到達目標
材料力学では,主に弾性変形を巨視力学的な観点から考え,応力,ひずみという基本的な概念の理解と,種々の負荷形式により生じる応力の種類についての理解を深め,各種機器における強度設計の基礎を理解することを目的とします.具体的には,下記の『評価(ルーブリック)』の『標準的な到達レベルの目安(良)』に記載された内容が,本科目の基本的な到達目標となる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
外力と内力の違いを正しく説明することができる. | 複雑な問題であっても,仮想面を正しく仮定でき,内力を求めることができる. | 基本的な問題であれば,仮想面を正しく仮定でき,内力を求めることができる. | 仮想面が正しく仮定できず,内力を求めることができない. |
力のつりあい,モーメントのつりあいを理解し,それぞれのつりあい式を正しく求めることができる. | 複雑な問題であっても,それぞれのつりあい式を正しく求めることができる. | 標準的な問題であれば,それらを正しく求めることができる. | 標準的な問題であっても,それらを求めることができない. |
応力とひずみの定義を理解し,それらを正しく説明することができる. | 負荷様式に応じた応力,ひずみを正確に説明することができる. | 概ね,それらを説明することができる. | いずれについても,正しく求めることができない. |
棒の自重よって生じる応力とひずみを計算できる. | それらを,正確に求めることができる. | 概ね,求めることができる. | 求めることができない. |
断面が変化する棒について、応力と伸びを計算できる. | それらを,正確に求めることができる. | 概ね,求めることができる. | 求めることができない. |
はりの固定,支持方法を理解し,反力,支持モーメントを正しく仮定することができる. | 固定,支持方法に応じて,正確に仮定することができる. | 概ね,正確に仮定することができる. | 仮定することができない. |
集中荷重のみが作用する比較的単純なはりであれば,せん断力,曲げモーメントを求めることができる. | 正しく求めることができる. | 概ね,正しく求めることができる. | 正しく求めることができない. |
面積モーメント法が適用できる分布荷重が作用するはりの,せん断力,曲げモーメントを求めることができる. | 正しく求めることができる, | 概ね,正しく求めることができる. | 正しく求めることができない. |
面積モーメント法が簡単に適用できない分布荷重が作用するはりの場合でも,積分法を用いて,せん断力,曲げモーメントを求めることができる. | 正しく求めることができる, | 概ね,正しく求めることができる. | 正しく求めることができない. |
せん断力,曲げモーメントの式が与えられれば,せん断力線図(S.F.D.),曲げモーメント線図(B.M.D.)を描くことができる. | 正確に描くことができる. | 概ね,描くことができる. | 正しく描くことができない. |
せん断力線図(S.F.D.),曲げモーメント線図(B.M.D.)を見れば,どのような荷重やモーメントが負荷されているはりか,ある程度推察することができる. | 正確にイメージすることができる | 概ねイメージすることができる. | イメージすることができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
材料力学は,機械工学の基本となる科目の一つであり,機器設計等で,必ず必要となる学問です.材料力学を理解することが求められるのではなく,卒業後は,材料力学を道具として,機器設計等の業務に携わることになります.テストのための暗記ではなく,卒業後も忘れずに,知識として身に付くよう,きちんと理解することが求められます.
授業の進め方・方法:
教員単独で行います.基礎科目なので,座学が中心になりますが,適宜,授業中に,演習問題等も取り入れます.
注意点:
質点および剛体の基礎的な静力学について理解していることが望ましい.
レポート等は,すべての課題についての提出が必要です.やむを得ない事情の場合を除き,1通でも未提出のレポートがある場合,提出期限を守らなかった場合などは,単位を認定しません.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,材料力学の基礎① |
力のつりあい,モーメントのつりあいを理解(復習)する.
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2週 |
材料力学の基礎② |
仮想断面を理解し,内力と外力の違いを理解する.
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3週 |
応力とひずみ① |
垂直応力の定義を理解する.
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4週 |
応力とひずみ② |
せん断応力の定義を理解し,傾いた仮想断面上の応力を求めることができる.
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5週 |
応力とひずみ③ |
垂直ひずみとせん断ひずみ,縦ひずみと横ひずみ,公称ひずみと真ひずみ,についてそれぞれ理解する.
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6週 |
応力とひずみ④ |
種々の材料の応力ひずみ線図を理解し,許容応力,安全率について理解する.
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7週 |
引張と圧縮① |
伸びと応力の関係を理解し,自重による棒の伸びを求めることができる.
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8週 |
引張と圧縮② |
平等強さの棒について理解する.棒の不静定問題を解くことができる.
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2ndQ |
9週 |
中間試験 |
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10週 |
中間試験の解答と解説 |
これまでの学習内容の復習と,理解度の確認を行う.
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11週 |
曲げ① |
支持,固定の種類を理解し,せん断力と曲げモーメントを理解する.
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12週 |
曲げ② |
基本的なS.F.D.,B.M.D.の意味を理解する.
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13週 |
曲げ③ |
種々の問題におけるせん断力と曲げモーメントを求め,S.F.D.,B.M.D.の描き方を理解する.
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14週 |
曲げ④ |
高度で複雑な内容の問題における,せん断力と曲げモーメントを求め,S.F.D.,B.M.D.の描き方を理解する.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
期末試験の解答と解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。 | 3 | |
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。 | 3 | |
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。 | 3 | |
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。 | 3 | |
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。 | 3 | |
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | |
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | レポート・課題 | 合計 |
総合評価割合 | 85 | 15 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 5 | 45 |
専門的能力 | 45 | 10 | 55 |