直交変換の表現行列を求めることができる
5週 固有値と固有ベクトル1 固有値と固有ベクトルの定義を理解し、固有方程式を解くことができる
2次正方行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる
6週 固有値と固有ベクトル2 3次正方行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる
7週 場合の数
試行と事象
nPr,n!,nCr の値を計算することができ、簡単な場合の数の問題を解くことができる
試行と事象を理解する
8週 到達度試験(前期中間)
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する
2ndQ
9週 到達度試験の解説と解答
確率の意味
到達度試験の解説と解答
簡単な確率の問題が解くことができる
10週 確率の計算1 確率の基本的性質を用いて確率を求めることができる
11週 確率の計算2 条件付き確率を求めることができる
12週 独立事象 事象の独立、試行の独立を理解し、独立試行の確率を求めることができる
13週 確率変数と確率分布
平均と分散・標準偏差1
平均と分散・標準偏差2
確率変数と確率分布を理解する
確率変数の平均・分散・標準偏差を求めることができる
確率変数の1次式の平均・分散を求めることができる
14週 二項分布 二項分布の平均と分散を求めることができる
15週 到達度試験(前期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する
16週 到達度試験の解説と解答
確率変数の和と積
到達度試験の解説と解答
確率変数の和・積の平均を理解する
後期
3rdQ
1週 度数分布表
資料の平均・分散
度数分布表がわかる
資料の平均・分散を理解し、与えられた資料の平均・分散を求めることができる
2週 資料の平均・分散の演習 エクセルを利用して、与えられた資料の平均・分散を求めることができる
3週 母集団と標本
2変量の解析
母集団と標本がわかる
与えられた2変量の標本について共分散・相関係数・回帰直線を求めることができる
4週 2変量の解析の演習 エクセルを利用して、与えられた2変量の標本について共分散・相関係数・回帰直線を求めることができる
5週 正規分布1 正規分布を理解し、標準化変換することができる
6週 正規分布2
正規分布の平均・分散
標準正規分布に従う確率変数について確率を計算することができる
正規分布の平均・分散がわかる
7週 到達度試験(後期中間) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する
8週 到達度試験の解説と解答
微分方程式の意味
微分方程式の解
到達度試験の解説と解答
微分方程式と解の意味がわかる
4thQ
9週 変数分離形 変数分離形微分方程式を解くことができる
10週 同次形 同次形微分方程式を解くことができる
11週 演習 上記項目について学習した内容の総復習を行う
12週 1階線形微分方程式1 1階線形微分方程式の解法がわかる
13週 1階線形微分方程式2 1階線形微分方程式を解くことができる
14週 演習 上記項目について学習した内容の総復習を行う
15週 到達度試験(後期末) 上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する
16週 到達度試験の解説と解答 到達度試験の解説と解答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。2前1
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。2前2
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。2前3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。2
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。2
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。2
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。2前9,前10,前12
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。2前11
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。2後1,後2
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。2後4

評価割合

試験レポート・小テスト・発表・その他合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000