物理学IIAで扱った円運動及び単振動をもとに、波動の性質・波の伝わり方・反射と屈折・干渉について一次元的、二次元的に説明できるようにする。また、波動の一種である音や光について、楽器や回折・干渉といった現象を解析できるようにする。
概要:
中間試験までに「波動の基礎」として、波の基本性質、一次元的な波の広がり、二次元的な波の広がりについて学ぶ。中間試験以降、波動現象の例として「音」及び「光」を扱い、定量的な計算ができるようにする。
授業の進め方・方法:
講義・演習を組み合わせた授業を行う。「自ら学ぶ」力を得られるよう積極的に授業に参加してもらいたい。
授業ではできる限り演示実験や動画等を使って感覚的にも理解できる授業を目指すが、各自が普段の生活の中でみられる現象を思い出したり、さまざまな条件下での現象を思い浮かべる「想像力」を発揮してもらいたい。
注意点:
・物理学IIAに引き続き、プリントを多く使用する。そのためA4サイズのプリントを挟むZファイルを用意してもらいたい。
・授業外での物理学IIに関する勉強を1冊のノートに行うようにする。そのため自習ノート(B5)を用意してもらいたい(物理学IIAの続きでよい)。
・コンパス、三角定規(2枚)を使用する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
波の概念 |
波に関する基本的な用語を説明することができる。波の発生と進み方を図示し、波長や周期を計算できる。
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2週 |
波の種類と媒質の関係 波の基本式 |
縦波と横波の違いを説明できる。波の種類と媒質のい関係を説明できる。任意の時刻、任意の場所における変位を計算できる。
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3週 |
波の合成と重ね合わせの原理 定常波 |
波の合成を作図することができる。 定常波の性質を説明することができる。
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4週 |
自由端反射と固定端反射 |
自由端反射の様子を作図することができる。固定端反射の様子を作図することができる。
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5週 |
波の干渉とその条件式 |
干渉の条件式を使って、指定された点が弱め合うか強め合うかを判定でき、その点の変位を求めることができる。
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6週 |
平面波の屈折と反射 |
平面波の特徴を説明できる。 平面波の屈折と反射について射線と波面を作図できる。
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7週 |
音の基本特性 うなり |
音の基本的な性質を言葉で説明できる。一秒間あたりのうなりの回数を計算できる。
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8週 |
中間試験 |
後期中間試験までに学習した内容の基本問題を解くことができる。
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4thQ |
9週 |
試験返却と解説 弦の振動 |
弦を伝わる波の速さを計算できる。 弦から生じる基本振動数、倍音の振動数を計算できる。
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10週 |
気柱共鳴 |
閉管、開管から生じる基本振動数、倍音の振動数を計算できる。開口端補正を計算できる。
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11週 |
ドップラー効果 |
ドップラー効果の原理を理解できる。 ドップラー効果の式を用いて振動数を計算できる。
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12週 |
光の基本特性 |
光の基本的な性質や用語を理解し、言葉で説明することができる。 スネルの法則を使って屈折波の諸量を計算できる。
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13週 |
凸レンズと凹レンズ |
凸レンズ、凹レンズによる光の進み方を図示することができる。写像公式を使って焦点距離や像までの距離を計算できる。
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14週 |
光の回折と干渉 |
ヤングの実験について条件式を用いてスリット幅や光源の波長を計算できる。
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15週 |
まとめ |
後期に学修した内容のまとめを行う
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 3 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 3 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 3 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
波の独立性について説明できる。 | 3 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |