材料学Ⅱ(前期)

科目基礎情報

学校 木更津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 材料学Ⅱ(前期)
科目番号 0128 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 打越二彌著「図解 機械材料 第3版」、東京電機大学出版局、3,300円(税10%込)
担当教員 青葉 知弥

到達目標

固体の構造、格子欠陥、拡散、相変態について、定義および典型的な現象を説明できる。
応力ひずみ曲線および代表的な機械的性質について定性的(一部定量的)に説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
固体の構造、格子欠陥、拡散、相変態逐語的でなく概念的に理解できており、どのような角度から質問されても自分の言葉で答えられる。また、相互の関係を詳しく説明できる。逐語的でなく概念的に理解できており、どのような角度から質問されても語群選択でなら正しく答えられる。また相互の関係を簡単に説明できる。角度を変えて質問されると答えられない。また、相互の関係を説明できない。
応力ひずみ曲線および代表的な機械的性質引張試験中におこる現象、機械的性質、それらの工業的意義の関係を説明できる。引張試験中におこる現象と機械的性質との関係を説明できる。引張試験中におこる現象と機械的性質との関係を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械を設計するには、部品に適した材料を選択できなければならない。また、機械をメンテナンスするには、部品に使われている材料が使用環境から受ける影響や経時変化を知っていなければならない。これらに必要な材料学のやや応用的な知識を学ぶ。予備知識として高校の化学、物理、関数、材料学Iの知識が必要である。材料学Iで学んだことを縦糸とし、材料学IIが横糸となって材料について理解を深める。横糸となるのは格子欠陥、応力ひずみ曲線、加工熱処理などである。
授業の進め方・方法:
講義資料および教科書に示された図や記述の行間の解説を受け、理解する授業形式とする。質疑応答のやりとりを行うとともに、適宜演習課題を配布して理解度を確認する。この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートを実施する。
注意点:
復習を十分に行うことが必要である。不明な点は随時積極的に質問すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 化学結合(1) 金属特性の由来ある金属結合について説明できる
3週 化学結合(2) 金属結合の特徴である自由電子について説明できる
4週 金属光沢、展性・延性、電気伝導、熱伝導 金属特有の性質と金属の内部構造との関係を説明できる。
5週 結晶構造(1) 結晶構造に関する主な専門用語を理解でき、代表的な結晶構造について模式図が描け、その充填率やすきま半径を説明できる。
6週 結晶構造(2) 結晶方位と結晶面について理解でき、ミラー指数を用いて説明することができる。
7週 結晶構造(3) 結晶構造解析について手法および原理を説明できる
8週 演習問題と解説
2ndQ
9週 塑性変形と結晶構造(1) 塑性変形と結晶構造との関係について、面原子密度および線原子密度を用いて説明できる。
10週 塑性変形と結晶構造(2) 転位のすべり変形について説明できる。
11週 相変態と結晶構造 変態に伴う膨張・収縮と結晶構造との関係を説明できる。
12週 Fe-C系平衡状態図 共析炭素鋼について、オーステナイトおよびフェライト中のC濃度を温度を横軸に取って図示できる。
13週 拡散と格子欠陥(1) Fickの法則を使って拡散に関する計算ができる。
14週 拡散と格子欠陥(2) 金属中の拡散の原理が説明できる。
15週 演習問題 これまでの講義内容を演習を通して理解を深める
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000