技術者倫理入門

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 技術者倫理入門
科目番号 0094 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械システム工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 佐瀬 直樹,山本 久嗣

到達目標

与えられた課題に対して、ルールに従って論理的なレポートが書ける。
最終発表において、技術者の視点から情報倫理や知財保護などのリテラシーに基づいた議論ができる。
 ○技術者の視点:一般市民ではなく、技術者として物事を考えることができる。
 ○情報倫理:調査や発表において情報マネージメントができる。
 ○知財リテラシー:調査や発表において知財マインドを発揮できる。
議論で述べる意見に、持続可能な開発の概念や価値観が含まれている。
具体的には下記ルーブリックの各項目が到達目標になる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
技術者と社会のかかわり技術を含む人の営みにおいて,安全や環境を守るためにどのようにすればよいか,また社会との関わりについて80%以上理解している.技術を含む人の営みにおいて,安全や環境を守るためにどのようにすればよいか,また社会との関わりについて70%以上理解している.技術を含む人の営みにおいて,安全や環境を守るためにどのようにすればよいか,また社会との関わりについて80未満の理解状態である.
グループ発表・合意形成グループの議論や作業で自ら進んで行動できるとともに,グループ全体のことを考え,成果だけでなく学びを有意義にできるように自らの貢献の仕方を工夫できるグループの議論や作業に参加し、グループとしてよりよい成果を出すことに貢献しているグループの議論や作業に参加しない.グループの円滑な活動に貢献しない
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
中学校を卒業した学生が、将来技術者として社会で活躍するための倫理、環境、知的財産の考え方を分かりやすく説明することを目的に授業を行う。
技術者に必要となる倫理観、知的財産の取り扱い方について理解を深める。さらに、現在人類が置かれている諸問題について調査学習および発表を行う.
授業の進め方・方法:
講義,調査学習ならびにグループワークを通したディスカッションに形式により課題に対して意見交換・合意形成を行う.
注意点:
授業計画は、学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 技術者倫理とは
データと表現①
技術者倫理を学ぶ意味を理解する。
データからの表現手法を学ぶ
2週 データと表現②
技術者倫理マッピングワーク①
データ表現を技術者の視点から考える。
ワーク・ディスカッション形式を用いて技術者にとって大切な考え方を学ぶ。
3週 技術者倫理マッピングワーク② ワーク・ディスカッション形式を用いて技術者にとって大切な考え方を学ぶ。
4週 技術者倫理マッピングワーク③ ワーク・ディスカッション形式を用いて技術者にとって大切な考え方を学ぶ。
5週 技術者倫理マッピングワーク④【発表会】 グループでまとめた意見を発表・質疑応答を通して理解ならびに考えを深めることができる.
6週 技術者倫理マッピングワーク⑤【反省会】
7週 これか技術者へなる私たちの考える未来への提言① 現在,あるいはこれから先の未来におこりうる様々な問題点に対して,調査学習,ディスカッションを行いこれから技術者になる私たちがどうあるべきかについて学ぶ。
8週 これか技術者へなる私たちの考える未来への提言②
2ndQ
9週 これか技術者へなる私たちの考える未来への提言③
10週 これか技術者へなる私たちの考える未来への提言④
11週 これか技術者へなる私たちの考える未来への提言⑤
12週 これか技術者へなる私たちの考える未来への提言⑥【発表会】
13週 点数開示,反省,授業アンケート
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。1
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。2
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。2
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。2
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。2
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。2
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。1
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解世界の歴史、交通・通信の発達から生じる地域間の経済、文化、政治、社会問題を理解し、技術者として、それぞれの国や地域の持続的発展を視野においた、経済的、社会的、環境的な進歩に貢献する資質を持ち、将来技術者の役割、責任と行動について考えることができる。1
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。3
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。3
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。3
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。3
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。3
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。3
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。3
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。3
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。3
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。2
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。3
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。3
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。3
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。3
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。1
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。2
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。1
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。1
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。1
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。1

評価割合

発表試験①発表試験②合計
総合評価割合5050100
得点5050100