システム創造実習

科目基礎情報

学校 阿南工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 システム創造実習
科目番号 1795404 科目区分 専門 / 選択
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 情報コース 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:4 後期:4
教科書/教材 担当教員が作成したテキストを使用
担当教員 福田 耕治,福見 淳二

到達目標

1.種々のシステムについて調査し、そのシステムの要件分析ができる。
2.システム開発・製作の手順を理解し、システム設計ができる。
3.学習・調整・適応システムに関する基本的な構造と動作がわかる。
4.学習・調整・適応システムのいずれかを作成,もしくは利用したシステムを作成することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1既存のソフトウェアを調査し、そのシステムの要件分析、機能分析ができる既存のソフトウェアを調査し、そのシステムの要件分析ができる既存のシステムを調査し、そのシステムの要件分析ができない
評価項目2ソフトウェア開発の手順を理解し、システム設計、工程設計ができるソフトウェア開発の手順を理解し、システム設計ができるソフトウェア開発の手順を理解し、システム設計ができない
評価項目3学習・調整・適応システムの構成や働きがわかる学習・調整・適応システムの基本的な構成や働きがわかる学習・調整・適応システムの構成や働きがわからない
評価項目4学習・調整・適応システムのいずれかのシステムを適用したプログラムを作成することができる学習・調整・適応システムのいずれかのシステムのベースクラス構成を考えることができる学習・調整・適応システムのベースクラス構成がわからない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科目は大きく前期と後期に分けられる。前期では,ソフトウェアを中心とするシステム開発プロセスについて実習を通して、ソフトウェアを含めたシステム設計開発の基本的な流れを理解し、設計、開発、テストを実施することで、システム開発の手法を修得することを目標とする。後期では,ニューラルネットワーク,ファジィシステム,遺伝的アルゴリズムなどの学習・調整・適応システムに関する基礎を学習し,いずれかの手法を用いたシステムの作成に挑戦する。
授業の進め方・方法:
前期はグループで一つのテーマに取り組み,後期は個別のテーマに取り組むこととする。前期は,それぞれグループごとにテーマに沿ったシステムを提案し,設計・試作・運用評価する。最終的にはこれらをまとめ,レポートを提出する。評価は,設計・成果物・運用,それらに対する個々の考察などについておこなう。後期は,知識情報処理の基礎となる,学習・調整・適応システムに関する授業を講義・演習形式で実施する。ニューラルネットワーク,ファジィシステム,遺伝的アルゴリズムのそれぞれについて,プログラムを作成し,いくつかの条件で動作させることで基本的な特徴を把握する。各システムごとにレポートを作成する。
注意点:
基本的に,活動内容と成果をまとめたレポートを授業ごとに提出するようにする。後期の学習・調整・適応システムの学習では,確認のための小テスト,もしくは課題を出題することがある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.要件定義査
(1)既存システム調査
1-(1)既存システムを調査し、そのシステムの要件定義を作れる。
2週 ((2)システム調査結果プレゼン 1-(2)調査したシステムについて、そのシステムの必要性を説明できる。
3週 2.システム案作成
(1)システム案と要件定義
2-(1)チームメンバーと協力してシステム案を立案できる。
4週 (1)システム案と要件定義 2-(1)チームメンバーと協力してシステム案を立案できる。
5週 (2)システム仕様案作成 2-(2)チームメンバーと協力してシステムの要件定義書を作成できる。
6週 (2)システム仕様案作成 2-(3)チームで立案したシステムの仕様書を作成できる。
7週 3.詳細設計・工程計画
(1)システム設計
3-(1)チームで協力して立案したシステム設計ができる。
8週 (2)工程表作成 3-(2)立案したシステムの開発する為の工程表が作成できる。
2ndQ
9週 (3)システム企画案プレゼン 3-(3)チームで立案したシステム案をプレゼンできる。
10週 (4)システム運用計画書作成 3-(4)チームで協力してシステム運用計画書を作成できる。
11週 4.システムの構築
(1)システム開発
4-(1)立案したシステムの開発をチームで協力して実行できる。
12週 (1)システム開発 4-(1)立案したシステムの開発をチームで協力して実行できる。
13週 (2)テスト仕様検討 4-(2)システムのテスト仕様を作成できる。
14週 (3)マニュアル作成 4-(3)ソフトウェアの基本的なマニュアルを作成できる。
15週 (4)システムの運用デモ 4-(4)計画したシステムを運用し運用結果を報告できる。
16週 (4)システムの運用デモ 4-(4)計画したシステムを運用し運用結果を報告できる。
後期
3rdQ
1週 自己評価(グループ討議)と報告書作成 グループにより運用結果も含めて開発したシステム全体を評価し,システム構成も含めて全体のレポートを作成する。
2週 NN1:NNの概念,形式ニューロンモデル ニューラルネットワーク,形式ニューロンモデルについて理解し,形式ニューロンモデルクラスを記述する。
3週 NN2:誤り訂正学習 誤り訂正学習について理解し,その処理を実装する。
4週 NN3:線形分離可能性 線形分離可能性を理解し,分離可能性による学習動作結果の相違を把握する。
5週 NN4:学習推移の記録と比較 誤り訂正学習による学習の推移を記録する。
6週 NN5:NNレポート作成 NN1~NN4で作成したプログラムの内容や動作結果・考察についてレポートにまとめる。
7週 FUZZY1:ファジィ理論の基礎 ファジィ集合,情報のファジィ化を理解し,ファジィ化処理を記述する。
8週 FUZZY2:ファジィ推論 ファジィ推論について理解し,基本的な推論処理を記述する。
4thQ
9週 FUZZY3:簡略形推論 簡略形推論法について理解し,その処理を記述する。
10週 FUZZY4:自己調整機能 自己調整機能などの調整方法を理解し,処理を把握することができる。
11週 FUZZY5:ファジィシステムレポート作成 FUZZY1~4で作成したプログラムの内容や動作結果・考察についてレポートにまとめる。
12週 GA1:遺伝的アルゴリズムとは 遺伝的アルゴリズムの概念,必要な処理機能,各機能の処理アルゴリズムの解説を聞き理解する。提示された具体的な課題とGAとの対応関係を把握する
13週 GA2:各オブジェクトの生成と個体評価 遺伝子,個体,世代等のオブジェクト生成と個体の評価処理を記述する。
14週 GA3:次世代生成のための処理 エリート保存,交叉,突然変異などの処理機能を記述する。
15週 GA4:最適解探索 解探索を実施し,最適解をえることができる。また,解が収束する様子を提示する。
16週 GA5:GAレポート作成 GA1~GA4で作成したプログラムの内容や動作結果・考察についてレポートにまとめる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合040004020100
基礎的能力0100020535
専門的能力0100010525
分野横断的能力02000101040