応用物理Ⅰa

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用物理Ⅰa
科目番号 0091 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 Professional Engineer Library 工業力学,実教出版
担当教員 岡根 正樹

到達目標

(1)力の合成と分解を理解し,力が一点に働く場合のつり合い条件等を説明することができる。
(2)力のモーメントの意味を理解し,着力点の異なるつり合い条件や剛体のつり合いについて説明できる。
(3)重心の意味を理解し,立体,平面の重心位置を求めることができる。
(4)分布力を理解し,分布力と等価な集中力を求めることができる。
(5)時間,位置,速度,加速度の意味を理解し,平面運動におけるそれらの関係を直交座標成分に分けて考えることができる。
(6)角速度と周速度の関係を理解し,曲線運動を極座標成分に分けて考えることができる。
(7)力と運動法則における基礎を理解し,簡単な計算ができる。
(8)剛体の運動における基礎を理解し,簡単な計算ができる。
(9)摩擦の基本的概念について理解し,簡単な計算ができる。
(10)仕事と力学的エネルギーの概念について理解し,簡単な計算ができる。
(11)運動量と力積の基本的概念について理解し,簡単な計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力の合成と分解力の合成と分解を理解し,力が一点に働く場合のつり合い条件等を,正しく説明することができる。力の合成と分解を理解し,力が一点に働く場合のつり合い条件等を,ある程度説明することができる。力の合成と分解を理解しておらず,力が一点に働く場合のつり合い条件等を,説明することができない。
モーメントと力のつり合い力のモーメントの意味を理解し,着力点の異なるつり合い条件や剛体のつり合いについて,正しく説明できる。力のモーメントの意味を理解し,着力点の異なるつり合い条件や剛体のつり合いについて,ある程度説明できる。力のモーメントの意味を理解しておらず,着力点の異なるつり合い条件や剛体のつり合いについて,説明できない。
重心重心の意味を理解し,立体,平面の重心位置を,正しく求めることができる。重心の意味をある程度理解し,立体,平面の重心位置を,求めることができる。重心の意味を理解しておらず,立体,平面の重心位置を,求めることができない。
分布力分布力を理解し,分布力と等価な集中力を,正しく求めることができる。分布力をある程度理解し,分布力と等価な集中力を,求めることができる。分布力を理解しておらず,分布力と等価な集中力を求めることができない。
直線運動と平面運動平面運動における時間,位置,速度,加速度の意味を理解し,それらの関係を直交座標成分に分けて考えることができる。平面運動における時間,位置,速度,加速度の意味をある程度理解し,それらの関係を直交座標成分に分けることができる。平面運動における時間,位置,速度,加速度の意味を理解しておらず,それらの関係を直交座標成分に分けることができない。
円運動と曲線運動極座標を用いて,円運動の速度,加速度を,円軌道に沿う接線方向の成分とそれに直交する成分とに分けて,正しく考えることができる。極座標を用いて,円運動の速度,加速度を,円軌道に沿う接線方向の成分とそれに直交する成分とに分けることができる。極座標を用いて,円運動の速度,加速度を,円軌道に沿う接線方向の成分とそれに直交する成分とに分けることができない。
すべり摩擦,転がり摩擦摩擦の基本的概念について正しく理解し,簡単な計算が正確にできる.摩擦の基本的概念について理解し,簡単な計算ができる.摩擦の基本的概念について理解できず,簡単な計算ができない.
剛体の運動剛体の運動における基礎を正しく理解し,簡単な計算が正確にできる.剛体の運動における基礎を理解し,簡単な計算ができる.剛体の運動における基礎を理解できず,簡単な計算ができない.
仕事とエネルギー仕事と力学的エネルギーの概念について正しく理解し,簡単な計算が正確にできる.仕事と力学的エネルギーの概念について理解し,簡単な計算ができる.仕事と力学的エネルギーの概念について理解できず,簡単な計算ができない.
運動量と力積運動量と力積の基本的概念について正しく理解し,簡単な計算が正確にできる.運動量と力積の基本的概念について理解し,簡単な計算ができる.運動量と力積の基本的概念について理解できず,簡単な計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
2年生のときに工業力学の授業で学んだ内容に,微分積分学,ベクトルの知識を適用し,より高度な内容を考える。それにより,機械工学に関する専門科目(材料力学,熱力学,流体工学,機械力学など)を学ぶための基盤を固めることを目的としています。具体的には,力やモーメントのつり合いに関する静力学と,質点や剛体の運動に関する動力学について学習します。
授業の進め方・方法:
教員単独で行います。基礎科目なので,座学が中心になりますが,適宜,授業中に,演習問題等も取り入れます。
注意点:
1年生のときに学習した物理学,2年生のときに学習した工業力学,微分積分学,ベクトルの基本を理解していることが望ましい。これらの理解不足を自覚している者は,十分に復習して理解を深めておくことを強くお勧めします。なお,授業計画は,みなさんの理解度に応じて変更する場合があります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,力学に関する復習
2週 複数の点に働く力 モーメント,偶力等を理解し,それらを具体的に計算することができ,着力点の異なる力のつり合い条件を説明でき,剛体のつり合いに関する問題を解くことができる。
3週 重心と分布力 平面および立体図形の重心位置を求めることができ,分布力を理解し,分布力と等価な集中力を求めることができる。
4週 力,モーメント,重心,分布力に関する演習 力,モーメント,重心,分布力に関する演習問題を解くことができる。
5週 質点の直線運動と平面運動 等速直線運動,等加速度直線運動における,時間,位置,速度,加速度を理解し,それらを求めることができ,平面運動における時間,位置,速度,加速度の関係を理解し,それらを直交座標成分に分けて考えることができる。
6週 質点の円運動と曲線運動 角速度と周速度の関係を理解し,向心加速度について説明することができ,極座標を用いて,円運動の速度,加速度を,円軌道に沿う接線方向の成分とそれに直交する成分とに分けて考えることができる。
7週 質点の平面運動と曲線運動に関する演習 質点の平面運動と曲線運動に関する演習問題を解くことができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 中間試験の解答と解説
すべり摩擦,転がり摩擦
すべり摩擦,ころがり摩擦について理解でき,斜面の摩擦の応用について理解できる。
10週 仕事とエネルギー 仕事とエネルギーの関係を理解し,平面運動,回転運動の場合の仕事,仕事率等を求めることができる。
11週 剛体の運動① 剛体の並進運動,回転運動に関する運動方程式を求めることができ,必要に応じて慣性モーメントを求めることができる。
12週 剛体の運動② 剛体の並進運動,回転運動に関する運動方程式を求めることができ,必要に応じて慣性モーメントを求めることができる。
13週 力学的エネルギー保存の法則 質点および剛体に関する,力学的エネルギー保存の法則を理解できる。
14週 運動量と力積 質点および剛体に関する運動量と力積について理解している。
15週 期末試験
16週 答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4

評価割合

定期試験レポート、課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力301040
専門的能力501060